変わりゆく日々
その日の昼食も終わったお昼休み、横島はいつものように屋上で寝転び空を見ていた
過去に来て以来毎日学校に通っているが、未だに違和感と言うか場違いな気がしてならない
別にクラスに溶け込んでない訳ではないが、魔鈴の訪問以来微妙な関係の男達が数名いる
表立って騒がないからまだいいのだが、どこか横島の粗探しをしている感じが強いのだ
以前は気付かなかったが、彼らは横島をネタにしようと粗探ししているらしい
「また、こんなとこに居たの? 最近横島君屋上好きよね」
心地好い眠気が僅かに訪れる頃、屋上には愛子とタイガーがやって来る
勘がいい愛子はどうも最近の横島の変化が気になるようだ
「昼寝しとかんと夜は仕事だからな。 前みたいに徹夜はないけど、休める時に休んでおかんとつらいからさ」
何か気になるような愛子に、横島はGSの仕事があるから休んでるといいごまかすしかなかった
今更クラスメートと仲良くしたいなど思わないし、このまま適度な距離でごまかしたいと考えている
「そういえばメゾピアノの件、聞いた? お昼休みにメゾピアノのピアノ目当てに生徒が音楽室に集まって人気みたいよ」
視線を空から動かさない横島の近くに座った愛子は、メゾピアノの近況を話し始める
横島が半ば強引に和解させたメゾピアノの件を愛子はだいぶ気にしていたらしいが、実際は驚くほど何も問題が起きなかったのだ
加えて最近ではメゾピアノの弾くピアノ目当てにお昼休みや放課後に、音楽好きの生徒が集まっており結構人気らしい
性格はともかくピアノの腕前だけは凄いため、音楽好きな生徒には評判がよかったのである
「横島サン、こうなると分かってたんですかいノー?」
愛子の言葉に続いてタイガーが疑問を口にするが、二人はどうやら横島がどこまで考えていたのか知りたいようだ
「俺がそこまで考えてる訳ないのはお前らが一番知ってるだろうが」
「でも……」
「俺はちょっとしたキッカケを与えただけなんだよ。 それをどうするかはあいつの問題だ」
メゾピアノが上手くいったのは横島が何かしたのではと考えていた二人だったが、それは明らかに考え過ぎだった
横島自身はメゾピアノにキッカケを与えただけであり、それを生かすも殺すも本人次第なのである
それに過剰に何かしてもタメにならないと横島は知っているのだから
(横島君、貴方やっぱり変わったわ)
愛子は横島の言葉に何かが変わった確信を強めていた
何があったのかは分からないが、横島の言葉や行動は明らかに以前と違うのだから……
(でも……、貴方はやっぱり横島君なのよね。 妖怪を本当の意味で対等に見てるのは貴方だけだもの)
横島の変わった部分と変わらぬ部分に、愛子はどこか不安と期待の入り混じった気持ちだった
横島の良さが変わってない事に愛子はホッとすると同時に、霊能者として生きる事には不安も感じてしまう
横島の良さがいつか横島本人を苦しめる日が来るような気がしてならないのだ
そんな愛子の予感が本来あるべきだった未来において実現してしまう事を愛子は知らない
そして……、横島との関わりが自身の未来を変える事になるなど、想像も出来ないことだった
過去に来て以来毎日学校に通っているが、未だに違和感と言うか場違いな気がしてならない
別にクラスに溶け込んでない訳ではないが、魔鈴の訪問以来微妙な関係の男達が数名いる
表立って騒がないからまだいいのだが、どこか横島の粗探しをしている感じが強いのだ
以前は気付かなかったが、彼らは横島をネタにしようと粗探ししているらしい
「また、こんなとこに居たの? 最近横島君屋上好きよね」
心地好い眠気が僅かに訪れる頃、屋上には愛子とタイガーがやって来る
勘がいい愛子はどうも最近の横島の変化が気になるようだ
「昼寝しとかんと夜は仕事だからな。 前みたいに徹夜はないけど、休める時に休んでおかんとつらいからさ」
何か気になるような愛子に、横島はGSの仕事があるから休んでるといいごまかすしかなかった
今更クラスメートと仲良くしたいなど思わないし、このまま適度な距離でごまかしたいと考えている
「そういえばメゾピアノの件、聞いた? お昼休みにメゾピアノのピアノ目当てに生徒が音楽室に集まって人気みたいよ」
視線を空から動かさない横島の近くに座った愛子は、メゾピアノの近況を話し始める
横島が半ば強引に和解させたメゾピアノの件を愛子はだいぶ気にしていたらしいが、実際は驚くほど何も問題が起きなかったのだ
加えて最近ではメゾピアノの弾くピアノ目当てにお昼休みや放課後に、音楽好きの生徒が集まっており結構人気らしい
性格はともかくピアノの腕前だけは凄いため、音楽好きな生徒には評判がよかったのである
「横島サン、こうなると分かってたんですかいノー?」
愛子の言葉に続いてタイガーが疑問を口にするが、二人はどうやら横島がどこまで考えていたのか知りたいようだ
「俺がそこまで考えてる訳ないのはお前らが一番知ってるだろうが」
「でも……」
「俺はちょっとしたキッカケを与えただけなんだよ。 それをどうするかはあいつの問題だ」
メゾピアノが上手くいったのは横島が何かしたのではと考えていた二人だったが、それは明らかに考え過ぎだった
横島自身はメゾピアノにキッカケを与えただけであり、それを生かすも殺すも本人次第なのである
それに過剰に何かしてもタメにならないと横島は知っているのだから
(横島君、貴方やっぱり変わったわ)
愛子は横島の言葉に何かが変わった確信を強めていた
何があったのかは分からないが、横島の言葉や行動は明らかに以前と違うのだから……
(でも……、貴方はやっぱり横島君なのよね。 妖怪を本当の意味で対等に見てるのは貴方だけだもの)
横島の変わった部分と変わらぬ部分に、愛子はどこか不安と期待の入り混じった気持ちだった
横島の良さが変わってない事に愛子はホッとすると同時に、霊能者として生きる事には不安も感じてしまう
横島の良さがいつか横島本人を苦しめる日が来るような気がしてならないのだ
そんな愛子の予感が本来あるべきだった未来において実現してしまう事を愛子は知らない
そして……、横島との関わりが自身の未来を変える事になるなど、想像も出来ないことだった