母からの伝言
「なんじゃこりゃあ!?」
一足先に事務所に戻った小竜姫達だが横島と雪之丞は濡れた服を乾かす合間に、横島の新たな能力について改めて確認することになったが一番驚いていたのは他ならぬ横島本人になる。
竜神の角に籠手のようなものを出せるようになったが横島自身は先程はそんなことになっていると気付かなかったらしい。
「どうなってんだ? 魔装術の一種か?」
「そうですね。 自らを一時的に半竜神化してます。 魔装術ならぬ竜装術と言ってもいいでしょうし、亜竜人モードとでも言ってもいいでしょうか。 私との契約があるとはいえ本来ならば今の横島さんに出来ることじゃないんですが……。」
自らの頭に生えた角や竜の籠手を触って不思議そうにする横島であるが、雪之丞とおキヌに小竜姫までもが同じく不思議そうにしていた。
一言でいうならば横島は自力で半竜神化する術を身に付けてしまったらしい。
「俺大丈夫なんっすか?」
「今のところ問題はないですね。 半竜神化と言っても力も弱く術の完成度も低いですし。 いずれ修行すれば私と遜色ない力を持てるとは思いますが、現状では力だけならば雪之丞さんと同等くらいでしょう。 ただ利点は私の竜気を使わなくても自力で竜気が使えるようにはなりますね。 無論竜気の質や量はたいしたことありませんが。」
あまりの変化に横島は若干不安げであったが現状では雪之丞の魔装術と大差ない実力しかなく、利点は小竜姫から竜気を受けなくても質や量に拘らねば竜気を使えるようになることか。
こうなった原因は明らかに小竜姫との契約にあるが、小竜姫自身は横島に未来と同じ霊力の半物質化である霊波刀を覚えさせようと考えていたので驚いたらしい。
「可能性としてはあり得なくはないんですが、普通の人間ならば長い修行の末にたどり着くような技を今の段階で突然使えるようになるなんて……。」
なんというかさほど危険でもないハーピーとの戦いでなんで横島が一皮剥けたのか理解できないし、普通の霊能者ならば習得不可能な技術を何故基礎もろくに出来てない現状の横島が出来てしまったのか小竜姫でさえ理解できない。
そもそも小竜姫は横島をゆっくり自分で育てようとしていたので、さほど危険なことをさせてないのにも関わらず未来の時より早く成長するなんて計算外だった。
「その手の籠手みたいなのはなんなんです?」
「さあ? ってうわっ!? 爪が伸びた!?」
一方おキヌはふわふわと浮きながら横島の角や籠手を見ていたが、なんとなく籠手から手の甲へと続き横島の指を被うような竜の爪が気になるが横島が少し意識したら爪が伸びてしまい横島とおキヌは慌ててしまう。
「あれ? これ形が変わるな。」
ただ特に害はないと判断した横島が少し冷静になり伸びた爪を戻したり伸ばしたりしてるうちに、未来の栄光の手のように形が自在に変わることに気づく。
しかも今回は両手でそれが同時に出来るため横島は右手の爪を小竜姫の神剣の形にすると、左手を手の甲の部分を広げて強化する形で六角形の盾を作って見せる。
尤も盾の大きさはサイキックソーサの数倍はあるし、手の甲にあった竜の鱗のような模様もそのままあるので全く同じではないが。
「お前器用だな。 普通そこまで出来んぞ。」
「そうなんか? なら小竜姫様の力じゃ……。」
「違いますよ。 それは横島さんの実力です。 力は与えてますが心眼以外の技術は与えてませんし。」
「俺の実力?」
横島としてはあまり深く考えていた訳ではないがやはり心に占める小竜姫の割合が多いらしく霊波刀は小竜姫の神剣の形に近くなったこともあり、左手の盾も横島なりにそれに無意識に合わせたようである。
ただ横島自身は神剣に近い形になったことから小竜姫の力だと誤解するも、他ならぬ小竜姫に否定され自身の実力だと言われると信じられないと言わんばかりであった。
