スリーピング・ビューティー!!
「後は私がやるからいいわ。 実力も確認したし、さっさと本題に入りましょうか」
ビル全体を確認した後この日の作業は終わりだと魔鈴が告げると令子はようやく口を開くが、それは何の前置きもない単刀直入の言葉だった
相変わらず不機嫌そうではあるが本題は死津喪比女であり、魔鈴の実力を確認した以上はデマだと切って捨てる訳にもいかない
結果事務的に進めるしか令子には方法がなかったのだろう
「相手は地中の深い位置に潜む地霊のようです。 現状がどうかは確認出来ませんでしたが、生きてると考えた方が確実でしょう」
余計な一仕事をさせたのに何のお礼も感想もなく本題に入る令子に唐巣は冷や汗を流すが、魔鈴はそれならばそれでよかった
正直余計な詮索などされるくらいならば、事務的に進めてくれた方が面倒がないのだから
以前唐巣に話した内容を改めて説明する魔鈴だったが、令子は相変わらず不機嫌そうに聞いてるだけであった
「いろいろ準備が必要ね。 おキヌちゃんを失った封印がどうなってるかにもよるわ。 私は再封印と退治の両面で準備するわ。 貴女も何か対策はあるのでしょうけど」
魔鈴の説明が終わると、令子は再封印と退治の両面の準備を進めると告げるとそのまま帰ってしまう
流石におキヌを犠牲にするつもりはないのだろうが、現代のアイテムや技術で再封印も考えるようだ
退治の方法に関しては恐らくは未来と同じ呪いの細菌兵器だろうが、今回は事前に準備をしていくだけに他にもあるのかもしれない
「いろいろすまなかったね。 人に対しての態度は私も何度か注意したんだが……」
令子が帰って空気が軽くなると唐巣は少しホッとしたように謝罪をしていた
決定的な対立にでもなるのではと、人知れず神経を擦り減らしていたようだ
「私は構いませんよ。 それに唐巣神父が謝ることではないと思います」
令子の態度を気にしてないと言う魔鈴だったが、唐巣に謝る必要がないとも言う
唐巣が師匠としての責任を感じる気持ちは分からなくもないのだが、母親があの様子なのだから仕方ないとも思うのだ
厄介な親子に頼られてると魔鈴は改めて感じていた
「それにしても凄かったね。 私も精霊の力を借りることはあるが……」
精神的なプレッシャーから解放されたからか、唐巣は先程魔鈴が使った魔法に興味を持つ
精霊や自然の力などを借りる術は東西問わず存在するが、その力であれほど簡単に強力な魔法を使えるとは思わなかったらしい
「無論秘密はありますが、基本的にはそれほど特殊な技術ではないんですよ。 大いなる力の流れを僅かに変えるだけなんです」
唐巣の問い掛けに笑顔で答える魔鈴だったが、その技術は人間の高みに限りなく近いものだった
横島やカオスやタマモやシロなど、多くの才能ある者達と共に成長して来た魔鈴の真骨頂はまだまだこれからである
そして……、十年前から止まったままの横島とルシオラの時間を動かすのは、魔鈴にしか出来ないことなのかもしれない
ビル全体を確認した後この日の作業は終わりだと魔鈴が告げると令子はようやく口を開くが、それは何の前置きもない単刀直入の言葉だった
相変わらず不機嫌そうではあるが本題は死津喪比女であり、魔鈴の実力を確認した以上はデマだと切って捨てる訳にもいかない
結果事務的に進めるしか令子には方法がなかったのだろう
「相手は地中の深い位置に潜む地霊のようです。 現状がどうかは確認出来ませんでしたが、生きてると考えた方が確実でしょう」
余計な一仕事をさせたのに何のお礼も感想もなく本題に入る令子に唐巣は冷や汗を流すが、魔鈴はそれならばそれでよかった
正直余計な詮索などされるくらいならば、事務的に進めてくれた方が面倒がないのだから
以前唐巣に話した内容を改めて説明する魔鈴だったが、令子は相変わらず不機嫌そうに聞いてるだけであった
「いろいろ準備が必要ね。 おキヌちゃんを失った封印がどうなってるかにもよるわ。 私は再封印と退治の両面で準備するわ。 貴女も何か対策はあるのでしょうけど」
魔鈴の説明が終わると、令子は再封印と退治の両面の準備を進めると告げるとそのまま帰ってしまう
流石におキヌを犠牲にするつもりはないのだろうが、現代のアイテムや技術で再封印も考えるようだ
退治の方法に関しては恐らくは未来と同じ呪いの細菌兵器だろうが、今回は事前に準備をしていくだけに他にもあるのかもしれない
「いろいろすまなかったね。 人に対しての態度は私も何度か注意したんだが……」
令子が帰って空気が軽くなると唐巣は少しホッとしたように謝罪をしていた
決定的な対立にでもなるのではと、人知れず神経を擦り減らしていたようだ
「私は構いませんよ。 それに唐巣神父が謝ることではないと思います」
令子の態度を気にしてないと言う魔鈴だったが、唐巣に謝る必要がないとも言う
唐巣が師匠としての責任を感じる気持ちは分からなくもないのだが、母親があの様子なのだから仕方ないとも思うのだ
厄介な親子に頼られてると魔鈴は改めて感じていた
「それにしても凄かったね。 私も精霊の力を借りることはあるが……」
精神的なプレッシャーから解放されたからか、唐巣は先程魔鈴が使った魔法に興味を持つ
精霊や自然の力などを借りる術は東西問わず存在するが、その力であれほど簡単に強力な魔法を使えるとは思わなかったらしい
「無論秘密はありますが、基本的にはそれほど特殊な技術ではないんですよ。 大いなる力の流れを僅かに変えるだけなんです」
唐巣の問い掛けに笑顔で答える魔鈴だったが、その技術は人間の高みに限りなく近いものだった
横島やカオスやタマモやシロなど、多くの才能ある者達と共に成長して来た魔鈴の真骨頂はまだまだこれからである
そして……、十年前から止まったままの横島とルシオラの時間を動かすのは、魔鈴にしか出来ないことなのかもしれない