魔鈴心霊相談事務所始動!
「忠夫さん。 お弁当忘れましたよ」
当の横島が何の事かさっぱりわからないで首を傾げる中、教室内に現れたのは普段よりも少しだけ綺麗に着飾った魔鈴である
長い髪を下ろし嫌みでない程度のオシャレをした魔鈴の美しい容姿に、騒然としていたクラスや廊下は鎮まり返ってしまう
「ああ……、ありがとう」
予想外の魔鈴の行動に、横島はその意味を理解出来ずに不思議そうに魔鈴を見つめるしか出来ない
さて何故魔鈴が学校に現れたのかと言えば、それは今朝まで遡る
朝食と一緒に横島の弁当も作っていた魔鈴だが、かつての横島の学校生活を考えると不安があった
(せっかく過去を乗り越えた忠夫さんが、再びトラウマを呼び起こさせる事にならねばいいのですが……)
高校卒業から約九年が過ぎてようやく高校時代のトラウマを乗り越えた現在の横島が、再び高校に通う事に魔鈴は言葉に出来ない不安を抱えていた
それに変に過去と同じ道化を演じれば、また横島のストレスにしかならないのだ
(かと言って今の忠夫さんですと普通にモテる可能性も……)
無理に過去と同じく演じれる必要があるか疑問な魔鈴だが、かと言って今の横島だと普通にモテる可能性が十分にある
かつて愛子から高校時代の横島の話を聞た事がある魔鈴は、横島が知らない場所で結構人気だった事実を知っていた
魔鈴としては夫が極端にモテないのもモテるのも、どちらも困るのだ
(やはり私がアピールしなくてはなりませんね)
横島の立場や可能性を考慮した魔鈴は、出来上がった弁当をわざと渡さずに横島を送り出していた
全ては自分が合法的に学校へ顔を出す為に……
魔鈴と言う恋人が居れば横島の学校での扱いはモテない変人から変わるだろうし、後に横島がモテるようになってもちょうどいい抑止力になるだろうと考えたのである
さて時は教室に戻るが、教室内は相変わらず鎮まり返っていた
見知らぬ美人が横島に手作り弁当を手渡すのだから、クラスメート達には相当なショックだったようである
「ごめんなさいね。 お弁当を手渡すのを忘れてしまいました」
申し訳なさそうに横島に謝る魔鈴に、周りは固まったまま現実を受け止めきれないでいた
しかし魔鈴の行動が理解出来ないのは横島も同じである
まさか過去に来て学校に登校した初日に魔鈴が来るなど、予想も出来なかったのだろう
「タイガーさんでしたよね? 昨日はお疲れ様でした。 小笠原さんによろしくお伝えください」
最早教室内は魔鈴の独壇場だった
横島への親愛の表情と良妻のような少し控えめな態度に、クラスメートはドッキリだと横島がネタばらしするのを望むだけである
「あっ……、あの……どちら様ですか?」
魔鈴が待ちに待った言葉をかけたのは、やはり愛子だった
人よりも長く生きる妖怪なだけにいち早く現実に戻ったらしい
「私、魔鈴めぐみと申します。 この度忠夫さんとGS事務所を開く事になりましたので、よろしくお願いします」
魔鈴が自己紹介でGSだと告げると、クラスメート達は少し安堵したようで空気が緩んでいく
モテない横島の彼女かとの疑惑があっただけに、関係が仕事上のものかもしれないと聞いただけでホッとするらしい
「新しい雇い主?」
「いえ、共同経営の予定ですよ。 恋人ですから」
遠慮がちに尋ねた愛子に魔鈴は遠慮なく恋人だと言い切るその瞬間、クラスメートの男達は真っ白になり茫然としてしまう
当の横島が何の事かさっぱりわからないで首を傾げる中、教室内に現れたのは普段よりも少しだけ綺麗に着飾った魔鈴である
長い髪を下ろし嫌みでない程度のオシャレをした魔鈴の美しい容姿に、騒然としていたクラスや廊下は鎮まり返ってしまう
「ああ……、ありがとう」
予想外の魔鈴の行動に、横島はその意味を理解出来ずに不思議そうに魔鈴を見つめるしか出来ない
さて何故魔鈴が学校に現れたのかと言えば、それは今朝まで遡る
朝食と一緒に横島の弁当も作っていた魔鈴だが、かつての横島の学校生活を考えると不安があった
(せっかく過去を乗り越えた忠夫さんが、再びトラウマを呼び起こさせる事にならねばいいのですが……)
高校卒業から約九年が過ぎてようやく高校時代のトラウマを乗り越えた現在の横島が、再び高校に通う事に魔鈴は言葉に出来ない不安を抱えていた
それに変に過去と同じ道化を演じれば、また横島のストレスにしかならないのだ
(かと言って今の忠夫さんですと普通にモテる可能性も……)
無理に過去と同じく演じれる必要があるか疑問な魔鈴だが、かと言って今の横島だと普通にモテる可能性が十分にある
かつて愛子から高校時代の横島の話を聞た事がある魔鈴は、横島が知らない場所で結構人気だった事実を知っていた
魔鈴としては夫が極端にモテないのもモテるのも、どちらも困るのだ
(やはり私がアピールしなくてはなりませんね)
横島の立場や可能性を考慮した魔鈴は、出来上がった弁当をわざと渡さずに横島を送り出していた
全ては自分が合法的に学校へ顔を出す為に……
魔鈴と言う恋人が居れば横島の学校での扱いはモテない変人から変わるだろうし、後に横島がモテるようになってもちょうどいい抑止力になるだろうと考えたのである
さて時は教室に戻るが、教室内は相変わらず鎮まり返っていた
見知らぬ美人が横島に手作り弁当を手渡すのだから、クラスメート達には相当なショックだったようである
「ごめんなさいね。 お弁当を手渡すのを忘れてしまいました」
申し訳なさそうに横島に謝る魔鈴に、周りは固まったまま現実を受け止めきれないでいた
しかし魔鈴の行動が理解出来ないのは横島も同じである
まさか過去に来て学校に登校した初日に魔鈴が来るなど、予想も出来なかったのだろう
「タイガーさんでしたよね? 昨日はお疲れ様でした。 小笠原さんによろしくお伝えください」
最早教室内は魔鈴の独壇場だった
横島への親愛の表情と良妻のような少し控えめな態度に、クラスメートはドッキリだと横島がネタばらしするのを望むだけである
「あっ……、あの……どちら様ですか?」
魔鈴が待ちに待った言葉をかけたのは、やはり愛子だった
人よりも長く生きる妖怪なだけにいち早く現実に戻ったらしい
「私、魔鈴めぐみと申します。 この度忠夫さんとGS事務所を開く事になりましたので、よろしくお願いします」
魔鈴が自己紹介でGSだと告げると、クラスメート達は少し安堵したようで空気が緩んでいく
モテない横島の彼女かとの疑惑があっただけに、関係が仕事上のものかもしれないと聞いただけでホッとするらしい
「新しい雇い主?」
「いえ、共同経営の予定ですよ。 恋人ですから」
遠慮がちに尋ねた愛子に魔鈴は遠慮なく恋人だと言い切るその瞬間、クラスメートの男達は真っ白になり茫然としてしまう