その二
暦が変わり三月になると横島の卒業式となる。
結局横島の両親はこのタイミングで帰国しないらしくかおりの悩みは一旦棚上げとなるも、横島自身は帰ってこなくてホッとしてるのが現状だった。
横島は美神事務所への就職となりピートとタイガーもそれぞれ唐巣の教会の手伝いとエミの事務所への就職となるが、横島が驚いたのは愛子のことだろう。
「ってかなんでお前が六道女学院に?」
「妖怪として霊能科の講師をして欲しいって理事長先生に頼まれたの。 先生達とも相談したし校長先生は自分が居る間は生徒として居ていいって言ってくれたけど校長先生が代わればどうなるか分からないしね。 先生として霊能者と妖怪の架け橋になって欲しいって言われると断れないわ。」
愛子は来年度から六道女学院の霊能科の講師としてちゃっかり就職を決めていた。
その就職には誰もが驚いたが一番驚いたのは未だにプッツンおばさんのイメージが強い横島だろう。
「あのおばさんがねぇ。」
「六道理事長は教育者としてやオカルト業界のリーダーとしては評価が高いんですよ。」
尤もピートなんかは愛子の就職を良かったと我が事のように喜んでいて、バンパイアハーフという少し難しい立場のピートの保証人となる唐巣と同様に六道家が間接的に庇護をしてくれてるのを理解する故に自分達が卒業したあとの愛子が学校を追い出されるような事態とならずにホッとしているようだった。
日本はヨーロッパほど吸血鬼にアレルギーはないが何処にでも過激な思想の人間は居るし、唐巣が密かに六道家にピートの庇護を頼みGSになるときも多少議論があったが問題視されなかったという過去がある。
まあ霊能者として自身で除霊するのは冥子ほどではないがあまり評価されてないのも事実だが。
ちなみに六道冥菜が愛子の存在を知ったのは横島とかおりの一件を気にして少し調べた時になるので、実は愛子の六道女学院就職の影には横島とかおりの存在があったりする。
学校という環境に馴染み生徒や教師を愛する愛子の性格は何より教師向きであり、人間ではなく場合によっては除霊される立場からの視点の教師は六道女学院としても是非欲しい人材だったのだ。
「お給料も貰えるし住み込みでもいいって言ってくれたから。」
一方の愛子は予期せぬ話に驚いたのが最初の印象だったが将来に不安がないと言えば嘘になるし、横島やかおりのような若いGSと妖怪の架け橋になって欲しいという言葉は心に響くものがあった。
それにおキヌやかおりなど多少なりとも顔見知りが居ることも六道女学院行きを決断した一つであり、とりあえず一年やってみようと考えたのが本音になる。
一度は令子に退治されかけた自分が次世代の霊能者を育てることになるのは皮肉にしか思えなかったが。
何はともあれ卒業式のこの日を持って愛子は横島達と共に高校を卒業することになる。
結局横島の両親はこのタイミングで帰国しないらしくかおりの悩みは一旦棚上げとなるも、横島自身は帰ってこなくてホッとしてるのが現状だった。
横島は美神事務所への就職となりピートとタイガーもそれぞれ唐巣の教会の手伝いとエミの事務所への就職となるが、横島が驚いたのは愛子のことだろう。
「ってかなんでお前が六道女学院に?」
「妖怪として霊能科の講師をして欲しいって理事長先生に頼まれたの。 先生達とも相談したし校長先生は自分が居る間は生徒として居ていいって言ってくれたけど校長先生が代わればどうなるか分からないしね。 先生として霊能者と妖怪の架け橋になって欲しいって言われると断れないわ。」
愛子は来年度から六道女学院の霊能科の講師としてちゃっかり就職を決めていた。
その就職には誰もが驚いたが一番驚いたのは未だにプッツンおばさんのイメージが強い横島だろう。
「あのおばさんがねぇ。」
「六道理事長は教育者としてやオカルト業界のリーダーとしては評価が高いんですよ。」
尤もピートなんかは愛子の就職を良かったと我が事のように喜んでいて、バンパイアハーフという少し難しい立場のピートの保証人となる唐巣と同様に六道家が間接的に庇護をしてくれてるのを理解する故に自分達が卒業したあとの愛子が学校を追い出されるような事態とならずにホッとしているようだった。
日本はヨーロッパほど吸血鬼にアレルギーはないが何処にでも過激な思想の人間は居るし、唐巣が密かに六道家にピートの庇護を頼みGSになるときも多少議論があったが問題視されなかったという過去がある。
まあ霊能者として自身で除霊するのは冥子ほどではないがあまり評価されてないのも事実だが。
ちなみに六道冥菜が愛子の存在を知ったのは横島とかおりの一件を気にして少し調べた時になるので、実は愛子の六道女学院就職の影には横島とかおりの存在があったりする。
学校という環境に馴染み生徒や教師を愛する愛子の性格は何より教師向きであり、人間ではなく場合によっては除霊される立場からの視点の教師は六道女学院としても是非欲しい人材だったのだ。
「お給料も貰えるし住み込みでもいいって言ってくれたから。」
一方の愛子は予期せぬ話に驚いたのが最初の印象だったが将来に不安がないと言えば嘘になるし、横島やかおりのような若いGSと妖怪の架け橋になって欲しいという言葉は心に響くものがあった。
それにおキヌやかおりなど多少なりとも顔見知りが居ることも六道女学院行きを決断した一つであり、とりあえず一年やってみようと考えたのが本音になる。
一度は令子に退治されかけた自分が次世代の霊能者を育てることになるのは皮肉にしか思えなかったが。
何はともあれ卒業式のこの日を持って愛子は横島達と共に高校を卒業することになる。