GS試験再び!?

「馬鹿者、やり過ぎだ。 下手に霊力をコントロールし過ぎるな。 余計に目立ってしまったではないか?」

試合場の結界を出た横島に、心眼が呆れたようにダメ出しをする

まさか心眼もあそこまでするとは思わなかったようだ


「目立たないようにしたつもりなんだけどな……」

「やはり横島なのだな。 しっかりしたようで抜けている。 まあ、過ぎた事は仕方ない。 しかしあれ以上はやり過ぎるなよ。 流石に小竜姫様が来れば危ないぞ」

成長してしっかりした横島だが、変なところが抜けてるのは変わらないと心眼はつくづく感じる

そして未来において横島を守り支えていた魔鈴達が居ない現状が、横島にとっていかに危ういかも感じていた


(小竜姫様には嘘はつきたくないのだが……、仕方あるまい)

小竜姫の竜気により誕生した心眼は、産みの親とも言うべき小竜姫を騙す形になる事に罪悪感を感じてしまう

しかし心眼は横島の能力を引き出しサポートするのが役割なのだ

結果的に小竜姫の為にもなる事だと自分に言い聞かせるしかなかった

結局その日横島達は、全員一回戦を勝ち残り初日は終わる

令子は相変わらず横島に違和感を抱くが、今回の仕事がメドーサ絡みな為に現状では追求するつもりがないようだ



「そっちは収穫なしか…… 負けた受験生は論外ね。 ざっと試合は見てたけど、だいたい目星は付けておいたわ」

その日の夜、小竜姫・令子・唐巣の三人は今日の調べた結果を話し合うがまだ確かな何かは掴んでなかった

令子が受験生の力量を見極めてある程度予測しているため、明日それでわかるはずである


「ところであの心眼って、なんであんなに優秀なの? 一般的なGSのレベルを逸脱し過ぎてるわ」

一通り話し合いが終わった頃、令子は高性能過ぎる心眼について小竜姫を問いただそうとしていた

横島にあの心眼を授けてあれほど変わるなら、他の一般人や霊能者ならもっと変わるのではと考えたらしい


「心眼ですか? あれは横島さんの潜在能力を引き出しサポートするだけですよ。 優秀だと言うなら全て横島さんの能力のはずですが……」

真剣に問いただす令子を小竜姫は不思議そうに見つめる

確かに横島に才能を感じて心眼を授けたが、令子が問題視するほどの力を与えてないのだから


「えっ……!? なんか特別な力を授けたんじゃないの?」

「心眼ですからね。 心の目を開くのが基本です。 知識や技術は私の物を受け継いでますが、能力は横島さんの能力ですよ。 それほど凄かったのですか?」

本気で驚く令子に小竜姫は横島がどこまで変わったのか興味が沸いていた

横島に才能は感じていたが確証があった訳ではないし、まさか超一流の令子が気にするほどとは思ってない


「霊力値だけでもピートといい勝負よ。 しかも試合じゃ霊力の精密コントロールをしてたわ」

バンパイアハーフのピートは、霊力と魔力の二つの力を持っている

人よりも長い時を生きて来たピートは、霊力値だけでも一流と呼べるレベルだった

素人の横島がそれほどの霊力を放ち、霊力の精密コントロールをした事実に小竜姫と唐巣は言葉が出ない


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