母からの伝言
「煩い! 黙れ!! 何も知らぬ余所者に何が分かる!!」
立ち上がり自らに歩み寄る小竜姫に鬼道はまだ苛立ち睨みながらも話は聞いているが、話を一切聞かずに快く思わぬのは父親だった。
「そもそもご自身の未熟さを棚に上げておいてご自身は修行をせずに息子にいい加減な修行を科す貴方が問題なのですよ。 しかもよせばいいのに六道さんを逆恨みして同業で事業など始めた貴方の自業自得じゃないですか。」
鬼道に話しかける小竜姫を怒鳴り散らし睨む父親だが小竜姫は彼のあまりに身勝手な行いに少々嫌悪感すら抱いている。
冷たく突き放したような口調と言い方に父親は更にぶちギレてしまうことになる。
「政樹! あの女にお前の実力を見せて……」
「父さんちょっと黙っててくれへんか?」
ぶちギレた父親は息子である鬼道に小竜姫をけしかけようとするも、皮肉なことに話をしようとする小竜姫に一方的に激昂する父親の姿を見た鬼道は意外に冷静になってしまい父親を一言で切り捨てていた。
「政樹! お前、父さんに逆らうのか!!」
「相手は冥子はんや。 それに僕は知りたい。 彼女が何を言いたいのか? 何故僕が冥子はんに勝てないと言うのか。」
「貴様ぁ!!」
だが父親は息子の態度に更に激昂し鬼道を殴ろうとする。
それは幼い頃から続いてきた修行や躾の名を借りた暴力でしかない。
「貴方は黙ってなさい!!」
しかし父親は知らなかった。
目の前にはそんな暴力を嫌う存在が居たことを。
小竜姫は初めて声を荒げ一喝すると殴りかかった父親を僅かな竜気を解放して吹き飛ばしてしまう。
「いっ……いまのは……。」
その瞬間令子はやっちゃったとため息をついていたが、令子ですら初めて会った時には小竜姫が解放した挨拶代わりの竜気で吹き飛んだのに鬼道の父親ごときに耐えられるはずはない。
直接竜気を向けられてない鬼道ですらその圧力に戦意を喪失してしまい座り込むほどなのだ。
「失礼しました。 さて貴方が勝てない理由ですが……。」
「ばっ、化け物だ!」
一方父親を吹き飛ばした小竜姫は最早父親には興味はないと言わんばかりに再び鬼道に話の続きをしようとするも、父親は腐っても霊能者と言うところか小竜姫に得体の知れなさを感じたようで化け物だと口にしてしまう。
「とっ父さん……。 違うこの人は……いやこの御方は……。」
「煩い! 貴様などもう息子でもなんでもないわ!」
それでも鬼道は小竜姫の正体を察し父親の間違いに気付いたので早く謝らねばと父親に問い掛けるが、父親は鬼道を捨てて一人で逃げてしまった。
「あの野郎!」
「捕まえてくるか?」
「放っておきなさい。 何も出来ませんよ。」
そのあまりに非道な父親に六道親子を始め令子や横島達はポカーンとしてしまうが、小竜姫を化け物呼ばわりした父親に激怒した横島が追いかけようとすると雪之丞も続くが小竜姫は興味が全くない様子で二人を止める。
「ああ、貴方が勝てない理由は霊力の絶対値が違いすぎるのですよ。 聞くところによると六道家では物心つく頃から十二体もの式神と一緒に育ったようです。 幼い頃から無意識のうちに霊力を大量に使い続けたことで冥子さんの霊力は美神さんより上でしょう。 残念ながら貴方は冥子さんの三割ほどしか霊力がありません。」
正直小竜姫は父親に怒りを感じたが同時に幻滅もしていて、どのみに何も出来ずに自滅するのを悟ると興味を失いようやく鬼道と話を始めた。
立ち上がり自らに歩み寄る小竜姫に鬼道はまだ苛立ち睨みながらも話は聞いているが、話を一切聞かずに快く思わぬのは父親だった。
「そもそもご自身の未熟さを棚に上げておいてご自身は修行をせずに息子にいい加減な修行を科す貴方が問題なのですよ。 しかもよせばいいのに六道さんを逆恨みして同業で事業など始めた貴方の自業自得じゃないですか。」
鬼道に話しかける小竜姫を怒鳴り散らし睨む父親だが小竜姫は彼のあまりに身勝手な行いに少々嫌悪感すら抱いている。
冷たく突き放したような口調と言い方に父親は更にぶちギレてしまうことになる。
「政樹! あの女にお前の実力を見せて……」
「父さんちょっと黙っててくれへんか?」
ぶちギレた父親は息子である鬼道に小竜姫をけしかけようとするも、皮肉なことに話をしようとする小竜姫に一方的に激昂する父親の姿を見た鬼道は意外に冷静になってしまい父親を一言で切り捨てていた。
「政樹! お前、父さんに逆らうのか!!」
「相手は冥子はんや。 それに僕は知りたい。 彼女が何を言いたいのか? 何故僕が冥子はんに勝てないと言うのか。」
「貴様ぁ!!」
だが父親は息子の態度に更に激昂し鬼道を殴ろうとする。
それは幼い頃から続いてきた修行や躾の名を借りた暴力でしかない。
「貴方は黙ってなさい!!」
しかし父親は知らなかった。
目の前にはそんな暴力を嫌う存在が居たことを。
小竜姫は初めて声を荒げ一喝すると殴りかかった父親を僅かな竜気を解放して吹き飛ばしてしまう。
「いっ……いまのは……。」
その瞬間令子はやっちゃったとため息をついていたが、令子ですら初めて会った時には小竜姫が解放した挨拶代わりの竜気で吹き飛んだのに鬼道の父親ごときに耐えられるはずはない。
直接竜気を向けられてない鬼道ですらその圧力に戦意を喪失してしまい座り込むほどなのだ。
「失礼しました。 さて貴方が勝てない理由ですが……。」
「ばっ、化け物だ!」
一方父親を吹き飛ばした小竜姫は最早父親には興味はないと言わんばかりに再び鬼道に話の続きをしようとするも、父親は腐っても霊能者と言うところか小竜姫に得体の知れなさを感じたようで化け物だと口にしてしまう。
「とっ父さん……。 違うこの人は……いやこの御方は……。」
「煩い! 貴様などもう息子でもなんでもないわ!」
それでも鬼道は小竜姫の正体を察し父親の間違いに気付いたので早く謝らねばと父親に問い掛けるが、父親は鬼道を捨てて一人で逃げてしまった。
「あの野郎!」
「捕まえてくるか?」
「放っておきなさい。 何も出来ませんよ。」
そのあまりに非道な父親に六道親子を始め令子や横島達はポカーンとしてしまうが、小竜姫を化け物呼ばわりした父親に激怒した横島が追いかけようとすると雪之丞も続くが小竜姫は興味が全くない様子で二人を止める。
「ああ、貴方が勝てない理由は霊力の絶対値が違いすぎるのですよ。 聞くところによると六道家では物心つく頃から十二体もの式神と一緒に育ったようです。 幼い頃から無意識のうちに霊力を大量に使い続けたことで冥子さんの霊力は美神さんより上でしょう。 残念ながら貴方は冥子さんの三割ほどしか霊力がありません。」
正直小竜姫は父親に怒りを感じたが同時に幻滅もしていて、どのみに何も出来ずに自滅するのを悟ると興味を失いようやく鬼道と話を始めた。