その二

除霊実習は無事に終了し六道女学院一行は午前は休憩と仮眠を取ると、午後には早くも近場のスキー場にてスキー教室を行っていたがGS一行は仮眠を取ったお昼過ぎにはバスで帰京していく。

残って二三日ゆっくりしてもいいとも言われていたが、生徒達も居て気が休まらないからかほとんどのGSはこの日の帰京を選択しており令子や横島も同様である。

まあ以前の横島ならば頼まれなくても残ったのかもしれないが流石に横島でも生徒達がかおりの関係で騒いでいたのは気づいているので、かおりに恥をかかせるだけになるからと早々と帰京することにしていた。


「実力はありますが経験はあまりないですわよ。 オカルトに関わったのが高校入ってからのようですから。」

一方のかおりの方はスキーの傍ら横島のことをクラスメートに質問責めを受けていた。

除霊の最中は周りも自重したしかおりも答えなかったが、終わったあとまではそうもいかない。


「高校入ってからって……。」

「時々聞くけど、この業界本当才能に左右されるのよね。」

横島が令子の弟子で一般の高校生なのはすでに知られていたが幼い頃からの修行もしてなく僅かな修行と経験でGS試験に合格したと聞くクラスメート達は才能の差を痛感する。

本人が聞けばそんな生易しいものではないと言うだろうしかおりもかなり危険な依頼を経験してきたと話すが、令子や横島が経験してきた危険なレベルは一般の霊能者ですらなかなか理解出来ないのが難点だろう。

結果しか見られないのは別に横島だけではなくオカルト業界でもよくあるし一般社会でもよくある。

かおりは結局誰か横島の友達の男の子でも紹介してと頼まれるが本人に聞いてみると明言を避けることしか出来なかった。


「ねえねえ、ピートさんってバンパイアハーフなのよね? 彼女とか居るの?」

「えーと居ないみたいですけど。」

そしておキヌの方は来ていたGS達の中で横島と共に見た目が若くイケメンであるピートについて質問責めを受けていた。

こちらは一年から三年までまんべんなく来ていて外国人のバンパイアハーフという特殊な存在ではあるが、女子高故に出会いに飢えてる学生達からすると格好の獲物になるらしい。


「確かにイケメンだけど寿命が違うのよね。」

「別にいいじゃん。 デートして遊ぶくらいならなんの問題もないわ!」

ただこちらは将来とか結婚なんてあまり考えてなく、とりあえずイケメンの彼氏をゲットして楽しい高校生活を送りたいくらいにしか考えてない女の子が多かった。

流石に横島じゃあるまいしきちんと教育を受けてる霊能者の卵達なだけに、種族を超えた結婚の難しさはよく教え込まれている。

しかしだからと言ってピートと関わらないかといえばまた別で友達や彼氏くらいならば問題ないし、将来独立するならば雇って貰えないかと考える者はそれなりにいた。

正直結婚なんかは夢には見ても現実として考えるのはまだ早い年齢だった。

少なくとも人の恋人にはちょっかいは出せないがピートなら問題ない。

東京に帰ったら唐巣の教会に行ってみようと考える女の子達があちこちに現れていた。


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