魔鈴心霊相談事務所始動!

「よう、元気そうだな」

横島達が部屋へ入ると、ピートはベッドに座り何かの本を読んでおり顔色もいい

冥子の式神のヒーリングがかなり効いたようである


「横島さんと……」

「私、魔鈴めぐみと申します。 この度忠夫さんと日本でGS事務所を開くことになりましたので、よろしくお願いします」

「昨日はすまなかった。 今更かもしれねえけど、俺はあんな勝ち方したかったんじゃないんだ」

ベッドでゆっくりしていたピートだが、横島と一緒に来た知らない美女に戸惑っていた

そんなピートに魔鈴は自己紹介をして雪之丞はさっそく謝るが、当のピートは唐巣から聞いた横島の彼女が予想以上に美人な事に驚き固まっている


「貴女が現代の魔女……」

今朝意識を回復したピートは昨日の事件について唐巣に聞いていたが、横島に美人の彼女が現れたという話に半信半疑だった

しかも『現代の魔女』という存在は、ピートも耳にしたことがあるほど有名人なのだ


「試合の事は気にしなくてもいいですよ。 僕が未熟だった事は確かですし、あの後の経過も先生に聞いてます」

横島と魔鈴の問題に固まっていたピートだが、雪之丞への返事も必要だと気付き少し慌てて返事を返す


この時雪之丞は申し訳なさそうだが、ピートにとってはそれほどでもなかった

勘九朗の横ヤリに気付かなかった自分は未熟だと反省はしたが、雪之丞が知らなかったと唐巣に聞かされてからは怒りも消えている

元々のお人よしな性格だし長く生きているだけあって、雪之丞のようなまっすぐなタイプがあの手の汚い罠を使わない事はピートも理解していたようだ

まあ結果的に周りに気を配らなかった自分の未熟さに気づいただけで、ピートはよかったようである


「ちょうどいいからここで話そうか、昨日の試験に関してだがGS協会は試験を無効にはしないそうだ。 合格者には協会が他にも過激派魔族との繋がりがないか調査をするらしいが、君達三人に関しては問題ないとの結論を聞いている。 ただ横島君の残りの試合についてはちょっと揉めていてね……」

ピートと雪之丞の和解が上手くいったのを見た唐巣は昨日のGS試験に関しての情報を伝えるが、やはり試験結果は無効にならなかった

正式発表はまだだが試験自体は有効になり、雪之丞にもGS免許が交付される点は唐巣が確約を取り付けている


問題は残りの試合であり、わざわざ後日再開するかしないかでモメてるらしい


「俺は別にもう試合しなくてもいいですよ。 順位なんて興味ないですし」

「先程ドクターカオスに聞いたら彼も同じ意見だった。 他の受験者次第だが、おそらく勝ち残った受験者はこのまま特別賞という形で落ち着くと思う」

残りの試合に関しては横島は出来ればやりたくなかった

未来では決勝まで勘九朗が勝ち進み試合が全て行われたからよかったが、今回は準々決勝で止まっただけに問題になったようである

しかしこのまま試合をすれば横島とカオスが当たる可能性が高くなるし、横島としては出来ればこのまま終わってほしい

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