スリーピング・ビューティー!!
それから数日後の土曜日、横島と魔鈴は電車で人骨温泉に向かっていた
「二人で遠出なんて随分久しぶりだな」
「そうですね。 いつも賑やかで楽しい毎日でしたから……」
車窓から見える山々なでの自然の景色に、横島と魔鈴は久しぶりに心が休まる思いである
過去に来て以来これからの対策や変わりゆく環境の中で、二人は知らず知らずのうちにストレスを抱えていた
都心の電車よりゆっくり走るローカル線の電車と景色はそんな二人の心を癒していく
「みんな心配してるだろうな」
「カオスさんの話では元の世界に戻れない事もないそうです」
久しぶりの穏やかな時間は二人の心を落ち着かせるが、それでも二人は未来の世界に残して来た者達が心配だった
そんな中カオスはあの未来に帰る方法があると言うが、問題はこの時代の自分と同化した自分達が再び二人に別れる事が出来ない事である
結果どのように考えても横島と魔鈴はこの時代でアシュタロスと戦うしか道はないのだ
「ただあちらに戻るには全てを解決してからでなくてはなりませんし、戦後しばらくは時空が安定しないので難しいそうです」
横島と魔鈴は二つの世界に一人しか居ない
結果的にどちらで生きるか選ばねばならないが、その前に最低限この時代を平和で安定させる必要があった
「どっかの親子の時間移動乱発と、あいつの最終兵鬼のおかげで時空間がめちゃくちゃなんだろ。 本当に俺はよく生きてるって思うわ」
美神親子の時間移動とアシュタロスのコスモプロセッサーの影響は、世界を不安定にさせる要因の一つだと未来でカオスは研究していた
神魔が美神美智恵に時間移動を禁止したのも、その辺りにも理由があるのではとの推測なのだ
まあ美智恵のように強行すればあの未来に帰れなくもないのかもしれないが、カオスは危険過ぎると考えている
結果少なくとも横島達は数年はこちらで生きねばならない
「不安もありますが、ようやく全てを終わらせるチャンスでもあります。 正直、これほど早く光が見えるとは思いませんでした」
ふと魔鈴は横島と結ばれた頃を思い出し懐かしそうに笑みを浮かべる
それは不可能という言葉すらもたやすく感じるほどの苦難の道だった
しかし僅か十年で確かな可能性が生まれたことは、魔鈴にとって本当に嬉しいことである
「そうだな。 ようやく確かなゴールが見えたんだもんな」
「ゴールではなくスタートですよ。 あなたと私と彼女の……」
それはやはり苦難の道だったがようやくかつてのアシュタロス戦のゴールであり、新しい人生のスタートラインが見えたことに二人は喜びを感じていた
それはアシュタロス戦から十年を経てようやく見えた希望の光なのだから
「めぐみ……、ありがとう」
「私は幸せですよ。 でも、もっと幸せになりたいです」
いつの間にか二人の間には甘い空気が流れていた
まるで付き合ったばかりのカップルや新婚のような……
あまり客の居ないローカル線とはいえ全く人が居ない訳ではない
少し離れた場所に座る中年男性の二人組が、静かに深いため息をはいたことは横島も魔鈴も気付かなかったらしい
「二人で遠出なんて随分久しぶりだな」
「そうですね。 いつも賑やかで楽しい毎日でしたから……」
車窓から見える山々なでの自然の景色に、横島と魔鈴は久しぶりに心が休まる思いである
過去に来て以来これからの対策や変わりゆく環境の中で、二人は知らず知らずのうちにストレスを抱えていた
都心の電車よりゆっくり走るローカル線の電車と景色はそんな二人の心を癒していく
「みんな心配してるだろうな」
「カオスさんの話では元の世界に戻れない事もないそうです」
久しぶりの穏やかな時間は二人の心を落ち着かせるが、それでも二人は未来の世界に残して来た者達が心配だった
そんな中カオスはあの未来に帰る方法があると言うが、問題はこの時代の自分と同化した自分達が再び二人に別れる事が出来ない事である
結果どのように考えても横島と魔鈴はこの時代でアシュタロスと戦うしか道はないのだ
「ただあちらに戻るには全てを解決してからでなくてはなりませんし、戦後しばらくは時空が安定しないので難しいそうです」
横島と魔鈴は二つの世界に一人しか居ない
結果的にどちらで生きるか選ばねばならないが、その前に最低限この時代を平和で安定させる必要があった
「どっかの親子の時間移動乱発と、あいつの最終兵鬼のおかげで時空間がめちゃくちゃなんだろ。 本当に俺はよく生きてるって思うわ」
美神親子の時間移動とアシュタロスのコスモプロセッサーの影響は、世界を不安定にさせる要因の一つだと未来でカオスは研究していた
神魔が美神美智恵に時間移動を禁止したのも、その辺りにも理由があるのではとの推測なのだ
まあ美智恵のように強行すればあの未来に帰れなくもないのかもしれないが、カオスは危険過ぎると考えている
結果少なくとも横島達は数年はこちらで生きねばならない
「不安もありますが、ようやく全てを終わらせるチャンスでもあります。 正直、これほど早く光が見えるとは思いませんでした」
ふと魔鈴は横島と結ばれた頃を思い出し懐かしそうに笑みを浮かべる
それは不可能という言葉すらもたやすく感じるほどの苦難の道だった
しかし僅か十年で確かな可能性が生まれたことは、魔鈴にとって本当に嬉しいことである
「そうだな。 ようやく確かなゴールが見えたんだもんな」
「ゴールではなくスタートですよ。 あなたと私と彼女の……」
それはやはり苦難の道だったがようやくかつてのアシュタロス戦のゴールであり、新しい人生のスタートラインが見えたことに二人は喜びを感じていた
それはアシュタロス戦から十年を経てようやく見えた希望の光なのだから
「めぐみ……、ありがとう」
「私は幸せですよ。 でも、もっと幸せになりたいです」
いつの間にか二人の間には甘い空気が流れていた
まるで付き合ったばかりのカップルや新婚のような……
あまり客の居ないローカル線とはいえ全く人が居ない訳ではない
少し離れた場所に座る中年男性の二人組が、静かに深いため息をはいたことは横島も魔鈴も気付かなかったらしい