その一
「すいません。」
「別にいいっすよ。 しかしまあ、ああいうのは男も女も変わらないっすね。」
邪魔者達を撃退したかおりだったが彼女達の姿が見えなくなると横島に申し訳無さそうに謝っていた。
ただ横島は特に気分を害した様子もなく、美人も彼氏の自慢なんかするんだなと新たな発見をした気分になったくらいのようである。
「真田さんとは中学時代にいろいろありまして。」
正直かおりにとって真田は自身の黒歴史に近い過去の一部であり、中学時代に意味もなく張り合っていた人物だった。
親しい友人も居なく部活にも入らず学校の授業授業が終わればすぐに帰り修行を繰り返していた中学時代のかおりを、修行馬鹿などと陰口を叩き小馬鹿にするような態度を取っていた人物なのだ。
まあ客観的に見ると共に個性が強くプライドが高いので合わなかっただけなのだろうが。
「それにしても名刺なんて持ってたんですのね。」
「ほとんど使ったことないけどなぁ。 ハッタリには使えるみたいだな。」
結果として横島は彼氏自慢をしたくてウズウズしていた相手に令子の名前でハッタリをかましてやったとしか考えてないが、実際横島の経歴は端から見ると凄まじくはある。
六道女学院の霊能科でさえGSになれるのは一割もないのに最年少の一発合格はそれだけでも箔をつけるには十分だった。
加えて魔族との戦闘経験や妙神山へ修行以外での訪問が許されてる事実を考えると、すでに一流を名乗って独立しても誰も文句は言えないだけの経歴ではある。
「ハッタリというか同年代で横島さんに勝る経験をした人なんて滅多に居ないはずですわよ。」
「名刺には時給も実力も書いてないからな。」
横島自身は時給255円のバイトだと名刺には書いてなくハッタリだとしか考えてないが、かおりからすると現状の横島でも同年代に並ぶ人など早々居ないと少し呆れた表情を浮かべた。
勉強不足や修行不足な点は多々あるが、それでも同年代の霊能者よりは遥かに優れているのだ。
「イケメンに顔で比べても勝てんしな。」
「女なら誰でも顔でなびくなど思わないで下さい。 私はああいうチャラチャラした人は嫌いです。」
そのまま相変わらず自分に自信などない横島は少し自虐的に顔では勝てないから名刺を出したと語るが、かおりは少し不満げに真田のような女と一緒にして欲しくないと強い口調で言い切る。
ぶっちゃけかおりとしてはイケメンは嫌いではないがチャラチャラした男は嫌いであり先程の男は好みではないし、横島の性格を考えるときちんと否定するところは否定しておかないとダメだと理解していた。
「そんなもんっすか?」
「他人はどうかは知りませんが私はそうです。 あんな男と一緒に居るなんて虫酸が走りますわ。」
加えて元々好き嫌いの激しいかおりはあからさまに先程の男に嫌悪感を露にしてしまい、横島はそんなかおりを興味深げに見ていたが少なくとも悪い気はしなかった。
先程の男に勝ったということではないが、目の前で他の男を誉められるよりはずっと気分がいい。
実は横島と親密になるにはこの辺りの態度が結構重要で令子やおキヌは昔から横島の前でイケメンなんかを誉めたりするので、かおりの行動はそんな彼女達と比較しても横島を惹き付ける結果となる。
かつてルシオラがそうであったように横島は自分だけを見てくれる女性を知らず知らずのうちに求め理想としていたのだが、かおりがそのことに気付くのはもう少し先になるだろう。
「別にいいっすよ。 しかしまあ、ああいうのは男も女も変わらないっすね。」
邪魔者達を撃退したかおりだったが彼女達の姿が見えなくなると横島に申し訳無さそうに謝っていた。
ただ横島は特に気分を害した様子もなく、美人も彼氏の自慢なんかするんだなと新たな発見をした気分になったくらいのようである。
「真田さんとは中学時代にいろいろありまして。」
正直かおりにとって真田は自身の黒歴史に近い過去の一部であり、中学時代に意味もなく張り合っていた人物だった。
親しい友人も居なく部活にも入らず学校の授業授業が終わればすぐに帰り修行を繰り返していた中学時代のかおりを、修行馬鹿などと陰口を叩き小馬鹿にするような態度を取っていた人物なのだ。
まあ客観的に見ると共に個性が強くプライドが高いので合わなかっただけなのだろうが。
「それにしても名刺なんて持ってたんですのね。」
「ほとんど使ったことないけどなぁ。 ハッタリには使えるみたいだな。」
結果として横島は彼氏自慢をしたくてウズウズしていた相手に令子の名前でハッタリをかましてやったとしか考えてないが、実際横島の経歴は端から見ると凄まじくはある。
六道女学院の霊能科でさえGSになれるのは一割もないのに最年少の一発合格はそれだけでも箔をつけるには十分だった。
加えて魔族との戦闘経験や妙神山へ修行以外での訪問が許されてる事実を考えると、すでに一流を名乗って独立しても誰も文句は言えないだけの経歴ではある。
「ハッタリというか同年代で横島さんに勝る経験をした人なんて滅多に居ないはずですわよ。」
「名刺には時給も実力も書いてないからな。」
横島自身は時給255円のバイトだと名刺には書いてなくハッタリだとしか考えてないが、かおりからすると現状の横島でも同年代に並ぶ人など早々居ないと少し呆れた表情を浮かべた。
勉強不足や修行不足な点は多々あるが、それでも同年代の霊能者よりは遥かに優れているのだ。
「イケメンに顔で比べても勝てんしな。」
「女なら誰でも顔でなびくなど思わないで下さい。 私はああいうチャラチャラした人は嫌いです。」
そのまま相変わらず自分に自信などない横島は少し自虐的に顔では勝てないから名刺を出したと語るが、かおりは少し不満げに真田のような女と一緒にして欲しくないと強い口調で言い切る。
ぶっちゃけかおりとしてはイケメンは嫌いではないがチャラチャラした男は嫌いであり先程の男は好みではないし、横島の性格を考えるときちんと否定するところは否定しておかないとダメだと理解していた。
「そんなもんっすか?」
「他人はどうかは知りませんが私はそうです。 あんな男と一緒に居るなんて虫酸が走りますわ。」
加えて元々好き嫌いの激しいかおりはあからさまに先程の男に嫌悪感を露にしてしまい、横島はそんなかおりを興味深げに見ていたが少なくとも悪い気はしなかった。
先程の男に勝ったということではないが、目の前で他の男を誉められるよりはずっと気分がいい。
実は横島と親密になるにはこの辺りの態度が結構重要で令子やおキヌは昔から横島の前でイケメンなんかを誉めたりするので、かおりの行動はそんな彼女達と比較しても横島を惹き付ける結果となる。
かつてルシオラがそうであったように横島は自分だけを見てくれる女性を知らず知らずのうちに求め理想としていたのだが、かおりがそのことに気付くのはもう少し先になるだろう。