嵐を呼ぶかもしれない男
「勘九郎。 針の方はどうなってる?」
「まだ風水師の血が足りません。」
「チッ、次の満月には間に合わせな。」
一方GS試験後のメドーサはずっと不機嫌だった。
香港の高級住宅街にある地下への入り口があるアジトに潜伏していたが、GS試験にて小竜姫にいいようにあしらわれたのがよほど面白くないらしい。
くそ真面目な小竜姫は手強いが戦えば負けるほどでもなく、日本のGS協会の撹乱の任務ついでにからかってやろうとしたのがいけなかった。
コソコソと影で動き試験会場での決着を向こうから避けてくるのはやはり予想外だったのだ。
「小竜姫は相変わらず美神令子のところか。」
今のメドーサは新たな任務である元始風水盤の準備をしていたが、今一つ乗り気にはなれずにどうやって小竜姫に一泡吹かせてやろうかとばかり考えている。
彼女はアシュタロスの部下であるが今一つアシュタロスの考えが理解出来なく、神族と人間と全面戦争がしたいのかそれとも魔界の権力争いがしたいのか分からぬのだ。
風水盤の件は特に人間界の一部を魔界化したところで神界から神族が来て鎮圧されるのが目に見えているし、下手すれば魔界の正規軍に鎮圧される可能性だってある。
魔族の本性は基本的に殺戮と闘争だが、中には快楽や堕落に破滅観望など細かくあげていくと魔族もまた千差万別だ。
自らの支配する世界をと願う支配欲を持つものも居るしメドーサは元々神族だったアシュタロスはそうなのかとずっと考えていたが、破滅観望にも似た危うさがあり今一つ釈然としないものもあった。
それに魔族の上下にあるのは支配と服従の関係なので部下を思いやる気持ちなんて無くて当たり前だ。
アシュタロスは魔族には珍しく魔族らしからぬところがあって多少部下を気遣うような時があるが、何を考えてるから分からぬ得たいの知れなさがある。
「気に入らないね。」
結局神族も魔族も力がないと自由も何もないのは大差ないことにメドーサの苛立ちの理由もあった。
他人に指図されるのも束縛されるのも本来は大嫌いなのだ。
そんな魔族の自分がアシュタロスに顎で使われてるにも関わらず、本来ならば魔族よりも自由がないはずの小竜姫が人間と一緒に暮らしてGSの真似事をして楽しげに生活してるのだからメドーサの苛立ちが収まるはずもない。
大人しく妙神山で鳥籠の鳥のようにしていれば良かったのにと嫉妬にも似た苛立ちを密かに募らせていく。
「さて小竜姫はどう出る?」
この時メドーサは密かに神族に自身の存在が香港にあるとバレるように少し小細工をしていた。
小竜姫が対メドーサの専任捜査をしていることをメドーサは知っていて誘き出すつもりなのだが、前回のようにつまらぬ小細工で戦わずして逃げられるのは我慢ならない。
「弱点ははっきりしてるんだけどねぇ。」
小竜姫を逃げられないようにし無力化するのはさほど難しくなく弱点となりうる存在を捕らえればあとは何も出来ないのは明らかだ。
ただこの弱点となりうる存在なのを小竜姫も自覚していて大きな力を与えてるので、勘九郎達では戦うならばともかくGS試験のように逃げに徹してしまわれるとどうしようもない。
加えて問題なのはメドーサ自身があまり勝手な行動をすればアシュタロスに処罰される可能性があることだろう。
小竜姫との戦いはメドーサの私怨でありアシュタロスの命令ではないのだ。
限られた状況でどうやって小竜姫を絶望の淵に叩き落とすか、メドーサは考え続けていく。
「まだ風水師の血が足りません。」
「チッ、次の満月には間に合わせな。」
一方GS試験後のメドーサはずっと不機嫌だった。
香港の高級住宅街にある地下への入り口があるアジトに潜伏していたが、GS試験にて小竜姫にいいようにあしらわれたのがよほど面白くないらしい。
くそ真面目な小竜姫は手強いが戦えば負けるほどでもなく、日本のGS協会の撹乱の任務ついでにからかってやろうとしたのがいけなかった。
コソコソと影で動き試験会場での決着を向こうから避けてくるのはやはり予想外だったのだ。
「小竜姫は相変わらず美神令子のところか。」
今のメドーサは新たな任務である元始風水盤の準備をしていたが、今一つ乗り気にはなれずにどうやって小竜姫に一泡吹かせてやろうかとばかり考えている。
彼女はアシュタロスの部下であるが今一つアシュタロスの考えが理解出来なく、神族と人間と全面戦争がしたいのかそれとも魔界の権力争いがしたいのか分からぬのだ。
風水盤の件は特に人間界の一部を魔界化したところで神界から神族が来て鎮圧されるのが目に見えているし、下手すれば魔界の正規軍に鎮圧される可能性だってある。
魔族の本性は基本的に殺戮と闘争だが、中には快楽や堕落に破滅観望など細かくあげていくと魔族もまた千差万別だ。
自らの支配する世界をと願う支配欲を持つものも居るしメドーサは元々神族だったアシュタロスはそうなのかとずっと考えていたが、破滅観望にも似た危うさがあり今一つ釈然としないものもあった。
それに魔族の上下にあるのは支配と服従の関係なので部下を思いやる気持ちなんて無くて当たり前だ。
アシュタロスは魔族には珍しく魔族らしからぬところがあって多少部下を気遣うような時があるが、何を考えてるから分からぬ得たいの知れなさがある。
「気に入らないね。」
結局神族も魔族も力がないと自由も何もないのは大差ないことにメドーサの苛立ちの理由もあった。
他人に指図されるのも束縛されるのも本来は大嫌いなのだ。
そんな魔族の自分がアシュタロスに顎で使われてるにも関わらず、本来ならば魔族よりも自由がないはずの小竜姫が人間と一緒に暮らしてGSの真似事をして楽しげに生活してるのだからメドーサの苛立ちが収まるはずもない。
大人しく妙神山で鳥籠の鳥のようにしていれば良かったのにと嫉妬にも似た苛立ちを密かに募らせていく。
「さて小竜姫はどう出る?」
この時メドーサは密かに神族に自身の存在が香港にあるとバレるように少し小細工をしていた。
小竜姫が対メドーサの専任捜査をしていることをメドーサは知っていて誘き出すつもりなのだが、前回のようにつまらぬ小細工で戦わずして逃げられるのは我慢ならない。
「弱点ははっきりしてるんだけどねぇ。」
小竜姫を逃げられないようにし無力化するのはさほど難しくなく弱点となりうる存在を捕らえればあとは何も出来ないのは明らかだ。
ただこの弱点となりうる存在なのを小竜姫も自覚していて大きな力を与えてるので、勘九郎達では戦うならばともかくGS試験のように逃げに徹してしまわれるとどうしようもない。
加えて問題なのはメドーサ自身があまり勝手な行動をすればアシュタロスに処罰される可能性があることだろう。
小竜姫との戦いはメドーサの私怨でありアシュタロスの命令ではないのだ。
限られた状況でどうやって小竜姫を絶望の淵に叩き落とすか、メドーサは考え続けていく。