束の間の日常
「何かあったんですか!? 」
香港から戻り数日が過ぎてそろそろ香港ショックのニュースに飽きてきた頃、美神事務所には多くの幽霊達が集まり、お昼過ぎて出勤して来た小竜姫を驚かせる。
「すいません。近所に越してきた石神様が浮幽霊を追い出そうとして皆さん困ってるみたいでして」
早くも次の事件かと身構える小竜姫におキヌは謝りながら事情を説明すると小竜姫はホッとしつつおキヌと浮幽霊達の姿を興味深げに見ていた。
同じく見守る令子はこれじゃ仕事にならないとぼやくが、まあそれほど嫌がる様子もなく仕方ないと言いたげだが事が神族に絡むだけに小竜姫は少し気になり出してしまう。
「神様が何故みんなを追い出そうするんでしょうか?」
「一口に神族って言ってもピンからキリまでいるのよね。 小竜姫様みたいに神界のエリート神族からその石神みたいに人間界で生まれた神まで。 正直人間や幽霊に好意的な神も居ればそうじゃない神も居るわね。」
おキヌは何故神様がと戸惑うものの神様にも色々なんだと教えられると結局自分が話をしに行くと言い出してしまう。
「あれが神様っすか。 随分違いますね。」
そして夜を待っておキヌは石神の御神体である石が奉られてるところに話し合いに来ていたが、当然ながら町の浮幽霊達に令子と小竜姫と横島と雪之丞まで来ていて隠れて見ている。
横島は小竜姫と比較してあまりにガラの悪い石神に顔を歪めていたが、比べられた小竜姫は少し不機嫌そうに石神とおキヌを見守っていた。
「気に入らないね。 そこでこそこそしてるやつらは高みの見物かい? それに生きた人間。 霊能者が三人。 いざとなればアタイを祓おうってのかい。」
「みんないい人ですよ。 私の友達です。」
「じゃあ、得体の知れない奴は何者だい? アタイのシマには得体の知れない奴は要らないよ! 出てきな!」
「えっ!? 得体の知れないって……まさか」
石神はやはり隠れている幽霊達と令子達にケチを付けるが最後にケンカを売ってはいけない相手にケンカを売ってしまう。
ただこの時小竜姫は少し意地悪なことをしていて竜気を完全に消していたので、石神には人の気配も幽霊の気配もない妖怪かなんかだと勘違いしたらしい。
「私のことでしょうか?」
「待って下さい! この……」
「大丈夫ですよ。 この方は私を指名したのですし。」
石神の勘違いに気付いたおキヌは慌てて真相を話そうとするが、おキヌが説明する前に小竜姫が出てきてしまい完全にやる気になっている。
令子はやっぱりと言いたげな表情で雪之丞は面白そうに見ているし浮幽霊達は小竜姫を同じく何者だと噂するが、令子だけは来る前から小竜姫が出ていく気満々だったのをなんとなく理解していた。
「いつから土地の管理をするだけの土地神が幽霊の管理までするようになったんです? 越権行為ですよ。 中には守護霊として人を守ってる者も居るのです。 実力がなくて土地を管理出来ない言い訳を幽霊に擦り付けるのは止めなさい。」
「あっ!? アタイのシマでアタイがどうしようがアンタに関係ないだろ!」
「関係ありますよ。 私も今はここの住人ですから。」
「アンタのような輩を入れないためにしてんだよ!」
誰彼構わずケンカ越しで力で解決しようとする石神に小竜姫は少し怒りを感じている。
はっきり言えば嫌いなタイプであるし、そもそも土地神は土地神の管理しか出来ない神であり幽霊の管理など越権行為と言えなくもない。
まあ浮幽霊のことをそこまで考える神族などそう居ないのだが。
しかし石神のやり方は大きな視点で見るとバランス意識に欠けていて問題なのは言うまでもなかった。
香港から戻り数日が過ぎてそろそろ香港ショックのニュースに飽きてきた頃、美神事務所には多くの幽霊達が集まり、お昼過ぎて出勤して来た小竜姫を驚かせる。
「すいません。近所に越してきた石神様が浮幽霊を追い出そうとして皆さん困ってるみたいでして」
早くも次の事件かと身構える小竜姫におキヌは謝りながら事情を説明すると小竜姫はホッとしつつおキヌと浮幽霊達の姿を興味深げに見ていた。
同じく見守る令子はこれじゃ仕事にならないとぼやくが、まあそれほど嫌がる様子もなく仕方ないと言いたげだが事が神族に絡むだけに小竜姫は少し気になり出してしまう。
「神様が何故みんなを追い出そうするんでしょうか?」
「一口に神族って言ってもピンからキリまでいるのよね。 小竜姫様みたいに神界のエリート神族からその石神みたいに人間界で生まれた神まで。 正直人間や幽霊に好意的な神も居ればそうじゃない神も居るわね。」
おキヌは何故神様がと戸惑うものの神様にも色々なんだと教えられると結局自分が話をしに行くと言い出してしまう。
「あれが神様っすか。 随分違いますね。」
そして夜を待っておキヌは石神の御神体である石が奉られてるところに話し合いに来ていたが、当然ながら町の浮幽霊達に令子と小竜姫と横島と雪之丞まで来ていて隠れて見ている。
横島は小竜姫と比較してあまりにガラの悪い石神に顔を歪めていたが、比べられた小竜姫は少し不機嫌そうに石神とおキヌを見守っていた。
「気に入らないね。 そこでこそこそしてるやつらは高みの見物かい? それに生きた人間。 霊能者が三人。 いざとなればアタイを祓おうってのかい。」
「みんないい人ですよ。 私の友達です。」
「じゃあ、得体の知れない奴は何者だい? アタイのシマには得体の知れない奴は要らないよ! 出てきな!」
「えっ!? 得体の知れないって……まさか」
石神はやはり隠れている幽霊達と令子達にケチを付けるが最後にケンカを売ってはいけない相手にケンカを売ってしまう。
ただこの時小竜姫は少し意地悪なことをしていて竜気を完全に消していたので、石神には人の気配も幽霊の気配もない妖怪かなんかだと勘違いしたらしい。
「私のことでしょうか?」
「待って下さい! この……」
「大丈夫ですよ。 この方は私を指名したのですし。」
石神の勘違いに気付いたおキヌは慌てて真相を話そうとするが、おキヌが説明する前に小竜姫が出てきてしまい完全にやる気になっている。
令子はやっぱりと言いたげな表情で雪之丞は面白そうに見ているし浮幽霊達は小竜姫を同じく何者だと噂するが、令子だけは来る前から小竜姫が出ていく気満々だったのをなんとなく理解していた。
「いつから土地の管理をするだけの土地神が幽霊の管理までするようになったんです? 越権行為ですよ。 中には守護霊として人を守ってる者も居るのです。 実力がなくて土地を管理出来ない言い訳を幽霊に擦り付けるのは止めなさい。」
「あっ!? アタイのシマでアタイがどうしようがアンタに関係ないだろ!」
「関係ありますよ。 私も今はここの住人ですから。」
「アンタのような輩を入れないためにしてんだよ!」
誰彼構わずケンカ越しで力で解決しようとする石神に小竜姫は少し怒りを感じている。
はっきり言えば嫌いなタイプであるし、そもそも土地神は土地神の管理しか出来ない神であり幽霊の管理など越権行為と言えなくもない。
まあ浮幽霊のことをそこまで考える神族などそう居ないのだが。
しかし石神のやり方は大きな視点で見るとバランス意識に欠けていて問題なのは言うまでもなかった。