その二
「これは……何ですの?」
この日の仕事終わりかおりは横島に霊能の勉強を教える為にアパートに寄っていたが、部屋でとある物を見つけると額に青筋を浮かべて怒りの表情を見せていた。
「いや……、その。 ちょっとした息抜きっていうか。 何というか。」
何故か正座をしてしまった横島ら冷や汗を流して言い訳を考えるも、こういう時に限っていい言葉が出てこないというか言い訳なんて出来るものではない。
それはある意味では横島の心の友ともいうべきアダルトビデオであった。
しかも最新作の新品を五本もある。
安定した収入も入ることだしと久々に奮発してレンタルではなく購入してしまったのだが、つい隠すのを忘れてレシートと共にこたつの上に出しっぱなしだった為にかおりに見つかってしまったらしい。
「いっぱいあるのに、こんなに高い物をわざわざ買うなんて私へのあてつけですか?」
「そっ、そんな訳無いじゃないっすか!? ってかいっぱいあるってなんで知ってるんっすか!?」
「風邪を引いた時に体温計を探して見ました。」
正直横島としてはさほど深くは考えてなく三年になりバイト代が減った影響で、新しいものをしばらく見てなかったので買ってしまっただけなのだがかおりには全く理解出来ないことのようだった。
流石に持ってるのを捨てろとまでは言うつもりは無いいようだったが、恋人が見知らぬの女のいかがわしいビデオを買ったこと自体許せないという気持ちがあるようだ。
ましてついさっき無駄遣いしないでと言ったのにこんなものに無駄遣いしてという怒りもある。
元々かおりの父は真面目でそういう面では出来た人であり、幼い頃から接してきた父の弟子達も師匠の娘に性に関することを見せるはずもないのでかおりに理解出来ないのも無理はない。
無論かおりも一般常識として男性がアダルトビデオやエロ本を買うのは知ってるし、それを悪いという気もないが恋人にされては面白くないものは面白くない。
「いい機会ですから全部処分しましょうか。」
「えっ!? 流石にそれは……。 それに買ったばっかりでまだ見てないのも……。」
愛する人がアダルトビデオなんかを見て欲情してると思うと我慢出来ないらしく、かおりはいっそ全部捨てるようにと気持ちのいいほどの迫力ある笑顔で横島に迫る。
まさか横島はそこまで言われると思って無かったようで驚きつつ抵抗するも、最後の一線こそ越えてないが唇は許したし服の上から触るくらいはすでに許してるので引く気は全くない。
そもそも最後の一線を越えてないのはどちらかと言えば横島が自重というかヘタレてるのが原因であって、かおりとするとまだ早いかとは思うが横島が本気で自分を求めるならばと半ば覚悟はしていた。
にも関わらず横島は自分と向き合わずにアダルトビデオと向き合ってるのだからかおりが怒るのも当然だろう。
「私では不足だと?」
「そんな、めっそうもない!」
「今日は帰りますわ。 出来れば私の目の届くところには置かないで下さい。 気分がいいものではありませんので。」
ただ横島が今一つ踏ん切りが着かないようで迷う表情を見せるとかおりは少し冷静になったのか踏み込み過ぎかと考えたのか、妥協案を提示すると頭を冷やすべきだとこの日は帰ると部屋を出ようとした。
「捨てます。 もう買わないんで機嫌直して下さい。 こんなことで別れるなんて嫌っすから。」
「誰も別れるなどと言ってませんわ! 私の気持ちはそれほど軽くありません!」
しかしそんなかおりに顔を真っ青にして焦った横島は捨てられるとでも思ったのか、あっさりとエロ本やアダルトビデオを捨てると言い切りかおりと仲直りするべく謝る。
一方のかおりは別れる気など全くないのに別れるなどという言葉を持ち出した横島に怒りの表情を見せるも、何度もペコペコと謝る横島の姿には怒る気も失せてしまう。
この日の仕事終わりかおりは横島に霊能の勉強を教える為にアパートに寄っていたが、部屋でとある物を見つけると額に青筋を浮かべて怒りの表情を見せていた。
「いや……、その。 ちょっとした息抜きっていうか。 何というか。」
何故か正座をしてしまった横島ら冷や汗を流して言い訳を考えるも、こういう時に限っていい言葉が出てこないというか言い訳なんて出来るものではない。
それはある意味では横島の心の友ともいうべきアダルトビデオであった。
しかも最新作の新品を五本もある。
安定した収入も入ることだしと久々に奮発してレンタルではなく購入してしまったのだが、つい隠すのを忘れてレシートと共にこたつの上に出しっぱなしだった為にかおりに見つかってしまったらしい。
「いっぱいあるのに、こんなに高い物をわざわざ買うなんて私へのあてつけですか?」
「そっ、そんな訳無いじゃないっすか!? ってかいっぱいあるってなんで知ってるんっすか!?」
「風邪を引いた時に体温計を探して見ました。」
正直横島としてはさほど深くは考えてなく三年になりバイト代が減った影響で、新しいものをしばらく見てなかったので買ってしまっただけなのだがかおりには全く理解出来ないことのようだった。
流石に持ってるのを捨てろとまでは言うつもりは無いいようだったが、恋人が見知らぬの女のいかがわしいビデオを買ったこと自体許せないという気持ちがあるようだ。
ましてついさっき無駄遣いしないでと言ったのにこんなものに無駄遣いしてという怒りもある。
元々かおりの父は真面目でそういう面では出来た人であり、幼い頃から接してきた父の弟子達も師匠の娘に性に関することを見せるはずもないのでかおりに理解出来ないのも無理はない。
無論かおりも一般常識として男性がアダルトビデオやエロ本を買うのは知ってるし、それを悪いという気もないが恋人にされては面白くないものは面白くない。
「いい機会ですから全部処分しましょうか。」
「えっ!? 流石にそれは……。 それに買ったばっかりでまだ見てないのも……。」
愛する人がアダルトビデオなんかを見て欲情してると思うと我慢出来ないらしく、かおりはいっそ全部捨てるようにと気持ちのいいほどの迫力ある笑顔で横島に迫る。
まさか横島はそこまで言われると思って無かったようで驚きつつ抵抗するも、最後の一線こそ越えてないが唇は許したし服の上から触るくらいはすでに許してるので引く気は全くない。
そもそも最後の一線を越えてないのはどちらかと言えば横島が自重というかヘタレてるのが原因であって、かおりとするとまだ早いかとは思うが横島が本気で自分を求めるならばと半ば覚悟はしていた。
にも関わらず横島は自分と向き合わずにアダルトビデオと向き合ってるのだからかおりが怒るのも当然だろう。
「私では不足だと?」
「そんな、めっそうもない!」
「今日は帰りますわ。 出来れば私の目の届くところには置かないで下さい。 気分がいいものではありませんので。」
ただ横島が今一つ踏ん切りが着かないようで迷う表情を見せるとかおりは少し冷静になったのか踏み込み過ぎかと考えたのか、妥協案を提示すると頭を冷やすべきだとこの日は帰ると部屋を出ようとした。
「捨てます。 もう買わないんで機嫌直して下さい。 こんなことで別れるなんて嫌っすから。」
「誰も別れるなどと言ってませんわ! 私の気持ちはそれほど軽くありません!」
しかしそんなかおりに顔を真っ青にして焦った横島は捨てられるとでも思ったのか、あっさりとエロ本やアダルトビデオを捨てると言い切りかおりと仲直りするべく謝る。
一方のかおりは別れる気など全くないのに別れるなどという言葉を持ち出した横島に怒りの表情を見せるも、何度もペコペコと謝る横島の姿には怒る気も失せてしまう。