変わりゆく日々

横島が学校生活をいろんな意味で満喫している頃、魔鈴はマリアと二人で人骨温泉を訪れていた


「かなり成長してますね」

「イエス・ミス魔鈴。 ターゲットはすでには周辺の地脈から・エネルギーを吸収してます」

この日二人が人骨温泉に来たのは、現在の死津喪比女の状況確認の為である

未来において東京を壊滅寸前まで追い込んだ死津喪比女の事件は、魔鈴としては早めに解決したい事件の一つだった

この事件の被害は近年稀に見るほどの被害を出した事件であるし、加えてこの事件で死津喪比女が東京近郊の寺社仏閣などを破壊した影響はアシュタロス戦にまで響いている

あの事件で死津喪比女は令子と横島により退治されたが、壊滅した寺社仏閣の修復はなかなか進まなかったのだ

東京の霊的環境が壊滅状態のままコスモプロセッサーにより大量の悪霊などが暴れたため、東京は他の大都市よりも被害が多かったとの結果がある

歴史を変えることへの恐怖は今も魔鈴にはあるが、だからと言って被害が出ると分かっている事件を放置も出来なかった


「ここまで成長してしまえば、穏やかに解決するのは難しいでしょうね。 地脈の他にも周囲の陰気まで吸収してますし」

死津喪比女は現状でも未来の覚醒時の八割程度の力を溜め込んでいる

知性があるため話し合いの解決も考慮していた魔鈴だったが、地脈から急速に霊力を取り込んでる上に周囲の自然から陰気まで取り込んでるのだ

理性を失うほどの霊力を溜め込んだ死津喪比女問題の解決は簡単ではなかった


「帰りましょうか。 カオスさんとも相談して対応を検討しなくてはなりません」

「イエス・ミス魔鈴」

一通り現状の調査を終えた魔鈴とマリアは、文珠を使った【転】【移】にて帰っていく

アシュタロス戦と直接関わりが薄いこの事件ですら、魔鈴は気が抜けないと気を引き閉めていた



一方ドクターカオスはと言えば、研究所で自作の特製パソコンを使って魔鈴の魔法の杖の制作を進めている


「便利な世の中になったな。 こいつのおかげでだいぶ作業が楽になったわい」

魔法といえどカオスの場合は術式の計算や構築などは数学などを用いることが多い

基本的に独自の魔法科学を用いるため、経験や勘などに頼る部分を極力数値化しているのだ独自のプログラムによる魔法の解析や数値化など、未来において魔法科学を研究進化させていた

まあ横島や魔鈴と共に真の不老不死となりボケが治ったカオスは、自身の人生の集大成とも言える魔法科学の進化を成し遂げていたのだ

現代の最先端科学を学んだカオスの技術は、世界最高峰のオカルトGメンのオカルト技術より三百年は進んでるとの自負があるほどである

天性の魔法センスを持つ魔鈴と文珠を用いる横島との共同研究は、天才ドクターカオスの才能を百パーセント以上に発揮していた


「アシュタロスの偉大さが身に染みるわい。 魔法科学の究極はコスモプロセッサーじゃからのう。 人の身で挑むのは余りに疎かとしか言いようがない」

千年生きて己の道を貫いて来たカオスを持ってしても、アシュタロスと再び戦うのは無謀としか言いようがない


「しかし、そうでなくては挑戦する意味などないがのう」

不可能に近いからこそ挑戦する意味がある

それがカオスが横島や魔鈴に力を貸してる理由の一つだった

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