スリーピング・ビューティー!!
一方地上に二人だけで残された令子とおキヌは、無言のまま周囲の山々を見つめていた
何か話さなければいけないのは双方理解してるが、言葉が出て来ないのだ
「そういえばなんで美神さん達は此処に?」
沈黙を破ったのはおキヌだった
生き返れるかどうかで頭を悩ませるおキヌだったが、ふとした瞬間に何故令子達が此処に来ていたかを知らないことを気付いたのだ
「魔鈴が話を持って来たのよ。 おキヌちゃんの現状と過去が不自然だってね」
「魔鈴さんが……?」
事の始まりが魔鈴だと若干不機嫌そうに言う令子に、おキヌは不思議そうに首を傾げる
魔鈴とはGS試験の時とその後に一度会話しただけであり、まさか魔鈴が関わるとは思わなかったらしい
「多分横島クンからいろいろ聞いたんでしょうね。 それで魔鈴が勝手に調べた結果、死津喪比女の件がわかったらしいわ。 私もまさか生き返れるなんて思いもしなかったから、おキヌちゃんに言わないで倒しちゃおうと思ったのよね」
不思議そうに首を傾げるおキヌを見て、令子は思わず苦笑いを浮かべて笑い出してしまう
令子は魔鈴と一緒に除霊するなど絶対有り得ないとさえ考えていたし、今回の件もギリギリまで悩んだ結果なのだ
しかし全てが終わって見るとその結果がおキヌの未来を切り開いたのだから、本当に苦笑いしか出来なかった
令子自身は魔鈴が嫌いだし横島も許せない部分はあるが、失敗の代償がおキヌの未来だとは思いもしなかったのだ
もし仮に魔鈴を拒否していたらと考えると、おそらく今のように苦笑いも出なかっただろうと確信している
好き嫌いは別にして魔鈴と横島達が居なければ、おそらくエミの呪術を使う前に負けていた可能性が高いと理解していた
仮に負けなくても現状よりいい条件での勝利はないと考えている
「そうですか。 魔鈴さんが……」
突然現れて横島の恋人に収まってしまった魔鈴におキヌは複雑な想いも抱えてるが、自分の為に調べて動いてくれたことには感謝しかなかった
「恐らく魔鈴の疑問を聞いた横島クンがおキヌちゃんのこと心配したのよ。 それで調べたんだと思うわ」
魔鈴は令子や唐巣に自分の好奇心から調べたと語ったが、令子はその裏に横島が絡んでたのではないかと考えている
確かに魔鈴の好奇心もあったのだろうが、それだけでよく知りもしないおキヌの為にここまで動くのは少し動機が弱い気がしたのだ
結局横島がおキヌを心配したのを、魔鈴が助けたのだろうと令子は結論付けていた
「横島さん……」
おキヌは一言呟くと再び涙を流し始める
突然居なくなった横島が自分を心配して助けてくれた
その事実だけでおキヌは自分は本当に幸せなのだとしみじみ感じる
「おキヌちゃん、私は貴女に生きてほしいわ。 例え今の記憶を忘れても、また友達になればいいじゃない」
泣きじゃくるおキヌをそっと抱きしめた令子は静かに自分の想いを語っていく
失う恐怖はかつて母を失った令子もよく理解している
しかしそれでも令子はおキヌに生きてほしいと願ってやまない
何か話さなければいけないのは双方理解してるが、言葉が出て来ないのだ
「そういえばなんで美神さん達は此処に?」
沈黙を破ったのはおキヌだった
生き返れるかどうかで頭を悩ませるおキヌだったが、ふとした瞬間に何故令子達が此処に来ていたかを知らないことを気付いたのだ
「魔鈴が話を持って来たのよ。 おキヌちゃんの現状と過去が不自然だってね」
「魔鈴さんが……?」
事の始まりが魔鈴だと若干不機嫌そうに言う令子に、おキヌは不思議そうに首を傾げる
魔鈴とはGS試験の時とその後に一度会話しただけであり、まさか魔鈴が関わるとは思わなかったらしい
「多分横島クンからいろいろ聞いたんでしょうね。 それで魔鈴が勝手に調べた結果、死津喪比女の件がわかったらしいわ。 私もまさか生き返れるなんて思いもしなかったから、おキヌちゃんに言わないで倒しちゃおうと思ったのよね」
不思議そうに首を傾げるおキヌを見て、令子は思わず苦笑いを浮かべて笑い出してしまう
令子は魔鈴と一緒に除霊するなど絶対有り得ないとさえ考えていたし、今回の件もギリギリまで悩んだ結果なのだ
しかし全てが終わって見るとその結果がおキヌの未来を切り開いたのだから、本当に苦笑いしか出来なかった
令子自身は魔鈴が嫌いだし横島も許せない部分はあるが、失敗の代償がおキヌの未来だとは思いもしなかったのだ
もし仮に魔鈴を拒否していたらと考えると、おそらく今のように苦笑いも出なかっただろうと確信している
好き嫌いは別にして魔鈴と横島達が居なければ、おそらくエミの呪術を使う前に負けていた可能性が高いと理解していた
仮に負けなくても現状よりいい条件での勝利はないと考えている
「そうですか。 魔鈴さんが……」
突然現れて横島の恋人に収まってしまった魔鈴におキヌは複雑な想いも抱えてるが、自分の為に調べて動いてくれたことには感謝しかなかった
「恐らく魔鈴の疑問を聞いた横島クンがおキヌちゃんのこと心配したのよ。 それで調べたんだと思うわ」
魔鈴は令子や唐巣に自分の好奇心から調べたと語ったが、令子はその裏に横島が絡んでたのではないかと考えている
確かに魔鈴の好奇心もあったのだろうが、それだけでよく知りもしないおキヌの為にここまで動くのは少し動機が弱い気がしたのだ
結局横島がおキヌを心配したのを、魔鈴が助けたのだろうと令子は結論付けていた
「横島さん……」
おキヌは一言呟くと再び涙を流し始める
突然居なくなった横島が自分を心配して助けてくれた
その事実だけでおキヌは自分は本当に幸せなのだとしみじみ感じる
「おキヌちゃん、私は貴女に生きてほしいわ。 例え今の記憶を忘れても、また友達になればいいじゃない」
泣きじゃくるおキヌをそっと抱きしめた令子は静かに自分の想いを語っていく
失う恐怖はかつて母を失った令子もよく理解している
しかしそれでも令子はおキヌに生きてほしいと願ってやまない