さて無事に霊障を解決した魔鈴だったが、そのことで横島の学校では魔鈴が再び注目を集めることになる

相談者だった女子が数名の友人に話したことが広まった原因らしいが、そのうち学校の誰かが魔鈴の過去が乗ってる新聞記事を偶然見つけ騒いだのだ

それは魔鈴がイギリス時代に失われた魔法のほうきの製造魔法を復元した時の記事だったのだが、【現代の魔女】という肩書が使われ始めた頃の記事だった

記事自体は社会面の片隅におまけのように書かれた記事なのだが、それを境に現代の魔女としての魔鈴の功績を調べた者が居たのである


「本当に凄い人だったのねー　ただ者じゃないと思ってたけど……」

「欧米のオカルト業界ではかなり有名ですよ。　どちらかといえばオカルト研究家として有名なんですけど」

そんな魔鈴の過去の功績が横島のクラスにも知れ渡ると、女子を中心に話題になっていた

詳しく聞かれる横島があまり話さない代わりに聞かれたピートが魔鈴の一般的な評価というか評判を軽く話すと、女子達は納得したような不思議なような様々な反応をする

魔鈴の実力や知名度はある程度納得するが、正直そんな魔鈴が何故横島と付き合うことになったか疑問に感じる者も少なくない

別に不釣り合いだとまでは考えないが、何かと不器用で誤解されやすい横島と魔鈴が知り合い付き合うまで発展したのはやはり不思議なようだ


「前に来た美神さんとどっちが凄いの？」

「それは僕には……　ただ日本でＧＳとして有名なのは美神さんですが、世界的に見るとオカルト研究家としての魔鈴さんの方が有名ですよ」

分からないと言ってあまり語らない横島の代わりに質問責めに合うピートは、出来るだけ当たり障りのない答えに終始する

女子の多くはＧＳとして有名であり以前に学校に来た令子と比べたがるが、ピートとしては一概にどちらが凄いとは言えないことだった

正直ピートにもよく分からないと言った方が正しいのだろう


「魔法のほうきって一度乗ってみたいわ」

「魔法のほうきなら横島サンが乗ってたですケン」

ほうきで空を飛び悪霊と戦う魔鈴をイメージして騒ぐ女子達に、イマイチ空気が読めないタイガーは余計なことを口にする

そんなタイガーの一言で分からないと言って逃げていた横島に再び注目が集まっていく


「確かに魔法のほうきはあるけど、あれは霊力がないと乗れんぞ。　作り方は知らん」

余計なことをばらしたタイガーに内心ため息をついた横島は当たり障りのない説明をするが、女子達は現物が見たいとか乗ってみたいとか賑やかに騒いでいた

横島は適当な言い訳をしてかわすが、女子達のパワーにどんどん押されていく


「お札なら見せるからこれで我慢しろ」

「横島君なんでお札持ってるの？」

「護身用だよ。　お札くらいなら邪魔にならんしな」

結局魔法のほうきが見たいと騒ぐ女子達に、横島はお札を見たてごまかすしかなかった