番外編・横島君と魔鈴さんの休日
その日は気持ちがいいほど天気が良かった
梅雨入りはすでにしていたが、この日はジメジメもしてなくいい天気である
店の裏口から出かける二人は見慣れた街を並んで歩いて行くが、久しぶりに二人っきりで歩くといつもと違った街に見えていた
(以前だったら泣いて喜ぶほどのシチュエーションだな)
隣に居る私服姿の魔鈴は、横島にとって眩しいほど美しく見えている
令子のように派手ではないが、品のいい美人といった感じだった
道ゆく人の中にはそんな魔鈴に視線を奪われ見惚れる人もいるくらいである
(こうして改めて見ると美形ではないですが、カッコイイんですよね)
一方魔鈴もまた隣に居る横島を見てふと考え込んでいた
昔と違って落ち着いた事もあるし、ここ一年ほどで随分大人っぽくなっている
(女性に対して余裕が出来ましたし、見知らぬ女性を求めなくなった分だけモテて始めてるんですよね~)
きっかけはルシオラの件と魔鈴と関係を持った事だろう
ルシオラの件で見知らぬ女性を求めなくなったし、魔鈴と関係を持ってからは更に余裕が生まれている
そんな横島が店で接客していると、客の女性達に魔鈴の予想以上の好感を与えていた
中には明らかに好意以上の感情を持つ女性も出始めており、魔鈴にとっては微妙な気分だった
最も横島本人は全く気が付いてないのだが……
基本的に自分が人に好かれるはずがないという思い込みは、強固なまでに健在である
「どこでスーツを買いますか?」
「うーん、どこでもいいっすよ。 でも安い店の方がいいかな~?」
「せっかくですから少し専門店に行ってみましょうか」
一応スーツを買いに行くという名目で出て来たので、最初に買い物を済ませてしまおうと二人共考えてはいたが横島は具体的には何も考えてなかった
そんな横島に思わず笑みを浮かべた魔鈴は、スッと腕を絡ませて歩いていく
(胸が……!?)
突然魔鈴が腕を組んで来た事で横島は思わずビクッとするが、魔鈴の温もりや肘に伝わる胸の感触に言葉が出て来ない
毎晩ベッドを共にしてすでに何度も経験はしてるが、それでも魔鈴と腕を組んで歩くのは新鮮だった
そのまま近くの駅までゆっくり歩いてゆく二人だが、道ゆく人がため息をはくほど甘い空気が漂っている
(俺釣り合ってるかな~)
腕を組んだまま嬉しそうにニコニコと微笑む魔鈴に、横島は思わず自分が釣り合わないのではと思って不安になる
しかし嬉しそうな魔鈴の笑顔は思わず見惚れてしまうほど美しい
別に二人で出掛けるのが始めてではないし手を繋いだりした事もあるが、恋人という明確なカタチがあるとそれまでと全く違った感じだった
その後も横島と魔鈴はそんな調子でゆっくり歩いてゆく
さすがに電車の中などは腕を組まないが、二人を取り巻く空気は変わらず周りの人の視線や羨ましそうな視線を集めるがそれは仕方のない事だろう
梅雨入りはすでにしていたが、この日はジメジメもしてなくいい天気である
店の裏口から出かける二人は見慣れた街を並んで歩いて行くが、久しぶりに二人っきりで歩くといつもと違った街に見えていた
(以前だったら泣いて喜ぶほどのシチュエーションだな)
隣に居る私服姿の魔鈴は、横島にとって眩しいほど美しく見えている
令子のように派手ではないが、品のいい美人といった感じだった
道ゆく人の中にはそんな魔鈴に視線を奪われ見惚れる人もいるくらいである
(こうして改めて見ると美形ではないですが、カッコイイんですよね)
一方魔鈴もまた隣に居る横島を見てふと考え込んでいた
昔と違って落ち着いた事もあるし、ここ一年ほどで随分大人っぽくなっている
(女性に対して余裕が出来ましたし、見知らぬ女性を求めなくなった分だけモテて始めてるんですよね~)
きっかけはルシオラの件と魔鈴と関係を持った事だろう
ルシオラの件で見知らぬ女性を求めなくなったし、魔鈴と関係を持ってからは更に余裕が生まれている
そんな横島が店で接客していると、客の女性達に魔鈴の予想以上の好感を与えていた
中には明らかに好意以上の感情を持つ女性も出始めており、魔鈴にとっては微妙な気分だった
最も横島本人は全く気が付いてないのだが……
基本的に自分が人に好かれるはずがないという思い込みは、強固なまでに健在である
「どこでスーツを買いますか?」
「うーん、どこでもいいっすよ。 でも安い店の方がいいかな~?」
「せっかくですから少し専門店に行ってみましょうか」
一応スーツを買いに行くという名目で出て来たので、最初に買い物を済ませてしまおうと二人共考えてはいたが横島は具体的には何も考えてなかった
そんな横島に思わず笑みを浮かべた魔鈴は、スッと腕を絡ませて歩いていく
(胸が……!?)
突然魔鈴が腕を組んで来た事で横島は思わずビクッとするが、魔鈴の温もりや肘に伝わる胸の感触に言葉が出て来ない
毎晩ベッドを共にしてすでに何度も経験はしてるが、それでも魔鈴と腕を組んで歩くのは新鮮だった
そのまま近くの駅までゆっくり歩いてゆく二人だが、道ゆく人がため息をはくほど甘い空気が漂っている
(俺釣り合ってるかな~)
腕を組んだまま嬉しそうにニコニコと微笑む魔鈴に、横島は思わず自分が釣り合わないのではと思って不安になる
しかし嬉しそうな魔鈴の笑顔は思わず見惚れてしまうほど美しい
別に二人で出掛けるのが始めてではないし手を繋いだりした事もあるが、恋人という明確なカタチがあるとそれまでと全く違った感じだった
その後も横島と魔鈴はそんな調子でゆっくり歩いてゆく
さすがに電車の中などは腕を組まないが、二人を取り巻く空気は変わらず周りの人の視線や羨ましそうな視線を集めるがそれは仕方のない事だろう