番外編・横島君と魔鈴さんの休日
それから数日後の店の定休日の前夜、横島は閉店後の店内の掃除をしながらどうやって魔鈴を誘うか考えていた
愛子達に散々言われた結果、二人でゆっくり外出しようと決めたはいいが、具体的に行く場所やどうやって誘うかが決まらず迷っている
かつて散々ナンパをした横島だが、いざ確実にデートに誘うとなると尻込みしてしまう
元々あれは失敗するのが前提で、本人も成功するなどとは思ってなかったのだ
実際成功してもデートするお金も無ければ、デートに行く先もまるで考えてなかったのだから酷い話である
まあ成功するなどとは夢にも思わないし、女性に好かれないのを前提にしてるからあんな馬鹿なナンパが出来るのだろう
横島らしいと言えばそれまでだが、実際女性をリードしてデートに誘うとなるといろいろ迷ってしまうようであった
(いざデートって言われてもな~ 魔鈴さんに嫌われたくないし、恥をかかせるわけにもいかんし……)
嫌われるのが前提だったのが嫌われたくないと考えると、自分でも思った以上にどうしていいかわからない
やはり横島は臆病だった
その後も横島はデートの事を切り出せぬまま時間だけが過ぎてしまう
タマモやシロは魔鈴の気付かぬ時に目線で誘えと圧力をかけていくが、結局時間だけが過ぎてしまい横島と魔鈴は寝室に入ってしまった
「魔鈴さん……、明日ちょっと付き合って欲しいんすけど……」
「いいですよ。 何かありましたか?」
「ちょっと買い物でも行こうかと思って。 よく考えたら俺スーツとか持ってないから、一着くらい必要かと思ったんすよ」
いろいろ考えた横島だったが、結局無難な買い物に行こうと誘うしか思い付かなかったのである
一方少し緊張した様子で買い物に行きたいと言い出した横島に対して、魔鈴は不思議そうに首を傾げてしまう
別に買い物自体珍しい事ではないし、妙神山へのお土産などは魔鈴に選んでもらったりもするので休日買い物に行く事も珍しくない
何故緊張気味なのか魔鈴には理解出来なかった
「確かにスーツは何着か欲しいですね。 冠婚葬祭とかもあるでしょうし、いろいろ忙しくて忘れてましたね」
横島が何か隠してるのはすぐに気付いた魔鈴だが、顔に出るという事は案外たいした問題でないのは最近の様子から理解してる
結局魔鈴も深く聞かないままに買い物に行く事を了解していた
「じゃあ、出かけて来ますね。 お昼は用意しましたし、夕食までには帰りますから」
「私達の事は気にしないでいいわよ。 なんなら夕食も適当に済ませるから、たまには二人でゆっくりして来てね」
「留守番は拙者達に任せるでござる」
翌朝になりタマモとシロも一緒に買い物に行かないか誘った魔鈴だったが、二人は当然のように断ってしまう
昨日の横島とは対照的に二人は少し楽しそうに笑っているのだから、魔鈴もなんとなく理解し始めていた
(どうやら気を使わせてしまったみたいですね。 タマモちゃんの考えでしょうか?)
なかなか二人っきりになれない自分達を気遣かってくれたのだと感じた魔鈴は、少し悪い気もしたがその気遣いはやはり嬉しかった
(一人じゃないのは素晴らしい事ですね……)
タマモやシロの何気ない気遣いに、魔鈴は思わず目頭が熱くなるようだった
愛子達に散々言われた結果、二人でゆっくり外出しようと決めたはいいが、具体的に行く場所やどうやって誘うかが決まらず迷っている
かつて散々ナンパをした横島だが、いざ確実にデートに誘うとなると尻込みしてしまう
元々あれは失敗するのが前提で、本人も成功するなどとは思ってなかったのだ
実際成功してもデートするお金も無ければ、デートに行く先もまるで考えてなかったのだから酷い話である
まあ成功するなどとは夢にも思わないし、女性に好かれないのを前提にしてるからあんな馬鹿なナンパが出来るのだろう
横島らしいと言えばそれまでだが、実際女性をリードしてデートに誘うとなるといろいろ迷ってしまうようであった
(いざデートって言われてもな~ 魔鈴さんに嫌われたくないし、恥をかかせるわけにもいかんし……)
嫌われるのが前提だったのが嫌われたくないと考えると、自分でも思った以上にどうしていいかわからない
やはり横島は臆病だった
その後も横島はデートの事を切り出せぬまま時間だけが過ぎてしまう
タマモやシロは魔鈴の気付かぬ時に目線で誘えと圧力をかけていくが、結局時間だけが過ぎてしまい横島と魔鈴は寝室に入ってしまった
「魔鈴さん……、明日ちょっと付き合って欲しいんすけど……」
「いいですよ。 何かありましたか?」
「ちょっと買い物でも行こうかと思って。 よく考えたら俺スーツとか持ってないから、一着くらい必要かと思ったんすよ」
いろいろ考えた横島だったが、結局無難な買い物に行こうと誘うしか思い付かなかったのである
一方少し緊張した様子で買い物に行きたいと言い出した横島に対して、魔鈴は不思議そうに首を傾げてしまう
別に買い物自体珍しい事ではないし、妙神山へのお土産などは魔鈴に選んでもらったりもするので休日買い物に行く事も珍しくない
何故緊張気味なのか魔鈴には理解出来なかった
「確かにスーツは何着か欲しいですね。 冠婚葬祭とかもあるでしょうし、いろいろ忙しくて忘れてましたね」
横島が何か隠してるのはすぐに気付いた魔鈴だが、顔に出るという事は案外たいした問題でないのは最近の様子から理解してる
結局魔鈴も深く聞かないままに買い物に行く事を了解していた
「じゃあ、出かけて来ますね。 お昼は用意しましたし、夕食までには帰りますから」
「私達の事は気にしないでいいわよ。 なんなら夕食も適当に済ませるから、たまには二人でゆっくりして来てね」
「留守番は拙者達に任せるでござる」
翌朝になりタマモとシロも一緒に買い物に行かないか誘った魔鈴だったが、二人は当然のように断ってしまう
昨日の横島とは対照的に二人は少し楽しそうに笑っているのだから、魔鈴もなんとなく理解し始めていた
(どうやら気を使わせてしまったみたいですね。 タマモちゃんの考えでしょうか?)
なかなか二人っきりになれない自分達を気遣かってくれたのだと感じた魔鈴は、少し悪い気もしたがその気遣いはやはり嬉しかった
(一人じゃないのは素晴らしい事ですね……)
タマモやシロの何気ない気遣いに、魔鈴は思わず目頭が熱くなるようだった