スリーピング・ビューティー!!
「私……、美神さんや横島さんに会ってからの記憶を無くしたくないんです。 とっても楽しかった思い出ばっかりだから…… だから……」
唐巣達には言えなかった苦悩をおキヌは何故か横島には言えてしまった
おキヌにとって何より怖いのは記憶を無くすことだったのだ
無論生き返る不安や恐怖はあるが、それよりも大切な想いを無くしたくない
「今思えば凄い出会いだったな。 いきなり突き飛ばされてさ」
「えっ……、あれは……ごめんなさい」
今にも泣き出しそうなおキヌに対し横島は何故かクスッと笑ってしまい、出会った時の話を語り出していた
自分の話と関係ないような横島の話におキヌはちょっと違和感を感じたが、あの時を思い出すと今でも申し訳なく思ってしまうらしい
「いや責めてる訳じゃないんだ。 ただ凄い出会いだったなって思ってさ。 それにいろいろ思い出すと凄まじい思い出ばっかりだなって思うんだわ」
この時代の記憶と未来の記憶が混じり合ってる横島は僅かに複雑な表情を見せるが、それでもこの時代のおキヌには世話になった恩はあれど蟠りはない
少ないお金でご飯を作ってくれたことや掃除や洗濯までしてくれた恩を横島は忘れれたことはなかった
込み上げて来る感情が大きいのは、やはりこの時代の自分の感情もあるからなのかもしれないと横島は思う
二つの時代を次々に思い出していた横島は、今までおキヌが見たことないほど大人の表情をしている
おキヌがそんな横島に再び言葉を失う中、横島は何かを決心したかのようにしっかりとおキヌを見つめていた
「記憶ってさ、思い出せないことはあっても無くなることはないと思う。 ましておキヌちゃんの記憶は魂の記憶なんだしな」
今だかつてこれほど真剣な横島を見たことないおキヌは、驚きと戸惑いの中で横島を見つめている
確かに横島に変わりはないのだが、何かが変わったと感じていた
「もし思い出せなかったら、またみんなで思い出せるように考えるってのもアリだと思うぞ。 方法見つからないなら小竜姫様に頼んだっていい。 きっと思い出せる道はあると思う」
優しく穏やかに語る横島の瞳はおキヌがよく知る横島そのものだった
変わった部分と変わらぬ部分に寂しいような嬉しいような複雑な感情が込み上げて来るおキヌに、横島の話は染み込むように届いている
「三百年頑張ったんだ。 きっと上手くいくし記憶も思い出せるよ。 生きてくれおキヌちゃん。 おキヌちゃんが生き返って、ようやく死津喪比女の事件が終わるんだ」
この一言を言うべきか横島は随分悩んでいた
おキヌに自分で決めさせたいとずっと考えていただけに、自分が生き返ることを望むような言葉を言うべきなのかずっと悩んでいたのだ
結局横島はおキヌに生きて欲しいと告げる道を選んでいた
それは過去を改変した横島のある決意の篭った言葉である
あるべき歴史を変える以上、最低限自分の手の届く範囲は責任を持たねばならないとの強い決意だった
未来と同じように記憶を取り戻すように、横島が責任持って手を差し延べなければならないとの決意の一言だった
唐巣達には言えなかった苦悩をおキヌは何故か横島には言えてしまった
おキヌにとって何より怖いのは記憶を無くすことだったのだ
無論生き返る不安や恐怖はあるが、それよりも大切な想いを無くしたくない
「今思えば凄い出会いだったな。 いきなり突き飛ばされてさ」
「えっ……、あれは……ごめんなさい」
今にも泣き出しそうなおキヌに対し横島は何故かクスッと笑ってしまい、出会った時の話を語り出していた
自分の話と関係ないような横島の話におキヌはちょっと違和感を感じたが、あの時を思い出すと今でも申し訳なく思ってしまうらしい
「いや責めてる訳じゃないんだ。 ただ凄い出会いだったなって思ってさ。 それにいろいろ思い出すと凄まじい思い出ばっかりだなって思うんだわ」
この時代の記憶と未来の記憶が混じり合ってる横島は僅かに複雑な表情を見せるが、それでもこの時代のおキヌには世話になった恩はあれど蟠りはない
少ないお金でご飯を作ってくれたことや掃除や洗濯までしてくれた恩を横島は忘れれたことはなかった
込み上げて来る感情が大きいのは、やはりこの時代の自分の感情もあるからなのかもしれないと横島は思う
二つの時代を次々に思い出していた横島は、今までおキヌが見たことないほど大人の表情をしている
おキヌがそんな横島に再び言葉を失う中、横島は何かを決心したかのようにしっかりとおキヌを見つめていた
「記憶ってさ、思い出せないことはあっても無くなることはないと思う。 ましておキヌちゃんの記憶は魂の記憶なんだしな」
今だかつてこれほど真剣な横島を見たことないおキヌは、驚きと戸惑いの中で横島を見つめている
確かに横島に変わりはないのだが、何かが変わったと感じていた
「もし思い出せなかったら、またみんなで思い出せるように考えるってのもアリだと思うぞ。 方法見つからないなら小竜姫様に頼んだっていい。 きっと思い出せる道はあると思う」
優しく穏やかに語る横島の瞳はおキヌがよく知る横島そのものだった
変わった部分と変わらぬ部分に寂しいような嬉しいような複雑な感情が込み上げて来るおキヌに、横島の話は染み込むように届いている
「三百年頑張ったんだ。 きっと上手くいくし記憶も思い出せるよ。 生きてくれおキヌちゃん。 おキヌちゃんが生き返って、ようやく死津喪比女の事件が終わるんだ」
この一言を言うべきか横島は随分悩んでいた
おキヌに自分で決めさせたいとずっと考えていただけに、自分が生き返ることを望むような言葉を言うべきなのかずっと悩んでいたのだ
結局横島はおキヌに生きて欲しいと告げる道を選んでいた
それは過去を改変した横島のある決意の篭った言葉である
あるべき歴史を変える以上、最低限自分の手の届く範囲は責任を持たねばならないとの強い決意だった
未来と同じように記憶を取り戻すように、横島が責任持って手を差し延べなければならないとの決意の一言だった