その二
「卒業おめでとうございます!」
横島達と愛子におキヌ・かおり・魔理の七人は何処に行こうかと悩んだ末にカラオケボックスに来て乾杯していた。
ちょうどこの日は都内の高校のほとんどが卒業式ということでもあり何処も混んでいて、ここも一時間ほど待ってようやく部屋に入ることが出来ている。
「えっ!? 愛子さんうちの学校に来るんですか!?」
「ええ。 実際に行くのは学校が春休みになってからって聞いてるわ。」
GS見習いの横島達はこれでGSの修行や仕事に専念することになるも、この日一番注目を集めたのはやはり来年度から六道女学院の教師となる愛子だった。
特別隠してる訳ではないので学校関係者は知ってる話だが、実際に正式決定したのは割と最近で横島達ですら卒業式の今日知ったのにおキヌ達が知るはずもなく驚いていた。
愛子に関しては実は六道女学院にすでに何度も足を運んでいて理事長の冥菜や学校関係者とかなり時間を懸けて話し合いをしている。
冥菜自身はあまり心配してないが妖怪を教師として迎えることに不安や疑念の声が無かった訳ではなく、また愛子の価値観や考え方に学力に至るまでかなり調べられてもいた影響で本決まりが遅くなったのだ。
中には退治する側とされる側は馴れ合うべきじゃないとの考えや生徒にもしものことがあれば誰が責任を取るのかという慎重意見もあったが、式神という人でない存在を家族のように愛する六道冥菜の強い意思に最後まで反対する関係者はいなかった。
「来年度から愛子さんが先生なんだ。」
「うん。 理事長先生はゆくゆくは妖怪学という一つの学問として確立したいっておっしゃってたわ。 その為には妖怪の側からの研究は必要なんだって。」
「妖怪学ですか。 確かに現状では特定の希少霊獣や妖怪以外は基本的にGSの側に対応は任されてますが不用意に退治して周囲の霊的なバランスを壊したりして問題になってますわ。 共存するにしても現状だとほとんど妖怪の側の考えは考慮されてなく知らないことも多いですから。」
ただ愛子の存在は単純な妖怪を知ることだけではなく妖怪自体を学術的に研究して将来のオカルト学問の一つにしたいとの思惑も冥菜にはあるらしい。
実は海外ではすでに実施してる国や地域があるが日本のオカルト業界は宗教絡みの派閥に神道や密教系に非宗教のGSなど、複雑な勢力が入り乱れていて基本的な価値観が違いすぎ情報や技術を共有出来ない影響でオカルトの学問化はオカルト学問の先進国に比べると少し遅れている。
妖怪もただ乱暴に退治すると地域の霊的なバランスを崩して悪霊やら別の危険な妖怪やらが増えるきっかけになる可能性があり対応が難しいが、現時点では妖怪の生態や知性に価値観なんかはメジャーな妖怪を別にするとあまり情報がなく例え知っていても共有化が進んでないので退治する為の情報しかない場合なんてのもあった。
まあGSの側も金にならない妖怪の生態や価値観なんかは興味ない場合が多く、退治した後の影響は確かな証拠がない限りは契約外の問題だと突っぱねる乱暴なGSも決して珍しくはない。
妖怪の保護に共存などと考える霊能者も居るが人間の一方的な視点と価値観による保護や共存は妖怪の側にはあまり受け入れられてなく、冥菜はそんなオカルト業界を変える一石を投じたいようであった。
横島達と愛子におキヌ・かおり・魔理の七人は何処に行こうかと悩んだ末にカラオケボックスに来て乾杯していた。
ちょうどこの日は都内の高校のほとんどが卒業式ということでもあり何処も混んでいて、ここも一時間ほど待ってようやく部屋に入ることが出来ている。
「えっ!? 愛子さんうちの学校に来るんですか!?」
「ええ。 実際に行くのは学校が春休みになってからって聞いてるわ。」
GS見習いの横島達はこれでGSの修行や仕事に専念することになるも、この日一番注目を集めたのはやはり来年度から六道女学院の教師となる愛子だった。
特別隠してる訳ではないので学校関係者は知ってる話だが、実際に正式決定したのは割と最近で横島達ですら卒業式の今日知ったのにおキヌ達が知るはずもなく驚いていた。
愛子に関しては実は六道女学院にすでに何度も足を運んでいて理事長の冥菜や学校関係者とかなり時間を懸けて話し合いをしている。
冥菜自身はあまり心配してないが妖怪を教師として迎えることに不安や疑念の声が無かった訳ではなく、また愛子の価値観や考え方に学力に至るまでかなり調べられてもいた影響で本決まりが遅くなったのだ。
中には退治する側とされる側は馴れ合うべきじゃないとの考えや生徒にもしものことがあれば誰が責任を取るのかという慎重意見もあったが、式神という人でない存在を家族のように愛する六道冥菜の強い意思に最後まで反対する関係者はいなかった。
「来年度から愛子さんが先生なんだ。」
「うん。 理事長先生はゆくゆくは妖怪学という一つの学問として確立したいっておっしゃってたわ。 その為には妖怪の側からの研究は必要なんだって。」
「妖怪学ですか。 確かに現状では特定の希少霊獣や妖怪以外は基本的にGSの側に対応は任されてますが不用意に退治して周囲の霊的なバランスを壊したりして問題になってますわ。 共存するにしても現状だとほとんど妖怪の側の考えは考慮されてなく知らないことも多いですから。」
ただ愛子の存在は単純な妖怪を知ることだけではなく妖怪自体を学術的に研究して将来のオカルト学問の一つにしたいとの思惑も冥菜にはあるらしい。
実は海外ではすでに実施してる国や地域があるが日本のオカルト業界は宗教絡みの派閥に神道や密教系に非宗教のGSなど、複雑な勢力が入り乱れていて基本的な価値観が違いすぎ情報や技術を共有出来ない影響でオカルトの学問化はオカルト学問の先進国に比べると少し遅れている。
妖怪もただ乱暴に退治すると地域の霊的なバランスを崩して悪霊やら別の危険な妖怪やらが増えるきっかけになる可能性があり対応が難しいが、現時点では妖怪の生態や知性に価値観なんかはメジャーな妖怪を別にするとあまり情報がなく例え知っていても共有化が進んでないので退治する為の情報しかない場合なんてのもあった。
まあGSの側も金にならない妖怪の生態や価値観なんかは興味ない場合が多く、退治した後の影響は確かな証拠がない限りは契約外の問題だと突っぱねる乱暴なGSも決して珍しくはない。
妖怪の保護に共存などと考える霊能者も居るが人間の一方的な視点と価値観による保護や共存は妖怪の側にはあまり受け入れられてなく、冥菜はそんなオカルト業界を変える一石を投じたいようであった。