あの素晴らしい日々をもう一度
「強くなりたくありませんか?」
一方勘九郎に決別を宣言した雪之丞は一人控え室に戻ると苛立ちと不安の最中であったが、小竜姫と横島が控え室に入って来ると二人を警戒するようにキツい視線を向けた。
そんな雪之丞に小竜姫は久々に神族らしい凛とした表情を見せると一言だけ問いかける。
横島は意味が分からんと言いたげな表情をするも流石に空気を読んでか大人しいが、雪之丞は小竜姫の言葉を聞きながらも真剣に小竜姫を見つめ一筋の冷や汗を流す。
「強くなりたければ私の元に来なさい。 貴方には理不尽な今の現実を打ち砕く可能性があります。 正々堂々と自分の力で闘いたいでしょう?」
言葉少なく語る小竜姫に雪之丞は一瞬で完全に呑まれてしまっていた。
確かに雪之丞は今は何よりも力が欲しい。
「あんたもメドーサみたいに手駒が欲しいってか?」
小竜姫の提案は雪之丞にとってこれ以上ないほど魅力的ではあったが、雪之丞ははいそうですと素直に言えるようなタチではない。
「そうですね。 強い手駒が欲しいです。 ただし私は貴方の闘いにちょっかいはだしませんよ。 悪い話ではないでしょう?」
加えて雪之丞にとって神族は魔族と大差あるようには見えなく、どうせ腹のなかでは見下してるんだろうていう不信感がある。
そんな神族を侮辱するような雪之丞を小竜姫は否定するどころか肯定する形で更なる誘いの言葉を続けた。
「俺のGS免許はどうなる?」
「このまま受けて構いませんよ。 白龍会の受験生にはGS免許は交付されないでしょうが、貴方には免許が交付させるでしょう。 試験が終わったら修行をつけてあげますよ」
話の主導権は完全に小竜姫にあった。
雪之丞は悩むようにしばし無言になると自身のGS免許がどうなるかを、ポツリと呟くように尋ねる。
その言葉に小竜姫は満足げな笑顔を見せると雪之丞のGS免許を確約して控え室を後にしていく。
「小竜姫様、あんなやつ誘って大丈夫なんっすか?」
控え室を出たところで必死に気配を消していた横島は疲れたようにため息をつき、目付きもガラも悪い雪之丞を味方に引き込んだことを不安そうに大丈夫なのかと問いかける。
「ああいうタイプは味方にしてしまえば扱いが楽ですよ。 強くなりたいだけなのですから。 それにメドーサの配下になったのは死ぬか従うかの二者択一でしたでしょうし、情状酌量の余地はあります」
雪之丞の件が上手くいき上機嫌の小竜姫を横島は少し不思議そうに見つめていた。
やはり小竜姫らしくないと感じるが、言ってることは分からなくもない。
まあ結局小竜姫には深い考えがあるのだろうと思った横島は、それ以上考えるのを止めてしまい腕を絡ませてくる小竜姫の温もりを満喫していく。
一方勘九郎に決別を宣言した雪之丞は一人控え室に戻ると苛立ちと不安の最中であったが、小竜姫と横島が控え室に入って来ると二人を警戒するようにキツい視線を向けた。
そんな雪之丞に小竜姫は久々に神族らしい凛とした表情を見せると一言だけ問いかける。
横島は意味が分からんと言いたげな表情をするも流石に空気を読んでか大人しいが、雪之丞は小竜姫の言葉を聞きながらも真剣に小竜姫を見つめ一筋の冷や汗を流す。
「強くなりたければ私の元に来なさい。 貴方には理不尽な今の現実を打ち砕く可能性があります。 正々堂々と自分の力で闘いたいでしょう?」
言葉少なく語る小竜姫に雪之丞は一瞬で完全に呑まれてしまっていた。
確かに雪之丞は今は何よりも力が欲しい。
「あんたもメドーサみたいに手駒が欲しいってか?」
小竜姫の提案は雪之丞にとってこれ以上ないほど魅力的ではあったが、雪之丞ははいそうですと素直に言えるようなタチではない。
「そうですね。 強い手駒が欲しいです。 ただし私は貴方の闘いにちょっかいはだしませんよ。 悪い話ではないでしょう?」
加えて雪之丞にとって神族は魔族と大差あるようには見えなく、どうせ腹のなかでは見下してるんだろうていう不信感がある。
そんな神族を侮辱するような雪之丞を小竜姫は否定するどころか肯定する形で更なる誘いの言葉を続けた。
「俺のGS免許はどうなる?」
「このまま受けて構いませんよ。 白龍会の受験生にはGS免許は交付されないでしょうが、貴方には免許が交付させるでしょう。 試験が終わったら修行をつけてあげますよ」
話の主導権は完全に小竜姫にあった。
雪之丞は悩むようにしばし無言になると自身のGS免許がどうなるかを、ポツリと呟くように尋ねる。
その言葉に小竜姫は満足げな笑顔を見せると雪之丞のGS免許を確約して控え室を後にしていく。
「小竜姫様、あんなやつ誘って大丈夫なんっすか?」
控え室を出たところで必死に気配を消していた横島は疲れたようにため息をつき、目付きもガラも悪い雪之丞を味方に引き込んだことを不安そうに大丈夫なのかと問いかける。
「ああいうタイプは味方にしてしまえば扱いが楽ですよ。 強くなりたいだけなのですから。 それにメドーサの配下になったのは死ぬか従うかの二者択一でしたでしょうし、情状酌量の余地はあります」
雪之丞の件が上手くいき上機嫌の小竜姫を横島は少し不思議そうに見つめていた。
やはり小竜姫らしくないと感じるが、言ってることは分からなくもない。
まあ結局小竜姫には深い考えがあるのだろうと思った横島は、それ以上考えるのを止めてしまい腕を絡ませてくる小竜姫の温もりを満喫していく。