神と人と魔の狭間で
「殺してやる!」
戦いは互角のまま続くが先に焦れたのはやはり精神的に揺さぶられたメドーサであった。
無論全く何の勝算がない訳でもなく先程まで横島に竜気を分けていたし、今も竜気を分けているかもしれない小竜姫の霊力切れを狙い一か八か超加速での勝負に打って出る。
しかしこれ以上小竜姫の言葉など聞きたくなかったという苛立ちがメドーサの判断を狂わせていた。
「残念ですが私はまだ死ねないのです。引いてくれないならばこちらも本気で行きます。」
一方の小竜姫はこの先の歴史を考えるとメドーサをどうするべきか決めかねていたが、今まで感じたこともない強烈な殺意に自分も殺す気でならねば殺されると悟り本気になる。
超加速という霊力を消費する空間にて互いに命を奪うべく力と力でぶつかり合う小竜姫とメドーサだが、小竜姫にはまだ一つ奥の手とまでは言えない裏技が残っていた。
「来なさい。もう一振りの我が剣よ。」
「なっ!?」
それはメドーサの刺す叉と小竜姫の神剣が打ち合った瞬間のこと。
小竜姫は自身の神剣《小竜剣》と一心二剣とも言えるもう一振りの小竜剣を呼び寄せると、二刀流でメドーサの無防備な左肩を斬りつけることに成功していた。
「バカな……。」
「すぐに楽にしてあげます。 その傷ではもう超加速をするのも無理でしょう。」
「何故だ! 何だその神剣は!? それに貴様の方が消耗していたはずだ!」
「その問いに答える気はありませんよ。 私は貴女を過小評価する気はありませんので。 貴女を魔の呪縛から解放しましょう」
傷はすぐさま致命傷とまではいかないが深くメドーサは超加速は愚か早く離脱して傷を癒さねばどうなるか分からない。
しかしメドーサは小竜姫の余裕の理由と二本目の神剣を何故自在に操れるのか知りたかったのだ。
「覚えてな! お前とあのボウヤは必ず私が殺す!」
ただ小竜姫もまたメドーサにこれ以上の情報を与える気などなく二本の神剣で止めを刺そうとするが、メドーサはその瞬間衰えぬ殺意をぶつけながら瞬間移動で消えた。
「人を見下してる貴女に私はまけませんよ。」
一瞬で静かになった街で小竜姫はメドーサの血溜まりを見つめてホッと一息ついて勝因を口にして自身もまた横島の元へと瞬間移動していく。
「横島君。 助かったわ。 ごめんね。 私が止めを刺してれば……。」
「ほんとよ。 せっかくワタシが最高の作戦でオタクに止めを譲ったのに。」
さて時は少し遡り勘九郎を自らの手で殺めた横島に令子とエミと冥子とタイガーが駆け寄っていた。
いつもと違う震え方をする横島に令子とエミは流石に驚き、特に令子は自身が止めを刺すのを一瞬躊躇した結果のことを素直に謝っている。
「横島。 オタク小竜姫様と生きていくんでしょう? ならこのくらいで根を上げてどうする訳? 男ならしっかりしなさい!」
それが人の命を奪った震えだと令子もエミも理解していたが、人の命を奪う精神的な重圧は令子よりエミの方がよく理解していた。
「……エミさん。」
「一つ教えてあげるわ。 この世界で生きてくんなら奪った命ではなく守った命のことを考えなさい。 少なくとも私達四人は助けられたワケ。 それに勘九郎を生かしておけば何をするか分からなかった。 オタクは香港を引いては世界を守ったとも言えるわ。」
かける言葉が浮かばない令子に代わりエミはらしくないほど横島に言葉をかけて、横島の震えを止めて瞳に力を取り戻すことに成功する。
戦いは互角のまま続くが先に焦れたのはやはり精神的に揺さぶられたメドーサであった。
無論全く何の勝算がない訳でもなく先程まで横島に竜気を分けていたし、今も竜気を分けているかもしれない小竜姫の霊力切れを狙い一か八か超加速での勝負に打って出る。
しかしこれ以上小竜姫の言葉など聞きたくなかったという苛立ちがメドーサの判断を狂わせていた。
「残念ですが私はまだ死ねないのです。引いてくれないならばこちらも本気で行きます。」
一方の小竜姫はこの先の歴史を考えるとメドーサをどうするべきか決めかねていたが、今まで感じたこともない強烈な殺意に自分も殺す気でならねば殺されると悟り本気になる。
超加速という霊力を消費する空間にて互いに命を奪うべく力と力でぶつかり合う小竜姫とメドーサだが、小竜姫にはまだ一つ奥の手とまでは言えない裏技が残っていた。
「来なさい。もう一振りの我が剣よ。」
「なっ!?」
それはメドーサの刺す叉と小竜姫の神剣が打ち合った瞬間のこと。
小竜姫は自身の神剣《小竜剣》と一心二剣とも言えるもう一振りの小竜剣を呼び寄せると、二刀流でメドーサの無防備な左肩を斬りつけることに成功していた。
「バカな……。」
「すぐに楽にしてあげます。 その傷ではもう超加速をするのも無理でしょう。」
「何故だ! 何だその神剣は!? それに貴様の方が消耗していたはずだ!」
「その問いに答える気はありませんよ。 私は貴女を過小評価する気はありませんので。 貴女を魔の呪縛から解放しましょう」
傷はすぐさま致命傷とまではいかないが深くメドーサは超加速は愚か早く離脱して傷を癒さねばどうなるか分からない。
しかしメドーサは小竜姫の余裕の理由と二本目の神剣を何故自在に操れるのか知りたかったのだ。
「覚えてな! お前とあのボウヤは必ず私が殺す!」
ただ小竜姫もまたメドーサにこれ以上の情報を与える気などなく二本の神剣で止めを刺そうとするが、メドーサはその瞬間衰えぬ殺意をぶつけながら瞬間移動で消えた。
「人を見下してる貴女に私はまけませんよ。」
一瞬で静かになった街で小竜姫はメドーサの血溜まりを見つめてホッと一息ついて勝因を口にして自身もまた横島の元へと瞬間移動していく。
「横島君。 助かったわ。 ごめんね。 私が止めを刺してれば……。」
「ほんとよ。 せっかくワタシが最高の作戦でオタクに止めを譲ったのに。」
さて時は少し遡り勘九郎を自らの手で殺めた横島に令子とエミと冥子とタイガーが駆け寄っていた。
いつもと違う震え方をする横島に令子とエミは流石に驚き、特に令子は自身が止めを刺すのを一瞬躊躇した結果のことを素直に謝っている。
「横島。 オタク小竜姫様と生きていくんでしょう? ならこのくらいで根を上げてどうする訳? 男ならしっかりしなさい!」
それが人の命を奪った震えだと令子もエミも理解していたが、人の命を奪う精神的な重圧は令子よりエミの方がよく理解していた。
「……エミさん。」
「一つ教えてあげるわ。 この世界で生きてくんなら奪った命ではなく守った命のことを考えなさい。 少なくとも私達四人は助けられたワケ。 それに勘九郎を生かしておけば何をするか分からなかった。 オタクは香港を引いては世界を守ったとも言えるわ。」
かける言葉が浮かばない令子に代わりエミはらしくないほど横島に言葉をかけて、横島の震えを止めて瞳に力を取り戻すことに成功する。