GS試験再び!?

「それは大丈夫じゃ。 マリアの記録によればみんな同じ時間に飛ばされたのは確かじゃ。 ただ、この時代の自分の居場所に戻ったゆえ、魔鈴はイギリスかの…」

カオスが不安そうな横島に現状の説明を始める


「結果から言うと未来に戻るのは難しいかもしれん。 わしらは過去の自分になってしまった。 ワシらが未来に戻ってしまえば、この時代がどうなるかわからん。 特に横島、おぬしが居なければアシュタロスとの戦いがどうなるかわからんからの」

カオスの説明に横島は複雑な表情をする

みんな無事なのは良かったが、未来に戻れないのはショックが大きい

あの時代に居る仲間達など、大切な人達にもう会えないのだから


「しかし、チャンスでもある。 ルシオラを救うならな」

カオスは落ち込む横島に一筋の希望を与える


「ルシオラを救う…!?」

横島はその言葉に表情を一変させる

この10年、ずっと待ち望んで来たルシオラとの再会

それがこんな形で可能になるとは…


「まあ、アシュタロスとの戦いは変えられん。 だが、ルシオラの命を救うくらいなら、今のワシらには可能じゃろう。 ワシらは正確には人間では無いからの。 今のワシらの力なら可能じゃ」

カオスの言葉に横島の希望は更に大きくなるが、同時に不安や恐怖も大きくなる


「もう一度勝てるのか? アシュタロスに……」

10年前のあの短い期間の出来事は、横島にとって奇跡のようなものだった

ルシオラの復活の為にオカルトを学び研究した横島にとって、再びアシュタロスと戦うなど考えたくもない


「勝たねば未来などない。 少なくともルシオラはな」

冷静に語りかけるカオスの目は、すでに遠くを見ているようである

横島を最も良く知るだけに答えなど見えてるようだった


「やるしかないか。 今度こそ」

困惑や驚きが収まらない横島だが、すでに迷ってる時間などない

明日はGS試験であり、霊能者横島忠夫にとっての始まりの日なのだ


「横島さん・これを……」

決意を固めつつあった横島に、マリアはルシオラの霊波片を手渡す

あの瞬間にマリアがルシオラの霊波片を守っていたようだ


「サンキュー、マリア。 またGSに戻る日が来るとはな~」

ルシオラの霊波片を手にする横島は、不思議と心が安らぐ気がした

そして一度は辞めたGSに再び戻る運命に、思わず苦笑いを浮かべてしまう


「とりあえず明日の試験が問題じゃな。 霊力値には気をつけろよ。 人間の限界は越えてはならんぞ」

思わず感情に浸る横島に対し、カオスはすでに明日の試験の対応を考えていた

横島は未来で散々修行したとはいえ、メドーサは油断出来る相手ではない


「ああ、わかってる。 出来るだけ歴史通りにした方いいんだろう?」

「うむ、これから先は時間をかけて対策が出来るが今回は時間がない。 下手に歴史を変えるのは止めた方がいいじゃろう」

短い時間で横島とカオスが話し合った結果、GS試験に関してはおおまなか流れを同じにした方がいいという事になる

今後に関しては魔鈴と合流後に決める事にして、この日は帰っていく


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