GS試験再び!?

「いいねぇ、あのボウヤ……」

「なっ! メドーサ!!」

僅かに考え込んでいた小竜姫に、メドーサは再び挑発するようなつぶやきを囁いていた

メドーサは小竜姫の精神を乱し遊んでいるだけなのだろうが、やはり小竜姫はまともに相手をしてしまう


「クズにしてはマシだね。 連れて帰ろうかしら?」

「横島さんが貴女などに着いていく訳がありません!」

「本当にそう言えるのかい? お前と美神令子を殺せば向こうから着いて来る気がするけど?」

「クッ……」

挑発するメドーサに小竜姫は怒りを抑えるので精一杯だった

本来ならこの場で誰よりも決着を付けたいのは小竜姫なのだから



「ちょっとあんた、さっきの攻撃はなんなのよ」

一方試合を終えた横島には令子が険しい表情で詰め寄っていた


「言われた通りに限界まで手の内を暴いたのだが、まずかったか?」

最後の霊波砲に言いたい事があるような令子に対し、心眼はたいした事でないように言い放つ

あの攻撃は、正直心眼にも判断が難しい攻撃だった

陰念を魔物に変えない為にはあのくらいの攻撃でなければ意味がないし、とっさに横島が陰念を助けようとしたのは仕方ない事である


「あんたね…… まあ、いいわ。 でもあれじゃ証言を取るのは無理ね。 他の二人のどっちかから証言を取りたいとこだわ」

最後の一撃は令子ですら寒気のする一撃だった

令子はあれが横島の実力なのか疑問を抱いているが、それをミカ・レイの姿で問いただす事はしないようだ

令子から見て心眼は令子の言った通りにしただけだし、仕方ないと感じる


(チッ! あんなに簡単に勝てるなら、意識があるように勝たせるんだったわ)

横島の戦い方や実力には様々な疑問があるが、それよりもまずは勝ち方に注文を付けなかった事を令子は後悔していた

今のところ物理的な証拠はない為、確固たる証言が出ないと厳しいのだ


「令子ちょっと来て」

いろいろ考え込んでいた令子だが、エミに呼ばれて唐巣の元へと向かっていく

どうやら未来の歴史と近い現状になっているようである


「横島さーん!! 凄いじゃないですか! 資格を取った上に勝ち進むなんて!」

「サンキュー、おキヌちゃん」

「あれ……、やっぱり横島さんなんか感じが変わりましたね」

令子が去り一人になった横島におキヌは嬉しそうに近寄って来るが、横島の反応が以前と違う事に気付く


「そっか? 俺も現状が信じられんからな」

様子を伺うようなおキヌに、横島は微妙に苦笑いを浮かべてごまかす

もう昔のような対応は横島自身出来ないし、令子にセクハラする気もない

突然変わった事を心配するようなおキヌに、横島は僅かに罪悪感を感じてしまう



一方令子・エミ・唐巣の三人がメドーサと白龍会への対応を話し合う中、ピート対雪之丞の試合が迫っていた


「あの伊達雪之丞ってヤツかなりヤバい相手だぞ。 あいつも恐らく危険な奥の手を持ってる」

「横島さん……」

試合前で緊張気味なピートに、横島は言える範囲で警告をする

この試合、雪之丞にとってターニングポイントになる試合なのだ

ピートには悪いが、メドーサの指示による勘九朗の介入は起きなくてはならない事だった

雪之丞の場合は元々強くなりたいだけなので遅かれ早かれメドーサから離れるだろうが、横島としては裏切り者となる事実は消したい



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