香港編
「可能か不可能かは別にしても、メドーサの計画とは微妙に違うと思うわよ。 天龍童子の暗殺とかGS試験への関与とか、メドーサの計画はそれなりに理由があったもの。 無差別の混乱を狙う理由が見えないわ」
カオスの指摘に話し合いは一気に緊張に包まれるが、令子がそれを否定するような意見を告げる。
そもそも令子はメドーサが無差別に快楽的に事件を起こしてるとは思ってない。
何かしらの理由と目的があって行動してると考えており、カオスが告げた無差別の混乱とは違うと考えていた。
「目的が混乱でないのは確かかもしれないが、目的の為に混乱が必要ならば話は変わる。 元始風水盤かは分からないがメドーサの計画に風水盤と地脈が関わるならば、今はそれを阻止する方向で考えた方がいいかもしれないね」
カオスに続き令子も意見を述べたことで結局は話の方向性が暗礁に乗り上げるが、唐巣が意見を纏めるようにメドーサ計画の風水術を阻止する方向で話を纏める。
正直ここまで来ると調査も重要だが、メドーサの計画がいつ始まるかも重要だった。
慎重になり過ぎて手遅れになってもダメだし、問題はいつ自分達が動くかの判断になっているのだが……。
「ところでさっきから黙ったままだけど、なんかあるワケ?」
話し合いが一段落すると、エミは終始無言だった魔鈴に話を振る。
ずっと何か考え込むような表情のまま無言の魔鈴を、エミのみならず令子や唐巣も気にしていたのだ。
「いえ、特には。 そもそも私はメドーサをよく知りませんから。 ただメドーサからすれば私達の行動はお見通しかなと……」
令子達の注目が集まる中で意見を口にする魔鈴だったが、特に話すことはなかった。
正直言えばこのメンバーで協力することが出来るのか不安なのだが、それは言えるはずもない。
そもそも令子達はGS試験や死津喪比女の一件で魔鈴を評価しているが、若干過大評価してる節もある。
未来では魔族に友人が居たので魔族を知らぬ訳ではないが、魔族との駆け引きや戦闘経験などほとんどないのだ。
ましてメドーサのように人間や神族と最前線で戦い続ける魔族との戦闘経験など全くない。
一応対メドーサ用の切り札は考えているが、それもどこまで通用するか未知数だった。
「そういえば、あんた対魔族の戦闘経験はあるの?」
「あのクラスの魔族との戦闘経験なんかありませんよ。 私は元々研究が主な分野ですから。 まあ人並みに修行は積みましたが」
死津喪比女の時に比べて大人しい魔鈴に令子は単刀直入に対魔族戦の経験を聞くが、魔鈴はあるはずもなく素直にそのまま答える。
最下級魔族ならば経験があってもおかしくはないが、知性があるほどの魔族ならば倒せば名前が知れて当然だった。
魔鈴の経歴にはそんな記録はないし魔鈴自身も経歴はない。
「研究者にしては実戦慣れてし過ぎてるワケ。 死津喪比女との接近戦は明らかに素人じゃなかったわよ」
「名前は教えられませんが、私には戦いの師が居ます。 あくまでも魔法のサポート程度ですが、修行は積みましたので」
令子に続きエミも何かと疑問が残ってる魔鈴の実力について尋ねるが、魔鈴は名前は言えないと言うものの戦いの師匠がいることを教える。
正直死津喪比女の時の魔鈴の動きはそれだけ修練を積んだ動きだったのだ。
(言える訳ないよな。 めぐみの戦闘技術の師匠って小竜姫様だし……)
魔鈴が師匠の名を隠したことで令子とエミは何か秘密があるのかと考え込むが、横島は言えない理由を知る故に顔に出ないように必死だった。
そもそもイギリスでGS試験を受けて師匠が居ない魔鈴が、万が一を考えて師事したのは未来でよく遊びに行っていた妙神山の小竜姫なのだ。
