スリーピング・ビューティー!!
「時間移動がなんで禁断の能力なのかがよく分かるな。 良かれと思ってやった事がいい結果になるとは限らない。 本来の歴史だと成功するだけに結果を見るのが恐ろしいな」
未来を知ることは当然利点もあれば欠点もある
本来の歴史では結果上手くいくだけに、横島や魔鈴の介入で失敗すれば取り返しのつかないことになるのだ
「あの人よく時間移動で事件に介入なんか出来たな」
歴史を知る欠点と言うか難しさにプレッシャーを感じる横島は、同じ時間移動により未来を勝ち取った美智恵の凄さを改めて痛感する
博打なんて軽いものではなく、世界の行く末を揺るがすほどの行動をして平然と出来ていた美智恵の強さが恐ろしく感じてしまう
「彼女もプレッシャーは相当あっただろう。 だが恐らく今のお前ほどプレッシャーは感じて無かったと思う。 お前は手を伸ばし過ぎだからな。 守りたいモノ全てを守ろうとしている。 だが彼女は娘の命一つだけに絞ったのだろう。 故に未来を勝ち取れたのだと思う」
あくまでも心眼の推測だが、横島と美智恵の一番の違いは守りたいモノの数である
美智恵がどこまで何を変えたのかは本人にしか分からない事だが、目的を令子の命一つに絞ったのだというのが心眼の考えだった
普通に考えるとそうでもしない限りは一人で歴史を変えるなど不可能なのだ
そもそも現在の横島は無能ではないし美智恵に勝る部分もある
しかし横島が美智恵に圧倒的に負けるのは経験と精神力だろう
極論だが美智恵は令子の為には犠牲をいとわないが、横島はルシオラの為に他の何かを犠牲には出来ない可能性が高い
弱肉強食の世界でその甘さは横島の致命的な欠点であった
「魔鈴さんやタマモに会う前だったら、きっと俺は世界を犠牲にしてもルシオラを求めたと思う」
心眼の話す内容は横島自身この十年何度も何度も考えたことである
もしもう一度あの選択を迫られたら自分はどうするのだろうと……
二度とないはずのその選択が再び横島の手に転がり込む可能性があることが、運命なのか偶然なのか誰にも分からないが
「おぬしの求める答えは私にも分からないが、もう少し自分を信じた方がいい。 お前ほど経験を積んだ人間はこの時代には居ないし、あれから十年お前はよく頑張っていたのだからな」
悩みがどんどん深まっていく横島に、心眼はかつて自身が未来で最後に語った言葉を再び横島に語っていた
魔鈴のおかげて現在はかつての横島ほど自己不信は強くはないが、それでも自分を信じきることは今だに出来てない
特にオカルト関係では横島の自分の力への不信感は相変わらずだった
「自分を信じろか……」
心眼の言葉に横島は何故か笑ってしまいそうになる
かつてその言葉を言われた時、この世で自分ほど信じられないものはないと本気で言い切っていたのだから……
「お前が信じなくて誰が信じるのだ。 それに本来はどんなに悩み苦しんでも過去はやり直せないのだぞ。 神が与えたチャンスだと思えばいい」
「神様か~ 小竜姫様ならまだしもヒャクメだったら逆に不安だよ」
いつの間にか横島はいつもの調子を取り戻していた
自分を信じることが出来たのかは不明だが、自分が弱気になってもダメだと気持ちの切替は出来たようである
結局最善を尽くすしかないという、当然の結論に気付いたのかもしれない
未来を知ることは当然利点もあれば欠点もある
本来の歴史では結果上手くいくだけに、横島や魔鈴の介入で失敗すれば取り返しのつかないことになるのだ
「あの人よく時間移動で事件に介入なんか出来たな」
歴史を知る欠点と言うか難しさにプレッシャーを感じる横島は、同じ時間移動により未来を勝ち取った美智恵の凄さを改めて痛感する
博打なんて軽いものではなく、世界の行く末を揺るがすほどの行動をして平然と出来ていた美智恵の強さが恐ろしく感じてしまう
「彼女もプレッシャーは相当あっただろう。 だが恐らく今のお前ほどプレッシャーは感じて無かったと思う。 お前は手を伸ばし過ぎだからな。 守りたいモノ全てを守ろうとしている。 だが彼女は娘の命一つだけに絞ったのだろう。 故に未来を勝ち取れたのだと思う」
あくまでも心眼の推測だが、横島と美智恵の一番の違いは守りたいモノの数である
美智恵がどこまで何を変えたのかは本人にしか分からない事だが、目的を令子の命一つに絞ったのだというのが心眼の考えだった
普通に考えるとそうでもしない限りは一人で歴史を変えるなど不可能なのだ
そもそも現在の横島は無能ではないし美智恵に勝る部分もある
しかし横島が美智恵に圧倒的に負けるのは経験と精神力だろう
極論だが美智恵は令子の為には犠牲をいとわないが、横島はルシオラの為に他の何かを犠牲には出来ない可能性が高い
弱肉強食の世界でその甘さは横島の致命的な欠点であった
「魔鈴さんやタマモに会う前だったら、きっと俺は世界を犠牲にしてもルシオラを求めたと思う」
心眼の話す内容は横島自身この十年何度も何度も考えたことである
もしもう一度あの選択を迫られたら自分はどうするのだろうと……
二度とないはずのその選択が再び横島の手に転がり込む可能性があることが、運命なのか偶然なのか誰にも分からないが
「おぬしの求める答えは私にも分からないが、もう少し自分を信じた方がいい。 お前ほど経験を積んだ人間はこの時代には居ないし、あれから十年お前はよく頑張っていたのだからな」
悩みがどんどん深まっていく横島に、心眼はかつて自身が未来で最後に語った言葉を再び横島に語っていた
魔鈴のおかげて現在はかつての横島ほど自己不信は強くはないが、それでも自分を信じきることは今だに出来てない
特にオカルト関係では横島の自分の力への不信感は相変わらずだった
「自分を信じろか……」
心眼の言葉に横島は何故か笑ってしまいそうになる
かつてその言葉を言われた時、この世で自分ほど信じられないものはないと本気で言い切っていたのだから……
「お前が信じなくて誰が信じるのだ。 それに本来はどんなに悩み苦しんでも過去はやり直せないのだぞ。 神が与えたチャンスだと思えばいい」
「神様か~ 小竜姫様ならまだしもヒャクメだったら逆に不安だよ」
いつの間にか横島はいつもの調子を取り戻していた
自分を信じることが出来たのかは不明だが、自分が弱気になってもダメだと気持ちの切替は出来たようである
結局最善を尽くすしかないという、当然の結論に気付いたのかもしれない