束の間の日常
石神にキレた小竜姫だが、その後は様子見として特に口出しすることもなくいつもの日常に戻っていた。
石神の方はまさか自分の土地に小竜姫のような神族が居るとは思わずに戸惑ったようだが、おキヌが小竜姫と石神の間を取り持つ形でなんとか平穏は保たれることになる。
小竜姫の方は町の浮幽霊に会うと拝まれることになり多少困りはしてるが。
「二人ともなかなかいいですね。」
そしてこの日小竜姫は横島と雪之丞を連れて久々に妙神山に来ていて、異界空間でみっちりと修行をつけていた。
横島は勘九郎との決着で覚悟が決まった部分もあり、精神面での成長が霊能面にも影響して才能を更に開花させ始めている。
雪之丞の方も陰念の最後と決着で思うところがあったらしく、以前にも増して修行に熱心だった。
「オレと勘九郎どっちが上だ?」
「魔装術はまだ負けてますね。 ただ精神面では勝ってますよ。 勘九郎は魔装術は技術面では完成されてましたが、精神面では未完成でした。 本来の魔装術は精神で己の潜在能力をコントロールする技ですから。」
ただ雪之丞はやはり勘九郎と自身が、決着を付けられなかったことが残念な様子である。
元々力や技には神も魔もさほど違いはないのだが、精神面のコントロールを教わらなかった故に勘九郎が魔に堕ちたとも言える。
尤も同じく教わった雪之丞が、精神面での強さから魔に堕ち無かったように必ずしもそれだけではないが。
「横島さんは竜装術の完成度が上がってますよ。 香港の後も特に異常はありませんでしたし肉体がかなり竜気に慣れてきてたのもありますけど。」
一方の横島は香港では新たな力に目覚めなかったが竜気への適応力と竜装術は確実にレベルアップしている。
香港の後もかつての令子のように肉体に異常をきたす事もな く、少々疲労が翌日出た程度だったのは大きな成長と言えるだろう。
「それでもメドーサには手も足も出ませんでしたけどね。」
「そんなことありませんよ。 メドーサに超加速を使わせたのは、メドーサが意外に攻めあぐねていた証です。 私がメドーサを撃退できたのもあれが大きかったですから。」
しかし横島は自身の成長が今一つ実感できなく、結局自分は小竜姫に与えられた力すら満足に使えてないのかと思う部分があるようだった。
「二人ともあまり根を詰めないことですよ。」
小竜姫としては横島がやる気を出してくれるのは嬉しいが、あまり根を詰め過ぎると横島の良さが失われかねないので修行と日常生活を使い分けるように気を付けていた。
まあ横島は別に真面目になった訳ではなく、小竜姫と夜の営みでは煩悩を爆発させているので普段は少し落ち着いた部分もあるのだが。
少し下世話な言い方をすると欲求不満にならない分だけ、日頃に使う頭とエネルギーがまともな方向に進んだだけども言えるかもしれない。
石神の方はまさか自分の土地に小竜姫のような神族が居るとは思わずに戸惑ったようだが、おキヌが小竜姫と石神の間を取り持つ形でなんとか平穏は保たれることになる。
小竜姫の方は町の浮幽霊に会うと拝まれることになり多少困りはしてるが。
「二人ともなかなかいいですね。」
そしてこの日小竜姫は横島と雪之丞を連れて久々に妙神山に来ていて、異界空間でみっちりと修行をつけていた。
横島は勘九郎との決着で覚悟が決まった部分もあり、精神面での成長が霊能面にも影響して才能を更に開花させ始めている。
雪之丞の方も陰念の最後と決着で思うところがあったらしく、以前にも増して修行に熱心だった。
「オレと勘九郎どっちが上だ?」
「魔装術はまだ負けてますね。 ただ精神面では勝ってますよ。 勘九郎は魔装術は技術面では完成されてましたが、精神面では未完成でした。 本来の魔装術は精神で己の潜在能力をコントロールする技ですから。」
ただ雪之丞はやはり勘九郎と自身が、決着を付けられなかったことが残念な様子である。
元々力や技には神も魔もさほど違いはないのだが、精神面のコントロールを教わらなかった故に勘九郎が魔に堕ちたとも言える。
尤も同じく教わった雪之丞が、精神面での強さから魔に堕ち無かったように必ずしもそれだけではないが。
「横島さんは竜装術の完成度が上がってますよ。 香港の後も特に異常はありませんでしたし肉体がかなり竜気に慣れてきてたのもありますけど。」
一方の横島は香港では新たな力に目覚めなかったが竜気への適応力と竜装術は確実にレベルアップしている。
香港の後もかつての令子のように肉体に異常をきたす事もな く、少々疲労が翌日出た程度だったのは大きな成長と言えるだろう。
「それでもメドーサには手も足も出ませんでしたけどね。」
「そんなことありませんよ。 メドーサに超加速を使わせたのは、メドーサが意外に攻めあぐねていた証です。 私がメドーサを撃退できたのもあれが大きかったですから。」
しかし横島は自身の成長が今一つ実感できなく、結局自分は小竜姫に与えられた力すら満足に使えてないのかと思う部分があるようだった。
「二人ともあまり根を詰めないことですよ。」
小竜姫としては横島がやる気を出してくれるのは嬉しいが、あまり根を詰め過ぎると横島の良さが失われかねないので修行と日常生活を使い分けるように気を付けていた。
まあ横島は別に真面目になった訳ではなく、小竜姫と夜の営みでは煩悩を爆発させているので普段は少し落ち着いた部分もあるのだが。
少し下世話な言い方をすると欲求不満にならない分だけ、日頃に使う頭とエネルギーがまともな方向に進んだだけども言えるかもしれない。