その二
「凄い豪邸っすね。」
「ええ旧華族の屋敷になりますから。」
その後横島とかおりは不動産屋の言う最悪な物件を見学に来たが屋敷全体に蔦が這っているなど古さはあるが、かなりの豪邸でありどちらかと言えば文化財にも見える。
「これは確かに凄いですわね。 ここは普通の住宅地やオフィスにするのは少し難しいかも。 いっそ寺社でも立てた方がいいんでしょうけど場所的に寺社を新しく建ててもやっていけませんわよね。」
かおりはその屋敷と土地に漂う汚れた気配に少し表情を険しくして住宅地やオフィスには向かないところだと断言するが、ならば寺社でも作ればいいと簡単にはいかないことをよく理解していた。
「宗教関係者も何人かお見えになりましたけど周りがオフィス街ですから。 ここに建てても人が集まりませんしね。」
不動産屋の社長も半ば諦め顔で寺社でもいいから売れるなら売りたいらしいが、今時新しい寺や神社を突然作ってもやっていけないという切実な問題がある。
歴史ある闘竜寺ですら苦しいのに周りがオフィス街で地元の住民も少なく、また住民が居るにはいるが宗教など必要としない現代人ばかりなため寺社を運営していけないのだ。
まあ中には宗教をビジネスにしていたりして資金力のあるところもあるが、そんな宗教に限って除霊はしてなかったり霊障に合うのは祈りが足りないからだと言い責任逃れする宗教なんかも割とあるが。
もちろん金のあるビジネス宗教がわざわざ危険な土地を買うはずもないし、はっきり言えばGSだって寺社だって安全な場所に家や事務所を欲しいのであって元霊障があった程度の物件ならばともかく現在進行形で厄介な場所を進んで欲しがる人は居ない。
「いかがですか? 試しに借りるだけでも?」
「すいません。 見習いには少し荷が重すぎます。」
不動産屋の社長もまあ有り得ないだろうと冗談っぽく横島にこの物件を勧めるも、横島とかおりは顔を見合わせかおりが首を横に振ると横島は申し訳なさげに断った。
正直横島と自分ならば住めるかもしれないし何とかなるとかおりは思ったが、最終的に完全な解決が出来ない以上は貰っても借りても不良資産にしかならない。
それにGSも人気というか客商売なので幽霊屋敷に住んでるなんて噂になれば自分の家すら除霊出来ないのかと実力を疑われ兼ねなかった。
「ですよね。 ああお気に為さらずに。 ここは美神さんにも一度見ていただきましたし著名な霊能者の方に何人も見ていただいたんですがどうしようもないと。 お嬢さんのおっしゃるように霊的な施設にするしかないというんですが管理する人も見つかりませんでね。 ただ美神さんのお弟子さんだから教えますが、一般のお客さんも最悪な霊障物件と言うと物珍しさに見たがりましてね。 しかもここを先に見せると他の物件がよく見えるので最近はその為にしか使ってないんですよ。」
ただここで不動産屋の社長はなんでこんな不良物件を持っているかという話を暴露すると横島とかおりを驚かせる。
正直なところ国にでも寄付した方がいい物件なんだが、不動産屋ならばこれはこれで使い道があるらしい。
ある意味これ程の物件を見せられるとこのあとの契約が上手く行きやすいんだとか。
「なるほど。 そんな使い道が。」
「言い換えれば他に使い道がないからヤケクソなんですけどね。」
横島とかおりはこの不動産屋が令子の顧客の意味をこの時理解した気がした。
転んでもタダでは起きないというか商魂逞しいと言うか。
「ええ旧華族の屋敷になりますから。」
その後横島とかおりは不動産屋の言う最悪な物件を見学に来たが屋敷全体に蔦が這っているなど古さはあるが、かなりの豪邸でありどちらかと言えば文化財にも見える。
「これは確かに凄いですわね。 ここは普通の住宅地やオフィスにするのは少し難しいかも。 いっそ寺社でも立てた方がいいんでしょうけど場所的に寺社を新しく建ててもやっていけませんわよね。」
かおりはその屋敷と土地に漂う汚れた気配に少し表情を険しくして住宅地やオフィスには向かないところだと断言するが、ならば寺社でも作ればいいと簡単にはいかないことをよく理解していた。
「宗教関係者も何人かお見えになりましたけど周りがオフィス街ですから。 ここに建てても人が集まりませんしね。」
不動産屋の社長も半ば諦め顔で寺社でもいいから売れるなら売りたいらしいが、今時新しい寺や神社を突然作ってもやっていけないという切実な問題がある。
歴史ある闘竜寺ですら苦しいのに周りがオフィス街で地元の住民も少なく、また住民が居るにはいるが宗教など必要としない現代人ばかりなため寺社を運営していけないのだ。
まあ中には宗教をビジネスにしていたりして資金力のあるところもあるが、そんな宗教に限って除霊はしてなかったり霊障に合うのは祈りが足りないからだと言い責任逃れする宗教なんかも割とあるが。
もちろん金のあるビジネス宗教がわざわざ危険な土地を買うはずもないし、はっきり言えばGSだって寺社だって安全な場所に家や事務所を欲しいのであって元霊障があった程度の物件ならばともかく現在進行形で厄介な場所を進んで欲しがる人は居ない。
「いかがですか? 試しに借りるだけでも?」
「すいません。 見習いには少し荷が重すぎます。」
不動産屋の社長もまあ有り得ないだろうと冗談っぽく横島にこの物件を勧めるも、横島とかおりは顔を見合わせかおりが首を横に振ると横島は申し訳なさげに断った。
正直横島と自分ならば住めるかもしれないし何とかなるとかおりは思ったが、最終的に完全な解決が出来ない以上は貰っても借りても不良資産にしかならない。
それにGSも人気というか客商売なので幽霊屋敷に住んでるなんて噂になれば自分の家すら除霊出来ないのかと実力を疑われ兼ねなかった。
「ですよね。 ああお気に為さらずに。 ここは美神さんにも一度見ていただきましたし著名な霊能者の方に何人も見ていただいたんですがどうしようもないと。 お嬢さんのおっしゃるように霊的な施設にするしかないというんですが管理する人も見つかりませんでね。 ただ美神さんのお弟子さんだから教えますが、一般のお客さんも最悪な霊障物件と言うと物珍しさに見たがりましてね。 しかもここを先に見せると他の物件がよく見えるので最近はその為にしか使ってないんですよ。」
ただここで不動産屋の社長はなんでこんな不良物件を持っているかという話を暴露すると横島とかおりを驚かせる。
正直なところ国にでも寄付した方がいい物件なんだが、不動産屋ならばこれはこれで使い道があるらしい。
ある意味これ程の物件を見せられるとこのあとの契約が上手く行きやすいんだとか。
「なるほど。 そんな使い道が。」
「言い換えれば他に使い道がないからヤケクソなんですけどね。」
横島とかおりはこの不動産屋が令子の顧客の意味をこの時理解した気がした。
転んでもタダでは起きないというか商魂逞しいと言うか。