あの素晴らしい日々をもう一度

「俺にそんな才能は……」

「そうですわ、こんなアホに出来る訳が……」

様子がおかしい小竜姫の突然の言葉に横島と令子は顔を見合わせて苦笑いを浮かべるが、小竜姫は横島の手を離さない


「大丈夫ですよ。 貴方は最高の霊能者になれます」

確信を持って嬉しそうに微笑む小竜姫はまるで少女のようだった

どうしていいか分からずに困惑する横島を優しく見つめた小竜姫は、そのまま横島の顔に手をかけ口づけを交わしてしまう


「ちょっ……」

突然目の前で小竜姫から横島に口づけを交わすのを間近で見ていた令子は、混乱した様子で口をパクパクさせるしか出来ない


「我、竜神の一族小竜姫の竜気を授けます。 そなたの主を守り主の力となりて、その敵を討ち破らんことを……」

突然の口づけに固まってる横島に小竜姫は少し恥ずかしそうに笑みを浮かべると、今後はバンダナに竜気を授ける


「頑張って下さいね。 合格したらご褒美をあげますから」

満足げに笑みを浮かべる小竜姫だが、横島は固まったままだし令子ですら混乱したままだ


「しっかりして下さい横島さん。 私のファーストキスをあげたんですから、負けたら仏罰が下りますよ」

固まったままの横島の頬をペチペチと叩いた小竜姫は、何故か嬉しそうに笑っている

その後、横島と令子が元に戻ったのは小竜姫が帰った後だった


「横島さん、今度は私と二人で初めましょうね」

理由も分からぬまま過去に来てしまった小竜姫だが、最早理由などはどうでもよかった

もう一度、横島と一緒に……

小竜姫にあったのはその強い想いだけだった



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