その二
「やはり迷ってるんですの?」
「うーん、まあそうかな。」
一方美神事務所を後にした横島とかおりは横島のアパートに来ていたが、かおりもまた横島が待遇を含めて決断しなかったことを気にしていた。
「正直さ、弓さんと付き合うことなかったら辞めて普通の仕事してたかもしれん。」
「その、美神さんや氷室さんのことを……。」
「美神さん達はあんま関係ないかな。 GSって仕事するより普通の仕事してみたいって思ってた。」
ただ周囲の思惑をよそに横島は令子やおキヌに特に思うところはないものの、GSという仕事に対してはかおりが驚くほど冷めている。
よく好き反対は無関心だというがまさにそんな感じでGSという仕事に対しての熱意はほとんどない。
「まさか弓さんが美神さんのとこに来るとは思わんかったからなぁ。 将来的に弓さんがGSになるなら手伝うつもりだけど別に俺がGSになる必要あんのかなっては思う。」
この時かおりは自身が美神事務所に行ったことを横島はあまり喜んでないことに複雑な心境になっていた。
横島なりに将来を考えてGSの仕事を手伝うと言ってくれたのは嬉しいが、それはかおりが望むような競い助け合う関係と微妙に違う。
「怖いのですか?」
「うん、怖いな。 何度も死にかけたしアシュタロスの時は無理矢理敵地に潜入させられたし。 ルシオラ達だって馬鹿じゃない。 俺がGSだって知ってたし今も生きてんのはルシオラ達が人間に微かな興味を持って自分達の生きた証を残そうとしたからだしな。 なんつうか、もうそこまでしたくないんだ。」
そんな横島に対してかおりは横島がGSとなるかどうかの岐路に立たされていると感じた。
実際六道女学院の霊能科でさえ除霊が怖くなり辞める者は多いもののそこに才能の有無はあまり関係なく、かおりの同期でかおりや教師が一目置いた者でさえGSになるのをあっさり辞めて進学に切り替えた者もいる。
以前のかおりはそれを弱さだと考えていたが横島を知りその考えを聞くうちにかおり自身の考えも変わり始めていた。
「GSを辞めて好きな道を選んでもいいですわよ。 私も協力しますわ。」
「……でもさ。」
「ただここまで歯を食い縛り頑張って来たのです。 少し勉強して正式なGS免許の許可だけは頂いては? 無理な依頼は断ればいいんです。 辞めるのはそれが許されない時が再び来てからでも遅くありませんわ。 そんな無理矢理に命を賭けさせるようなのがGSなら私も一緒に辞めますから、その時は二人で他の道を考えましょう。」
もう横島はGSから離れた方がいいのかもしれないとかおりは密かに思うものの、その才能を惜しむ気持ちもあるしここまで来たならば一定のけじめを付けるべきだと考えた。
実はかおり自身も最近になり、何故自分はGSになろうとするのかと考えるようになっている。
横島と親しくなるまではそんな当たり前の疑問すら感じぬままに修行を続けて来たが、誰よりも才能に恵まれ世界の危機すら救った横島の等身大の姿にかおり自身も考えさせられるようになっていた。
加えて闘竜寺を離れて祖父母の家で暮らすようになってからは日常と霊能は切り離されていて、これが普通の家庭なのだと改めて知らされてもいる。
結果的ではあるがかおりもまたGS以外の道を考え始めている。
とりあえず一定のけじめをつけるまでは続けようと決めているかおりは、横島にもこのまま辞めるのではなくけじめを付けてはと告げていた。
「うーん、まあそうかな。」
一方美神事務所を後にした横島とかおりは横島のアパートに来ていたが、かおりもまた横島が待遇を含めて決断しなかったことを気にしていた。
「正直さ、弓さんと付き合うことなかったら辞めて普通の仕事してたかもしれん。」
「その、美神さんや氷室さんのことを……。」
「美神さん達はあんま関係ないかな。 GSって仕事するより普通の仕事してみたいって思ってた。」
ただ周囲の思惑をよそに横島は令子やおキヌに特に思うところはないものの、GSという仕事に対してはかおりが驚くほど冷めている。
よく好き反対は無関心だというがまさにそんな感じでGSという仕事に対しての熱意はほとんどない。
「まさか弓さんが美神さんのとこに来るとは思わんかったからなぁ。 将来的に弓さんがGSになるなら手伝うつもりだけど別に俺がGSになる必要あんのかなっては思う。」
この時かおりは自身が美神事務所に行ったことを横島はあまり喜んでないことに複雑な心境になっていた。
横島なりに将来を考えてGSの仕事を手伝うと言ってくれたのは嬉しいが、それはかおりが望むような競い助け合う関係と微妙に違う。
「怖いのですか?」
「うん、怖いな。 何度も死にかけたしアシュタロスの時は無理矢理敵地に潜入させられたし。 ルシオラ達だって馬鹿じゃない。 俺がGSだって知ってたし今も生きてんのはルシオラ達が人間に微かな興味を持って自分達の生きた証を残そうとしたからだしな。 なんつうか、もうそこまでしたくないんだ。」
そんな横島に対してかおりは横島がGSとなるかどうかの岐路に立たされていると感じた。
実際六道女学院の霊能科でさえ除霊が怖くなり辞める者は多いもののそこに才能の有無はあまり関係なく、かおりの同期でかおりや教師が一目置いた者でさえGSになるのをあっさり辞めて進学に切り替えた者もいる。
以前のかおりはそれを弱さだと考えていたが横島を知りその考えを聞くうちにかおり自身の考えも変わり始めていた。
「GSを辞めて好きな道を選んでもいいですわよ。 私も協力しますわ。」
「……でもさ。」
「ただここまで歯を食い縛り頑張って来たのです。 少し勉強して正式なGS免許の許可だけは頂いては? 無理な依頼は断ればいいんです。 辞めるのはそれが許されない時が再び来てからでも遅くありませんわ。 そんな無理矢理に命を賭けさせるようなのがGSなら私も一緒に辞めますから、その時は二人で他の道を考えましょう。」
もう横島はGSから離れた方がいいのかもしれないとかおりは密かに思うものの、その才能を惜しむ気持ちもあるしここまで来たならば一定のけじめを付けるべきだと考えた。
実はかおり自身も最近になり、何故自分はGSになろうとするのかと考えるようになっている。
横島と親しくなるまではそんな当たり前の疑問すら感じぬままに修行を続けて来たが、誰よりも才能に恵まれ世界の危機すら救った横島の等身大の姿にかおり自身も考えさせられるようになっていた。
加えて闘竜寺を離れて祖父母の家で暮らすようになってからは日常と霊能は切り離されていて、これが普通の家庭なのだと改めて知らされてもいる。
結果的ではあるがかおりもまたGS以外の道を考え始めている。
とりあえず一定のけじめをつけるまでは続けようと決めているかおりは、横島にもこのまま辞めるのではなくけじめを付けてはと告げていた。