神と人と魔の狭間で
「それと香港の件だけどメドーサは発見されてないが鎌田勘九郎が何度も目撃されてました。 当局の話では風水師失踪事件の有力参考人としてすでに指名手配の寸前のようです。」
横島の神剣の修行は続くが西条はそれはそれとして本来の用件に移り、小竜姫と令子は頼んだメドーサの一件の報告を受ける。
実は現在香港では風水師失踪事件の話題で持ちきりであるがその事件の影に勘九郎が居るのを何度か目撃されていて、香港当局やGS協会が西条の情報をかなり信憑性が高いと考え勘九郎の背後にはメドーサが居ると考えて対応し始めたらしい。
「鎌田勘九郎はともかくメドーサは人間には少々厳しいでしょう。」
「それと鎌田勘九郎がおかしな仮面を付けた連中を連れてるとの情報がありますが……。」
「ああ、それはこちらの調査で判明してます。 恐らくゾンビでしょう。」
とりあえず勘九郎が自由に動けなくなるだけでも小竜姫としては悪くはないが、やはり元始風水盤は自ら行かねば止められぬだろうと思う。
しかしこの一件に関しても本来ならば頼むはずの雪之丞ではなく西条に頼んだことでいろいろ変化しているし、小竜姫自身も人間の組織力を侮っては居ない。
恐らく香港の当局やGS協会の情報もメドーサは人質を取るなりして得ている可能性もあるので完全に裏をかくのは無理だろうが、メドーサと勘九郎を苛立たせて冷静な判断を出来なくさせるだけでも意味はある。
「ゾンビか。 と言うことは失踪した風水師は……。 一体何が目的なんだ? まさか地域紛争でも起こす気か?」
この時点で香港は英国領香港となっていて中国への返還間際という非常に難しい時期であるが、まだ統治権は英国にあるのでオカルトGメンとの連携も比較的容易だった。
ただデリケートな時期だけに当局は風水師失踪事件解決に全力を上げている。
「地域紛争ですか?」
「香港は現在は英国の租借地として英領香港となってますが中国への返還が間近です。 この段階で風水師の大量失踪は中国と英国との国際問題に発展しかねないのです。 中国は非民主国家として天安門事件など問題もありましたし極東は不安定な地域でもありますから。 何かあれば大変なことに。 下手をすれば世界大戦並の混乱がある可能性も。」
西条はメドーサの目的が何なのか分からず不気味なようで自身の考えうる最悪のシナリオを語るも、小竜姫はそこまで人間の政治や国際問題に興味も関心もないので西条の考えは小竜姫にはないものだった。
しかしここで気になるのはこの元始風水盤は恐らくアシュタロスの指示によるものであることの可能性が高いことと、仮に風水盤が作動しても神界か魔界の体制派に制圧されて終わる可能性が高いという目的が小竜姫にも読めなかったことになる。
「……なるほど。」
この時小竜姫は少しだけ嫌な予感がした。
それはもしかしたらアシュタロスはすでに令子の存在を見つけているのではないかとの予感だ。
アシュタロスはすでに令子を試しているのかもしれないと小竜姫は思い、もしかしたら自分や横島ですらも試されてる可能性があることに背筋が冷たくなる気がした。
横島の神剣の修行は続くが西条はそれはそれとして本来の用件に移り、小竜姫と令子は頼んだメドーサの一件の報告を受ける。
実は現在香港では風水師失踪事件の話題で持ちきりであるがその事件の影に勘九郎が居るのを何度か目撃されていて、香港当局やGS協会が西条の情報をかなり信憑性が高いと考え勘九郎の背後にはメドーサが居ると考えて対応し始めたらしい。
「鎌田勘九郎はともかくメドーサは人間には少々厳しいでしょう。」
「それと鎌田勘九郎がおかしな仮面を付けた連中を連れてるとの情報がありますが……。」
「ああ、それはこちらの調査で判明してます。 恐らくゾンビでしょう。」
とりあえず勘九郎が自由に動けなくなるだけでも小竜姫としては悪くはないが、やはり元始風水盤は自ら行かねば止められぬだろうと思う。
しかしこの一件に関しても本来ならば頼むはずの雪之丞ではなく西条に頼んだことでいろいろ変化しているし、小竜姫自身も人間の組織力を侮っては居ない。
恐らく香港の当局やGS協会の情報もメドーサは人質を取るなりして得ている可能性もあるので完全に裏をかくのは無理だろうが、メドーサと勘九郎を苛立たせて冷静な判断を出来なくさせるだけでも意味はある。
「ゾンビか。 と言うことは失踪した風水師は……。 一体何が目的なんだ? まさか地域紛争でも起こす気か?」
この時点で香港は英国領香港となっていて中国への返還間際という非常に難しい時期であるが、まだ統治権は英国にあるのでオカルトGメンとの連携も比較的容易だった。
ただデリケートな時期だけに当局は風水師失踪事件解決に全力を上げている。
「地域紛争ですか?」
「香港は現在は英国の租借地として英領香港となってますが中国への返還が間近です。 この段階で風水師の大量失踪は中国と英国との国際問題に発展しかねないのです。 中国は非民主国家として天安門事件など問題もありましたし極東は不安定な地域でもありますから。 何かあれば大変なことに。 下手をすれば世界大戦並の混乱がある可能性も。」
西条はメドーサの目的が何なのか分からず不気味なようで自身の考えうる最悪のシナリオを語るも、小竜姫はそこまで人間の政治や国際問題に興味も関心もないので西条の考えは小竜姫にはないものだった。
しかしここで気になるのはこの元始風水盤は恐らくアシュタロスの指示によるものであることの可能性が高いことと、仮に風水盤が作動しても神界か魔界の体制派に制圧されて終わる可能性が高いという目的が小竜姫にも読めなかったことになる。
「……なるほど。」
この時小竜姫は少しだけ嫌な予感がした。
それはもしかしたらアシュタロスはすでに令子の存在を見つけているのではないかとの予感だ。
アシュタロスはすでに令子を試しているのかもしれないと小竜姫は思い、もしかしたら自分や横島ですらも試されてる可能性があることに背筋が冷たくなる気がした。