魔鈴心霊相談事務所始動!

「それと雪之丞君についてだが、白龍会は無期限休止する事になった。 会長を始め生き残った者は小竜姫様のおかげで神界で治療してるが、今回の失態があるから当分は復帰は出来ないだろう。 君の新しい所属は自分で探して貰う事になるが、あてがないなら私の元に来るといい」

最後に唐巣は雪之丞の今後について話すが、白龍会は今回の責任を取り無期限休止の処分を受けていた

白龍会自体は基本的に被害者なのだが、GS事務所が魔族に負けて利用されたとの言い訳は通用しない

会長を始め生き残った者はメドーサに今回の件について記憶を消されてるだろうが、それでも結果的に白龍会を続ける事は不可能である

まあそれでも無期限休止という処分はGS協会を激震させた割には軽く、個人で処分を受けたのは追放処分の勘九朗と陰念だけである

後は別の事務所を開くなり移籍するなりしてやり直しが可能な処分だった

これはメドーサという中級魔族の撃退は人間には難しいという事情もあるし、白龍会と同じ寺社系の派閥のメンツを考慮した結果でもある

結局雪之丞は新しい所属の話を考えておくと言いこの場は終わった



それから三日後横島達が唐巣に呼ばれて教会へ行くと、そこには小竜姫や令子などあの事件に関わった者達が集められていた


「揃いましたね。 今回は本当にありがとうございました。 皆さんの協力の結果、メドーサの計画を潰せました」

横島達が教会に入り座ると小竜姫が今回のお礼を言い、謝礼の小判を令子やエミに渡していく

本来は令子と唐巣のみへの依頼だったのだが、協力したGS達にも同じく支払われるようである


「俺も貰っていいのか?」

「貴方は私の依頼を受けた、唐巣神父の依頼を受けたのですから当然の依頼料です」

令子やエミや冥子に続き依頼料金を渡された雪之丞だが、小竜姫の予想外の行動に戸惑いを隠せないようだ

しかし小竜姫は今後の期待と今回の貢献度から依頼料を雪之丞に渡す


「私は結構ですよ。 忠夫さんを少し手伝っただけですから」

続いて小竜姫は魔鈴にも依頼料を渡そうとするが、魔鈴は受け取らずに断ってしまう

そんな魔鈴に小竜姫は少し困ったように横島を見つめる


「今回は貴方が一番の活躍でしたね。 報酬は何がほしいですか?」

今回小竜姫が一番悩んだのは横島への報酬だった

本当は令子への依頼料でいいのだろうが、活躍の度合いで言えば横島が上なのだ

しかも先日の試験の際に横島が安い時給しか貰えない現実を聞いてしまったため、このまま放置も出来なかった

いろいろ考えた結果、小竜姫は令子と別に報酬を払おうと考えていたのである


「へっ!? 俺は報酬なんて要らないっすよ。 小竜姫様と俺の仲じゃないっすか、困った時はいつでも言って下さい」

一方未来になかった突然の報酬の話に、横島は戸惑いながらも要らないと断る

未来において横島にとって小竜姫は間違いなく仲間だった

横島としては過去に来たとはいえ、小竜姫からお金を受け取るなど考えられない


「小竜姫様、そいつに払うなら私に払うのが筋でしょう!?」

魔鈴に続き横島まで報酬を断り微妙に困った様子の小竜姫に、怒りの様子の令子が文句を言う

小竜姫が横島に別に報酬を支払うなど、令子としては許せないのである


「美神さんには支払ったじゃないですか。 今回は横島さんの機転が無ければどうなっていたか…… それに誰にいくら払うかは私の自由だと思いますが?」

言い値の金額を払ったのにまだ寄越せと言う令子に、小竜姫は少し不愉快そうな表情を浮かべた


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