一足先に事務所に戻った小竜姫達だが横島と雪之丞は濡れた服を乾かす合間に、横島の新たな能力について改めて確認することになったが一番驚いていたのは他ならぬ横島本人になる。
竜神の角に籠手のようなものを出せるようになったが横島自身は先程はそんなことになっていると気付かなかったらしい。
「どうなってんだ? 魔装術の一種か?」
「そうですね。 自らを一時的に半竜神化してます。 魔装術ならぬ竜装術と言ってもいいでしょうし、亜竜人モードとでも言ってもいいでしょうか。 私との契約があるとはいえ本来ならば今の横島さんに出来ることじゃないんですが……。」
自らの頭に生えた角や竜の籠手を触って不思議そうにする横島であるが、雪之丞とおキヌに小竜姫までもが同じく不思議そうにしていた。
一言でいうならば横島は自力で半竜神化する術を身に付けてしまったらしい。
「俺大丈夫なんっすか?」
「今のところ問題はないですね。 半竜神化と言っても力も弱く術の完成度も低いですし。 いずれ修行すれば私と遜色ない力を持てるとは思いますが、現状では力だけならば雪之丞さんと同等くらいでしょう。 ただ利点は私の竜気を使わなくても自力で竜気が使えるようにはなりますね。 無論竜気の質や量はたいしたことありませんが。」
あまりの変化に横島は若干不安げであったが現状では雪之丞の魔装術と大差ない実力しかなく、利点は小竜姫から竜気を受けなくても質や量に拘らねば竜気を使えるようになることか。
こうなった原因は明らかに小竜姫との契約にあるが、小竜姫自身は横島に未来と同じ霊力の半物質化である霊波刀を覚えさせようと考えていたので驚いたらしい。
「可能性としてはあり得なくはないんですが、普通の人間ならば長い修行の末にたどり着くような技を今の段階で突然使えるようになるなんて……。」
なんというかさほど危険でもないハーピーとの戦いでなんで横島が一皮剥けたのか理解できないし、普通の霊能者ならば習得不可能な技術を何故基礎もろくに出来てない現状の横島が出来てしまったのか小竜姫でさえ理解できない。
そもそも小竜姫は横島をゆっくり自分で育てようとしていたので、さほど危険なことをさせてないのにも関わらず未来の時より早く成長するなんて計算外だった。
「その手の籠手みたいなのはなんなんです?」
「さあ? ってうわっ!? 爪が伸びた!?」
一方おキヌはふわふわと浮きながら横島の角や籠手を見ていたが、なんとなく籠手から手の甲へと続き横島の指を被うような竜の爪が気になるが横島が少し意識したら爪が伸びてしまい横島とおキヌは慌ててしまう。
「あれ? これ形が変わるな。」
ただ特に害はないと判断した横島が少し冷静になり伸びた爪を戻したり伸ばしたりしてるうちに、未来の栄光の手のように形が自在に変わることに気づく。
しかも今回は両手でそれが同時に出来るため横島は右手の爪を小竜姫の神剣の形にすると、左手を手の甲の部分を広げて強化する形で六角形の盾を作って見せる。
尤も盾の大きさはサイキックソーサの数倍はあるし、手の甲にあった竜の鱗のような模様もそのままあるので全く同じではないが。
「お前器用だな。 普通そこまで出来んぞ。」
「そうなんか? なら小竜姫様の力じゃ……。」
「違いますよ。 それは横島さんの実力です。 力は与えてますが心眼以外の技術は与えてませんし。」
「俺の実力?」
横島としてはあまり深く考えていた訳ではないがやはり心に占める小竜姫の割合が多いらしく霊波刀は小竜姫の神剣の形に近くなったこともあり、左手の盾も横島なりにそれに無意識に合わせたようである。
ただ横島自身は神剣に近い形になったことから小竜姫の力だと誤解するも、他ならぬ小竜姫に否定され自身の実力だと言われると信じられないと言わんばかりであった。