GS試験再び!?
雪之丞がメドーサの関係を自分から切るきっかけになるこの戦いだけは、阻止する訳にはいかなかった
「ピート、ちょっと聞いて欲しい話があるの」
ピートが横島に何かを話そうとした瞬間にミカ・レイ姿の令子が現れて、ピートに唐巣が魔物に襲われたと嘘の事件をでっちあげる
(確かにピートの性格を考えて本来の力を出させるには何かきっかけが必要なんだけど……、あれじゃ冷静さを失わせるだけじゃないか?)
真面目な顔で本当の事のように嘘をつく令子を横島は無表情で見ていた
ピート迷いや苦悩は吸血鬼と人間のハーフな事が根本的な原因なのだ
それがいかに根が深いかは、横島もよく理解している
はっきり言うと令子の嘘は、ピートを惑わすだけだと横島は思う
(美神さんはその場の勢いで結構迂闊な事しちゃうからな)
怒り心頭なピートに満足げな令子に、横島は言葉に出来ない苛立ちを感じる
ピートの潜在能力を出させる考え方はいいのだが、人の心をまるで考えない迂闊な行動には呆れるしかない
(まあ、昔の俺も同じくらい自分勝手だったけどな)
令子への苛立ちはかつての自分への苛立ちと変わっていく
過去の事とはいえ、横島は自分の身勝手過ぎる部分が嫌になる気がした
(悪いな、ピート。 埋め合わせは必ずするよ)
歴史を知るがゆえに行動に悩む横島は、ピートと雪之丞が無事にこの試合を終える事を祈るしか出来なかった
それからピート対雪之丞の試合が始まるが、結果はやはりピートの負けでおわる
未来の歴史と同じく途中でピートは吸血鬼の魔力を解放するが、やはり勘九朗の介入により一瞬の隙が出来たピートは雪之丞に負けてしまったのだ
「俺はもう貴様らを仲間だとは思わん!」
そして介入された事に気付いた雪之丞は、怒りのままに決別を告げて勘九朗から離れていく
「雪之丞をここへ送り込むはずが、とんだ事になっちゃったわね」
一方医務室では令子・エミ・唐巣・タイガー・おキヌ達が集まり、ピートの様子を見ながら作戦の変更を話し合っていた
「大丈夫~、二・三日もすれば気が付くわ~」
「ここだけ他のキズと違うわ。 雪之丞の攻撃とは質が違うダメージ……」
冥子の式神であるショウトラがヒーリングをする中、エミは足に出来た真新しいキズに注目する
ピートの試合を全て見ていたエミは、ピートが足ダメージを受けた場面など見てない
確証はないが、何らかの妨害があったと勘繰ってしまう
「反則!? まさか……」
「鎌田勘九朗という男の仕業じゃよ」
ピートの試合で反則があったかもしれないと唐巣が動揺する中、入り口から入って来たのはカオスとマリアだった
「カオス!? あんた何でここに?」
カオスが勝ち残っている事は令子達も知っていたが、今回は役に立たなそうなので事情を知らないはずなのだ
それにも関わらず突然現れ話に入って来た事に、さすがの令子も驚きを隠せない
「神族と魔族が観客席に並んでおれば馬鹿でも気付くわい。 それに反則する瞬間をマリアが偶然記録したゆえな。 邪魔なら帰るが?」
それは以前のボケた感じがまるでないカオスだった
同じ人物なはずなのに余りに違う雰囲気に令子達は唖然としてしまう
「ピート、ちょっと聞いて欲しい話があるの」
ピートが横島に何かを話そうとした瞬間にミカ・レイ姿の令子が現れて、ピートに唐巣が魔物に襲われたと嘘の事件をでっちあげる
(確かにピートの性格を考えて本来の力を出させるには何かきっかけが必要なんだけど……、あれじゃ冷静さを失わせるだけじゃないか?)
真面目な顔で本当の事のように嘘をつく令子を横島は無表情で見ていた
ピート迷いや苦悩は吸血鬼と人間のハーフな事が根本的な原因なのだ
それがいかに根が深いかは、横島もよく理解している
はっきり言うと令子の嘘は、ピートを惑わすだけだと横島は思う
(美神さんはその場の勢いで結構迂闊な事しちゃうからな)
怒り心頭なピートに満足げな令子に、横島は言葉に出来ない苛立ちを感じる
ピートの潜在能力を出させる考え方はいいのだが、人の心をまるで考えない迂闊な行動には呆れるしかない
(まあ、昔の俺も同じくらい自分勝手だったけどな)
令子への苛立ちはかつての自分への苛立ちと変わっていく
過去の事とはいえ、横島は自分の身勝手過ぎる部分が嫌になる気がした
(悪いな、ピート。 埋め合わせは必ずするよ)
歴史を知るがゆえに行動に悩む横島は、ピートと雪之丞が無事にこの試合を終える事を祈るしか出来なかった
それからピート対雪之丞の試合が始まるが、結果はやはりピートの負けでおわる
未来の歴史と同じく途中でピートは吸血鬼の魔力を解放するが、やはり勘九朗の介入により一瞬の隙が出来たピートは雪之丞に負けてしまったのだ
「俺はもう貴様らを仲間だとは思わん!」
そして介入された事に気付いた雪之丞は、怒りのままに決別を告げて勘九朗から離れていく
「雪之丞をここへ送り込むはずが、とんだ事になっちゃったわね」
一方医務室では令子・エミ・唐巣・タイガー・おキヌ達が集まり、ピートの様子を見ながら作戦の変更を話し合っていた
「大丈夫~、二・三日もすれば気が付くわ~」
「ここだけ他のキズと違うわ。 雪之丞の攻撃とは質が違うダメージ……」
冥子の式神であるショウトラがヒーリングをする中、エミは足に出来た真新しいキズに注目する
ピートの試合を全て見ていたエミは、ピートが足ダメージを受けた場面など見てない
確証はないが、何らかの妨害があったと勘繰ってしまう
「反則!? まさか……」
「鎌田勘九朗という男の仕業じゃよ」
ピートの試合で反則があったかもしれないと唐巣が動揺する中、入り口から入って来たのはカオスとマリアだった
「カオス!? あんた何でここに?」
カオスが勝ち残っている事は令子達も知っていたが、今回は役に立たなそうなので事情を知らないはずなのだ
それにも関わらず突然現れ話に入って来た事に、さすがの令子も驚きを隠せない
「神族と魔族が観客席に並んでおれば馬鹿でも気付くわい。 それに反則する瞬間をマリアが偶然記録したゆえな。 邪魔なら帰るが?」
それは以前のボケた感じがまるでないカオスだった
同じ人物なはずなのに余りに違う雰囲気に令子達は唖然としてしまう