その二
一方かおりは横島が素直にキスをしてきたことに喜びと共に驚きも感じていた。
イブの日に自ら告白して付き合うことになったが、横島が見た目や普段の様子ほど単純ではなく臆病な性格なのは十分理解している訳であるし。
もちろんかおり自身もこれを狙っていた訳ではなく、流れというかビデオを見ていてなんとなくそんな雰囲気になったので目を閉じてみたのだが。
ただ告白も自分からしたのだし初めてのキスくらいは横島からして欲しかったのが彼女の乙女心だろう。
正直この期に及んではぐらかされたり確認なんかされた日には流石に怒ったかもしれないが、横島もそこまで馬鹿ではなかったらしい。
目を閉じて横島が肩に手をかけるほんの僅かな時間が長く感じていたかおりは、横島の力強く感じる手が肩にかかると今までに感じたことがないほど熱く焼けるように胸がキュンキュンとときめいた気がした。
テレビから聞こえてくる映画のラブシーンの音楽に二人の息づかいだけが静かに聞こえる中でかおりにとってファーストキスの感触は柔らかく力強さを感じていて、ビデオを見ながら飲んでいたオレンジジュースのせいか微かなオレンジの味がファーストキスの味として残る。
二人にとっての初めてのキスはそれほど長い時間ではなかったがそれでも横島とかおりが友達以上恋人未満から名実共に恋人となり、恋人という形だけではなくお互いの距離もまた一番近い距離へと近付いた証と言えるだろう。
そして令子やおキヌが越えれなかった一線を完全に越えたかおりと横島は、そのままテレビそっちのけで口付けを何度も繰り返していく。
互いに言葉は一切発してなく二度目のキスでかおりが横島を抱き締めるように手を回すと、横島もまたかおりを抱き締めてお互い高まる気持ちを確認するように唇を重ねる。
かつての横島ならばここに至る前に暴走してしまい失敗したのだろうが、それが起きなかったのは横島が成長したというよりはルシオラとかおりという二人の女性の横島に対する深い愛情が何よりの理由だろう。
ただ横島の本質がさほど変わった訳ではなく一線を完全に越えたことで最後の壁が完全に崩壊したことや唇を許された興奮からか、二度目のキスの後にはかおりを少し強引に押し倒してしまい自ら覆い被さるようにすぐにかおりの唇を求めていく。
いつの間にか交わされるキスは唇のみではなく舌と舌が絡み合うほど生々しいものに変化していき、高まる気持ちと本能に共に酔いしれることになる。
かおりはついさっきファーストキスを経験したばかりであるし、横島も何度か経験はあるものの半分は事故というか愛情としてのキスではないので数は意外と少なくお互いに刺激が強すぎていろんな意味でヤバかったが。
「妙に慣れてる気が……。 モテないなんて言いながら本当は遊んでたりして。 もしかしたら私、騙されたのかしら。」
しかし横島の理性というか愛情が本能を越えたのかそこから先には安易に進むことはなく、いつの間にかビデオが終わっていた頃にはこたつに入ったまま横になり見つめ合う形になるとかおりが久しぶりに言葉を口にしていた。
「そっ、そんなことあるはずないじゃないっすか!?」
「ウフフ、冗談ですわよ。」
その時のかおりの表情は何処か少女から大人になるようなそんな普段とは違う色気のようなものがあり、横島をドキッとさせる。
まるでかおりの言葉が図星のようにドキッとした横島は始めてみるかおりの色気に慌ててしまうが、かおりはそんな横島を見て笑ってしまう。
もう少し要領が良ければ本当にそうなっていたのだろうとかおりは確信するも、それが出来ぬ不器用なところもまた好きであった。
イブの日に自ら告白して付き合うことになったが、横島が見た目や普段の様子ほど単純ではなく臆病な性格なのは十分理解している訳であるし。
もちろんかおり自身もこれを狙っていた訳ではなく、流れというかビデオを見ていてなんとなくそんな雰囲気になったので目を閉じてみたのだが。
ただ告白も自分からしたのだし初めてのキスくらいは横島からして欲しかったのが彼女の乙女心だろう。
正直この期に及んではぐらかされたり確認なんかされた日には流石に怒ったかもしれないが、横島もそこまで馬鹿ではなかったらしい。
目を閉じて横島が肩に手をかけるほんの僅かな時間が長く感じていたかおりは、横島の力強く感じる手が肩にかかると今までに感じたことがないほど熱く焼けるように胸がキュンキュンとときめいた気がした。
テレビから聞こえてくる映画のラブシーンの音楽に二人の息づかいだけが静かに聞こえる中でかおりにとってファーストキスの感触は柔らかく力強さを感じていて、ビデオを見ながら飲んでいたオレンジジュースのせいか微かなオレンジの味がファーストキスの味として残る。
二人にとっての初めてのキスはそれほど長い時間ではなかったがそれでも横島とかおりが友達以上恋人未満から名実共に恋人となり、恋人という形だけではなくお互いの距離もまた一番近い距離へと近付いた証と言えるだろう。
そして令子やおキヌが越えれなかった一線を完全に越えたかおりと横島は、そのままテレビそっちのけで口付けを何度も繰り返していく。
互いに言葉は一切発してなく二度目のキスでかおりが横島を抱き締めるように手を回すと、横島もまたかおりを抱き締めてお互い高まる気持ちを確認するように唇を重ねる。
かつての横島ならばここに至る前に暴走してしまい失敗したのだろうが、それが起きなかったのは横島が成長したというよりはルシオラとかおりという二人の女性の横島に対する深い愛情が何よりの理由だろう。
ただ横島の本質がさほど変わった訳ではなく一線を完全に越えたことで最後の壁が完全に崩壊したことや唇を許された興奮からか、二度目のキスの後にはかおりを少し強引に押し倒してしまい自ら覆い被さるようにすぐにかおりの唇を求めていく。
いつの間にか交わされるキスは唇のみではなく舌と舌が絡み合うほど生々しいものに変化していき、高まる気持ちと本能に共に酔いしれることになる。
かおりはついさっきファーストキスを経験したばかりであるし、横島も何度か経験はあるものの半分は事故というか愛情としてのキスではないので数は意外と少なくお互いに刺激が強すぎていろんな意味でヤバかったが。
「妙に慣れてる気が……。 モテないなんて言いながら本当は遊んでたりして。 もしかしたら私、騙されたのかしら。」
しかし横島の理性というか愛情が本能を越えたのかそこから先には安易に進むことはなく、いつの間にかビデオが終わっていた頃にはこたつに入ったまま横になり見つめ合う形になるとかおりが久しぶりに言葉を口にしていた。
「そっ、そんなことあるはずないじゃないっすか!?」
「ウフフ、冗談ですわよ。」
その時のかおりの表情は何処か少女から大人になるようなそんな普段とは違う色気のようなものがあり、横島をドキッとさせる。
まるでかおりの言葉が図星のようにドキッとした横島は始めてみるかおりの色気に慌ててしまうが、かおりはそんな横島を見て笑ってしまう。
もう少し要領が良ければ本当にそうなっていたのだろうとかおりは確信するも、それが出来ぬ不器用なところもまた好きであった。