変わりゆく日々

次の日いつものように学校に登校した横島だったが、僅かに教室の空気が違っている

一部の……未来で横島を吊るし上げた男達が、ニヤニヤと気持ち悪い笑顔でコソコソと何かを話しているのだ


(また何かくだらんことを考えてるな)

嫌な予感がする横島は自分に関係なければいいと願いつつ、自分の席に座り愛子やピート達と挨拶を交わす

しかし横島の願いは脆くも崩れ去り、彼らは横島の前に来てどこか勝ち誇ったような表情を浮かべる


「横島、お前彼女が出来たのに、昨日他の女の子とデートしてたんだって?」

嫌みなほど嬉しそうな笑顔の男達に横島はポカーンとしてしまう


「はあ?」

「愛子君達をはべらかせて随分楽しそうだったそうじゃないか? 自慢の彼女は知ってるのか? ちゃんと教えてやらないとダメだよな」

自慢げに語るクラスメートの男子に横島がポカーンとする中、昨日一緒だった愛子や他の女子もまた呆れたようにポカーンとしている

彼らが何かを企んでたのはみんな気付いていたが、まさかそんなことを言い出すとは予想外だったようだ


「楽しそうなとこ悪いんだけど、私達別にデートしてた訳じゃないわよ。 街でたまたま会っただけだし……」

昨日一緒だった女子の一人が呆れながらも男子達に事情を話すが、彼らは横島への疑いの視線を変えることはない


「本当にそうなのか? 最近横島は調子に乗ってるからな~」

一緒に居た女子が否定するも男子は信じず、というか彼らは真実がどうかよりは調子に乗るように見える横島の揚げ足取りに夢中だった

あわよくば魔鈴にこの話を伝えて、横島の本性を暴こうと息巻いてることは明らかである


「あんた達いい加減にしなさいよ。 横島君がGS試験に受かって彼女が出来たからって嫉んでるだけじゃない!」

「お前らこそ横島がGS試験に受かってから、手の平を返したような態度しやがって! 金に目が眩んだんだろ!!」

「なんですって!!」

いつの間にか対立の主役は女子対一部の男子になっていた

横島が無言を貫く中、昨日一緒だった女子がフォローすると彼らは女子にも怒りの矛先を向けていたのだ


「俺そんな悪いことしたか?」

「僕に聞かれても……」

いつの間にかかやの外に置かれた横島は疲れたように何かしたかと尋ねるが、ピートには分からないらしく首を捻るのみである

横島としてはあまり目立たず普通に学校に通っていただけであり、彼らの怒りの意味をあまり理解してない


「あんな馬鹿で節操もない横島に今更媚び売る理由が他にあるのか!?」

「元からあんた達みたいな根暗なムッツリ男よりは百万倍マシだったわよ!」

一方こちらは横島を放置したまま対立を続けている

どうしても横島がモテるのが気に入らない彼らの怒りは最近親しい女子達にまで向かうが、それが女子達全員の怒りを買ってしまう


「愛子、そろそろ止めた方がいいんじゃ……」

「私が入ると余計にややこしくならない?」

教室内が殺気で満ちる中、何故か横島が一番冷静で困っていた


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