その二
「なんていうか、目的の方向性は全然違うけど鬼道の昔話を思い出すな。」
その後横島は今まで聞くことがなかった名門闘竜寺の実態を知ることになるが、それはかつて聞いた鬼道政樹の話を彷彿とさせる内容である。
「鬼道先生ですか?」
「あいつも修行漬けの人生を送ったんだと。 まああいつの親父の目的は六道家への復讐だったらしいけどな。」
横島としてはいくら聞いてもかおりの父のことは理解出来なく正直なんと言うべきか分からず、代わりに思い出したのは冥子と鬼道の式神バトルの一件だった。
そんな何気なく語った鬼道の過去の話を意外なことに知らなかったかおりに横島は聞いた話だと前置きをした上で教えるが、かおりはなんと答えていいか分からぬ表情をする。
「よく聞くとまでは言いませんが聞く話ですわね。 霊能の才能は遺伝すると言われてますが絶対ではありません。 優秀な霊能者が産まれれば家が繁栄し逆の場合は衰退していきます。 なので優秀な霊能者の家系は結婚相手を同じ優秀な霊能者から選ぶことが多いですし、衰退した家では無茶な修行をさせたりして問題になることも無いわけではないとのことで。」
担任として日頃接する鬼道は以前六道家に拾われたと生徒に溢していたが、まさか鬼道自身が霊能者の過度な修行をしていたとは思いもしなかったらしい。
恐らく横島は知らないのだろうと思いつつかおりは一般的なオカルト業界の裏事情を語り始めるも、それは血縁を用いた静かなる争いだとも言える。
いかにして子にオカルトの才能を受け継がせるかは歴史ある霊能の家ならば必ずと言っていいほど考えるほどで、宗教や宗派も絡むオカルト業界の派閥では優秀な霊能者は多かれ少なかれ同じ派閥の有力な家に持っていかれる。
そうして有力な家は力を維持するし、力ない家は有力な家との縁により這い上がろうとするのが現代でも普通にまかり通っていた。
そんなオカルト業界の権力争いに破れた鬼道家のような家は無茶な修行を強要したり、非合法な仕事に手を染めるなど問題を起こすことも少なくない。
「まるで時代劇の世界だな。」
「他人事ではありませんわよ。 横島さんのように一般家庭に生まれた霊能者はそう言った古い家からすると格好のターゲットですから。 まあ六道理事長の門弟である横島さんに中途半端なちょっかいを出すところはないとは思いますが。」
いつの間にかかおりによるオカルト業界の授業のようになっているが、血縁外交とでも言うような時代錯誤なオカルト業界に横島はゲンナリした表情をするもかおりは他人事ではないと横島の立場を説明し始める。
「……俺って冥子ちゃん家の派閥にされてるのか?」
「ええ、一般的なオカルト業界の見方ではそうなりますわ。 美神お姉さまや唐巣神父は六道一門ですから。 ただ六道理事長はオカルト業界の古き慣習を否定してますから、美神お姉さまや横島さんは自由にやれてるんです。 横島さんが他の門弟ならお見合いの一つや二つは来てますわね。」
かおりの説明は現代っ子でアルバイト感覚の横島が深く考えて来なかったことであり、横島は自分が六道一門だと言われて普通な驚いてしまう。
いくら横島に自覚はなくとも名目上は美神令子の弟子であり上へ上へと辿っていくと六道家に繋がる。
ただ六道家はオカルト業界の中でいち早く近代化した家でもある為、半ば強制とも言える見合いなんて行ってなく唐巣のように断っても普通に問題ない縁談を持ち込むくらいであった。
その後横島は今まで聞くことがなかった名門闘竜寺の実態を知ることになるが、それはかつて聞いた鬼道政樹の話を彷彿とさせる内容である。
「鬼道先生ですか?」
「あいつも修行漬けの人生を送ったんだと。 まああいつの親父の目的は六道家への復讐だったらしいけどな。」
横島としてはいくら聞いてもかおりの父のことは理解出来なく正直なんと言うべきか分からず、代わりに思い出したのは冥子と鬼道の式神バトルの一件だった。
そんな何気なく語った鬼道の過去の話を意外なことに知らなかったかおりに横島は聞いた話だと前置きをした上で教えるが、かおりはなんと答えていいか分からぬ表情をする。
「よく聞くとまでは言いませんが聞く話ですわね。 霊能の才能は遺伝すると言われてますが絶対ではありません。 優秀な霊能者が産まれれば家が繁栄し逆の場合は衰退していきます。 なので優秀な霊能者の家系は結婚相手を同じ優秀な霊能者から選ぶことが多いですし、衰退した家では無茶な修行をさせたりして問題になることも無いわけではないとのことで。」
担任として日頃接する鬼道は以前六道家に拾われたと生徒に溢していたが、まさか鬼道自身が霊能者の過度な修行をしていたとは思いもしなかったらしい。
恐らく横島は知らないのだろうと思いつつかおりは一般的なオカルト業界の裏事情を語り始めるも、それは血縁を用いた静かなる争いだとも言える。
いかにして子にオカルトの才能を受け継がせるかは歴史ある霊能の家ならば必ずと言っていいほど考えるほどで、宗教や宗派も絡むオカルト業界の派閥では優秀な霊能者は多かれ少なかれ同じ派閥の有力な家に持っていかれる。
そうして有力な家は力を維持するし、力ない家は有力な家との縁により這い上がろうとするのが現代でも普通にまかり通っていた。
そんなオカルト業界の権力争いに破れた鬼道家のような家は無茶な修行を強要したり、非合法な仕事に手を染めるなど問題を起こすことも少なくない。
「まるで時代劇の世界だな。」
「他人事ではありませんわよ。 横島さんのように一般家庭に生まれた霊能者はそう言った古い家からすると格好のターゲットですから。 まあ六道理事長の門弟である横島さんに中途半端なちょっかいを出すところはないとは思いますが。」
いつの間にかかおりによるオカルト業界の授業のようになっているが、血縁外交とでも言うような時代錯誤なオカルト業界に横島はゲンナリした表情をするもかおりは他人事ではないと横島の立場を説明し始める。
「……俺って冥子ちゃん家の派閥にされてるのか?」
「ええ、一般的なオカルト業界の見方ではそうなりますわ。 美神お姉さまや唐巣神父は六道一門ですから。 ただ六道理事長はオカルト業界の古き慣習を否定してますから、美神お姉さまや横島さんは自由にやれてるんです。 横島さんが他の門弟ならお見合いの一つや二つは来てますわね。」
かおりの説明は現代っ子でアルバイト感覚の横島が深く考えて来なかったことであり、横島は自分が六道一門だと言われて普通な驚いてしまう。
いくら横島に自覚はなくとも名目上は美神令子の弟子であり上へ上へと辿っていくと六道家に繋がる。
ただ六道家はオカルト業界の中でいち早く近代化した家でもある為、半ば強制とも言える見合いなんて行ってなく唐巣のように断っても普通に問題ない縁談を持ち込むくらいであった。