スリーピング・ビューティー!!
その後おキヌはしばらく一人で考えたいといいその場に残り、横島は氷室家へと戻っていく
氷室家の墓と刻まれた姫と道士の墓の前でおキヌはしばらく考え込むことになる
「なにらしくない事言ってんのよ」
一方氷室家へ戻ろうとした横島は、おキヌを心配して隠れて覗いていた令子を見つけていた
何処か不機嫌そうに横島を睨む姿は相変わらずだが、僅かにホッとした表情も見て取れる
「素直に生きて欲しいって思っただけっすよ。 おキヌちゃんには幸せになって欲しいっすからね」
睨む令子に苦笑いを浮かべた横島は一言だけ答えて離れていくが、令子は何か違和感を感じずには居られなかった
(いったい何があったの? 本当にらしくないわ。 人間そう簡単には変われないものなのに)
おキヌと話していた横島は、まるで別人かと思うほど以前はしなかったような大人の表情を見せている
あの横島に何があればここまで変わるのか令子は気になるのだが、今はそれよりもおキヌの方が大事だと視線をおキヌに戻していた
「お前ら人の家の庭で何やってんだ?」
横島が氷室家に戻ると雪之丞・ピート・タイガーの三人が試合形式で手合わせしている
こんな山に来てまで修行する三人に横島は半ば呆れたような表情を浮かべていた
「お前もやるか?」
「今日は疲れたから勘弁してくれ」
横島の姿を見るなり一勝負したいと顔に出ていた雪之丞だったが、横島本人は即座に断ってしまう
ただでさえいろいろ疑われているのに雪之丞とガチで勝負などしたら余計な質問が飛んで来そうだった
「ところでおたくのアレは霊波刀かしら?」
雪之丞達の修行から逃げ出した横島は魔鈴の元に戻っていたが、魔鈴は唐巣とエミと三人で縁側で雪之丞達の修行を見ているところだった
しかし今度は戻って来て早々にエミに質問をされてしまう
「らしいっすね。 俺もなんで霊波刀が出来たのか知らないですけど」
「霊力の物質化は簡単じゃないワケ。 霊力に目覚めたばかりのガキが使えるものじゃないのよ」
よく分からないと煙に巻く横島だったが、エミは霊波刀は霊力に目覚めた素人が使える技ではないと言い切る
まあ神通棍のような媒介を使わなくて直接攻撃出来る霊波刀などの物質化は、シンプルだが奥が深く使い方次第では様々な応用が可能なのはGSでは常識だった
エミは横島がすでにそんな能力を開花させた事実に驚きを隠せないようである
「小竜姫様がわざわざ心眼という神器を与えた理由が分かるね。 君の才能は素晴らしいが同時にあまりに急激な変化には危うさも感じてしまう」
驚きという意味では唐巣もエミと同じなのだが、小竜姫の存在が横島の変化を認めさせる原因になっている
小竜姫の与えた心眼により霊能力を開花させ急激に成長しているように見えるだけに、唐巣は横島が高い才能で潰れたりしないように小竜姫が心眼を授けたと微妙に勘違いしていた
常識では考えにくい成長なのだが、小竜姫ならば可能ではと彼らは納得してしまう
後で小竜姫には怒られそうな気もするが、横島はその誤解を解くつもりは全くなかった
氷室家の墓と刻まれた姫と道士の墓の前でおキヌはしばらく考え込むことになる
「なにらしくない事言ってんのよ」
一方氷室家へ戻ろうとした横島は、おキヌを心配して隠れて覗いていた令子を見つけていた
何処か不機嫌そうに横島を睨む姿は相変わらずだが、僅かにホッとした表情も見て取れる
「素直に生きて欲しいって思っただけっすよ。 おキヌちゃんには幸せになって欲しいっすからね」
睨む令子に苦笑いを浮かべた横島は一言だけ答えて離れていくが、令子は何か違和感を感じずには居られなかった
(いったい何があったの? 本当にらしくないわ。 人間そう簡単には変われないものなのに)
おキヌと話していた横島は、まるで別人かと思うほど以前はしなかったような大人の表情を見せている
あの横島に何があればここまで変わるのか令子は気になるのだが、今はそれよりもおキヌの方が大事だと視線をおキヌに戻していた
「お前ら人の家の庭で何やってんだ?」
横島が氷室家に戻ると雪之丞・ピート・タイガーの三人が試合形式で手合わせしている
こんな山に来てまで修行する三人に横島は半ば呆れたような表情を浮かべていた
「お前もやるか?」
「今日は疲れたから勘弁してくれ」
横島の姿を見るなり一勝負したいと顔に出ていた雪之丞だったが、横島本人は即座に断ってしまう
ただでさえいろいろ疑われているのに雪之丞とガチで勝負などしたら余計な質問が飛んで来そうだった
「ところでおたくのアレは霊波刀かしら?」
雪之丞達の修行から逃げ出した横島は魔鈴の元に戻っていたが、魔鈴は唐巣とエミと三人で縁側で雪之丞達の修行を見ているところだった
しかし今度は戻って来て早々にエミに質問をされてしまう
「らしいっすね。 俺もなんで霊波刀が出来たのか知らないですけど」
「霊力の物質化は簡単じゃないワケ。 霊力に目覚めたばかりのガキが使えるものじゃないのよ」
よく分からないと煙に巻く横島だったが、エミは霊波刀は霊力に目覚めた素人が使える技ではないと言い切る
まあ神通棍のような媒介を使わなくて直接攻撃出来る霊波刀などの物質化は、シンプルだが奥が深く使い方次第では様々な応用が可能なのはGSでは常識だった
エミは横島がすでにそんな能力を開花させた事実に驚きを隠せないようである
「小竜姫様がわざわざ心眼という神器を与えた理由が分かるね。 君の才能は素晴らしいが同時にあまりに急激な変化には危うさも感じてしまう」
驚きという意味では唐巣もエミと同じなのだが、小竜姫の存在が横島の変化を認めさせる原因になっている
小竜姫の与えた心眼により霊能力を開花させ急激に成長しているように見えるだけに、唐巣は横島が高い才能で潰れたりしないように小竜姫が心眼を授けたと微妙に勘違いしていた
常識では考えにくい成長なのだが、小竜姫ならば可能ではと彼らは納得してしまう
後で小竜姫には怒られそうな気もするが、横島はその誤解を解くつもりは全くなかった