番外編・横島君と魔鈴さんの休日
それからまずは横島のスーツを買うのだが、数件店をまわって結局無難な値段の物を購入していた
特に必要性がある訳でもないので、冠婚葬祭用に一着と他に二着の計三着を買って手直しを頼んで当初の目的の買い物は終わるが
この時点で時間は11時過ぎた頃で、微妙に中途半端な時間だった
「ちょっと早いですが、お昼に行きたい店があるんですがいいですか?」
「いいっすよ。 いつも通り任せます」
お昼の事など何も考えてなかった横島は、そのまま魔鈴の行きたいという店に向かう
普段は横島と魔鈴にタマモ・シロ・雪之丞などのメンバーで外食に行くが、基本的に店を選ぶのは魔鈴が決めていた
自身もレストランのオーナーシェフとして腕を振るう魔鈴は、食事にはこだわりを持っている
もちろんファーストフードやファミレスなどにも行く時はあるが、話題の店や新しい店の情報には敏感で時間があれば食べに行きたいようだ
そんな二人が今日来た店は、少し前に開店したばかりの鉄板焼きの店だった
店内は比較的落ち着いた雰囲気で、客層は若い人を中心に男性6割の女性が4割くらいだろうか
「ここの焼きそばが美味しいって雑誌で見たんですよ!」
カウンター席の端の方に並んで座る二人だが、魔鈴は目を輝かせてメニューを見ている
普段は大人な女性のイメージが強い魔鈴だが、こういう時は意外と子供っぽいところもあるようだ
「どうしましょう~ 美味しそうな料理がいっぱいありますよ」
メニュー見てあれが美味しそうだとかこれも美味しそうだとか横島に薦める魔鈴の姿は、普段とは違う可愛らしさがある
「横島さん?」
「何でもないっすよ。 じゃあ、俺は焼きそばとお好み焼きで……」
ぼうっとした様子で返事もなく見つめられた魔鈴は不思議そうに再度声をかけるが、横島は慌てて注文する料理を決める
まさか見惚れていたとは言えなかった
「横島さん達が来て以来、いつでも外食に行けていいですね♪」
あまり回数は多くはないが横島達が来て以来、外食に行きたい時に行ける事が魔鈴には非常に嬉しかった
もちろん魔鈴にも友人は居るがなかなか時間が合わないし、近くに居ないため外食はなかなか行けなかったようである
かと言って下心が見える男性の誘いに乗るほど魔鈴は軽い女ではなかった
結果的に外食に行きたい店は増えていくが、行けない状況だったのである
(魔鈴さんイキイキしてるな~)
目の前の料理人から視線を離さないで語る魔鈴の姿は、本当にイキイキしていた
嬉しそうに語る一方で、しっかりと盗める技術は盗もうとする姿はやはり一流の人間そのものだろう
横島にはそんな魔鈴の姿が眩しく見えていた
「美味いっすね!」
頼んだ焼きそばが出来上がり二人で食べるが、それは横島にも一味違うとわかるほど美味しかった
「これは……、ソースに何か隠し味のようなものが入ってますね」
さっきまで笑顔だった魔鈴の表情が少し真剣になる
好奇心からか隠し味が何なのか気になり出したようだった
ちなみにこんな時タマモやシロが居ると楽である
彼等の嗅覚や味覚は人間より数段優れているため、隠し味などをすぐに見抜けるのだ
特に必要性がある訳でもないので、冠婚葬祭用に一着と他に二着の計三着を買って手直しを頼んで当初の目的の買い物は終わるが
この時点で時間は11時過ぎた頃で、微妙に中途半端な時間だった
「ちょっと早いですが、お昼に行きたい店があるんですがいいですか?」
「いいっすよ。 いつも通り任せます」
お昼の事など何も考えてなかった横島は、そのまま魔鈴の行きたいという店に向かう
普段は横島と魔鈴にタマモ・シロ・雪之丞などのメンバーで外食に行くが、基本的に店を選ぶのは魔鈴が決めていた
自身もレストランのオーナーシェフとして腕を振るう魔鈴は、食事にはこだわりを持っている
もちろんファーストフードやファミレスなどにも行く時はあるが、話題の店や新しい店の情報には敏感で時間があれば食べに行きたいようだ
そんな二人が今日来た店は、少し前に開店したばかりの鉄板焼きの店だった
店内は比較的落ち着いた雰囲気で、客層は若い人を中心に男性6割の女性が4割くらいだろうか
「ここの焼きそばが美味しいって雑誌で見たんですよ!」
カウンター席の端の方に並んで座る二人だが、魔鈴は目を輝かせてメニューを見ている
普段は大人な女性のイメージが強い魔鈴だが、こういう時は意外と子供っぽいところもあるようだ
「どうしましょう~ 美味しそうな料理がいっぱいありますよ」
メニュー見てあれが美味しそうだとかこれも美味しそうだとか横島に薦める魔鈴の姿は、普段とは違う可愛らしさがある
「横島さん?」
「何でもないっすよ。 じゃあ、俺は焼きそばとお好み焼きで……」
ぼうっとした様子で返事もなく見つめられた魔鈴は不思議そうに再度声をかけるが、横島は慌てて注文する料理を決める
まさか見惚れていたとは言えなかった
「横島さん達が来て以来、いつでも外食に行けていいですね♪」
あまり回数は多くはないが横島達が来て以来、外食に行きたい時に行ける事が魔鈴には非常に嬉しかった
もちろん魔鈴にも友人は居るがなかなか時間が合わないし、近くに居ないため外食はなかなか行けなかったようである
かと言って下心が見える男性の誘いに乗るほど魔鈴は軽い女ではなかった
結果的に外食に行きたい店は増えていくが、行けない状況だったのである
(魔鈴さんイキイキしてるな~)
目の前の料理人から視線を離さないで語る魔鈴の姿は、本当にイキイキしていた
嬉しそうに語る一方で、しっかりと盗める技術は盗もうとする姿はやはり一流の人間そのものだろう
横島にはそんな魔鈴の姿が眩しく見えていた
「美味いっすね!」
頼んだ焼きそばが出来上がり二人で食べるが、それは横島にも一味違うとわかるほど美味しかった
「これは……、ソースに何か隠し味のようなものが入ってますね」
さっきまで笑顔だった魔鈴の表情が少し真剣になる
好奇心からか隠し味が何なのか気になり出したようだった
ちなみにこんな時タマモやシロが居ると楽である
彼等の嗅覚や味覚は人間より数段優れているため、隠し味などをすぐに見抜けるのだ