魔鈴の才能や可能性を見極め九年近く導いていたのが、まさか未来の小竜姫だとは言えるはずがなかった。
カオスの指摘に話し合いは一気に緊張に包まれるが、令子がそれを否定するような意見を告げる。
そもそも令子はメドーサが無差別に快楽的に事件を起こしてるとは思ってない。
何かしらの理由と目的があって行動してると考えており、カオスが告げた無差別の混乱とは違うと考えていた。
「目的が混乱でないのは確かかもしれないが、目的の為に混乱が必要ならば話は変わる。 元始風水盤かは分からないがメドーサの計画に風水盤と地脈が関わるならば、今はそれを阻止する方向で考えた方がいいかもしれないね」
カオスに続き令子も意見を述べたことで結局は話の方向性が暗礁に乗り上げるが、唐巣が意見を纏めるようにメドーサ計画の風水術を阻止する方向で話を纏める。
正直ここまで来ると調査も重要だが、メドーサの計画がいつ始まるかも重要だった。
慎重になり過ぎて手遅れになってもダメだし、問題はいつ自分達が動くかの判断になっているのだが……。
「ところでさっきから黙ったままだけど、なんかあるワケ?」
話し合いが一段落すると、エミは終始無言だった魔鈴に話を振る。
ずっと何か考え込むような表情のまま無言の魔鈴を、エミのみならず令子や唐巣も気にしていたのだ。
「いえ、特には。 そもそも私はメドーサをよく知りませんから。 ただメドーサからすれば私達の行動はお見通しかなと……」
令子達の注目が集まる中で意見を口にする魔鈴だったが、特に話すことはなかった。
正直言えばこのメンバーで協力することが出来るのか不安なのだが、それは言えるはずもない。
そもそも令子達はGS試験や死津喪比女の一件で魔鈴を評価しているが、若干過大評価してる節もある。
未来では魔族に友人が居たので魔族を知らぬ訳ではないが、魔族との駆け引きや戦闘経験などほとんどないのだ。
ましてメドーサのように人間や神族と最前線で戦い続ける魔族との戦闘経験など全くない。
一応対メドーサ用の切り札は考えているが、それもどこまで通用するか未知数だった。
「そういえば、あんた対魔族の戦闘経験はあるの?」
「あのクラスの魔族との戦闘経験なんかありませんよ。 私は元々研究が主な分野ですから。 まあ人並みに修行は積みましたが」
死津喪比女の時に比べて大人しい魔鈴に令子は単刀直入に対魔族戦の経験を聞くが、魔鈴はあるはずもなく素直にそのまま答える。
最下級魔族ならば経験があってもおかしくはないが、知性があるほどの魔族ならば倒せば名前が知れて当然だった。
魔鈴の経歴にはそんな記録はないし魔鈴自身も経歴はない。
「研究者にしては実戦慣れてし過ぎてるワケ。 死津喪比女との接近戦は明らかに素人じゃなかったわよ」
「名前は教えられませんが、私には戦いの師が居ます。 あくまでも魔法のサポート程度ですが、修行は積みましたので」
令子に続きエミも何かと疑問が残ってる魔鈴の実力について尋ねるが、魔鈴は名前は言えないと言うものの戦いの師匠がいることを教える。
正直死津喪比女の時の魔鈴の動きはそれだけ修練を積んだ動きだったのだ。
(言える訳ないよな。 めぐみの戦闘技術の師匠って小竜姫様だし……)
魔鈴が師匠の名を隠したことで令子とエミは何か秘密があるのかと考え込むが、横島は言えない理由を知る故に顔に出ないように必死だった。
そもそもイギリスでGS試験を受けて師匠が居ない魔鈴が、万が一を考えて師事したのは未来でよく遊びに行っていた妙神山の小竜姫なのだ。
魔鈴の才能や可能性を見極め九年近く導いていたのが、まさか未来の小竜姫だとは言えるはずがなかった。