それぞれの想い
その後、ベスパは涙を見せることはなかった
あの一滴の涙が本当に涙だったのかどうかは、横島にもわからない
それからベスパとパピリオを客間に案内した横島は、魔鈴と二人で後片付けをしている
タマモとシロはさすがに夜が遅いため、魔鈴が先に休ませていた
「アシュタロスの希望ですか…」
魔鈴は先程の横島とベスパの話を思い出して、ふと呟く
別に聞き耳を立てるつもりは無かったのだが、静かな店内のため厨房で後片付けをしていた魔鈴にも聞こえていたのだ
そして横島の話は、魔鈴にも非常に興味深い話であった
「あくまで俺の想像ですよ。 ただ、アシュタロスほどの魔族があの戦いに参加させた部下は、生まれたばかりの三姉妹と土偶羅だけだった… なんか、全てに繋がる意味がある気がするんすよ」
ちょっと複雑そうな笑顔を浮かべる横島は、言葉を選びながらも自分の考えを話していく
全てはただの想像かもしれない
横島はかつて文珠で【模】してアシュタロスの思考を読んだが、それは表面的に考えていたことに過ぎない
神魔人界最高の頭脳を持ち、永遠の時を生きるアシュタロスの深い思考や記憶などを横島が見ようとしたら、横島は壊れていただろう
従って、横島の話は自分の価値観で考えたことに過ぎないのだった
「当たらずとも遠からずと言う感じな気がしますね。 アシュタロスが三姉妹に何かしらの感情があったのは、私も確かだと思います。 正直、洗脳やなんかはそれほど難しい技術ではありません。 アシュタロスが三姉妹に自主性を持たせた時点で、心の奥底では何かを期待してたのかも知れませんね」
魔鈴も考えながら語っていく
そもそも、何故三姉妹に個性や自主性を持たせたのかがわからないのだ
アシュタロスは三姉妹を道具と言っていたが、道具ならば個性や自主性は必要無いだろう
結局、自らの存在や在り方に苦しみ続けたアシュタロスの最後の希望が、三姉妹と考えるのは自然な気がした
「南極でルシオラがアシュタロスに逆らった時、本当はアシュタロスが自らルシオラを助けたのかもしれないって最近思うんすよ。 あの時アシュタロスは嬉しそうな顔をした気がしましたからね」
「考えてみれば確かに不思議ですよね。 アシュタロスが仕掛けた監視ウイルスを人間に解除出来たことも… ドクターカオスが居たのも大きいですが、アシュタロスなら解除出来ない方法もあったはずです」
横島の話に、魔鈴も再び考えながら話していく
実際に南極には行ってないから事実はわからないが、確かに横島の話にも一理あると思う
横島やルシオラは、あまりに上手く行きすぎたとも思うのだ
「まあ、全ての真実はアシュタロスと共に永久の眠りにつきましたらからね。 所詮俺の妄想かもしれませんが… ただ、アシュタロス自体を恨む気には慣れないんすよね」
少し複雑そうに笑って話す横島を、魔鈴は静かに見守っていた
(横島さんとアシュタロスは、どこか通じ合うものがあるのかもしれませんね…)
自分でもわからない様子の横島を見て、魔鈴は何故かそんな気がした
あの一滴の涙が本当に涙だったのかどうかは、横島にもわからない
それからベスパとパピリオを客間に案内した横島は、魔鈴と二人で後片付けをしている
タマモとシロはさすがに夜が遅いため、魔鈴が先に休ませていた
「アシュタロスの希望ですか…」
魔鈴は先程の横島とベスパの話を思い出して、ふと呟く
別に聞き耳を立てるつもりは無かったのだが、静かな店内のため厨房で後片付けをしていた魔鈴にも聞こえていたのだ
そして横島の話は、魔鈴にも非常に興味深い話であった
「あくまで俺の想像ですよ。 ただ、アシュタロスほどの魔族があの戦いに参加させた部下は、生まれたばかりの三姉妹と土偶羅だけだった… なんか、全てに繋がる意味がある気がするんすよ」
ちょっと複雑そうな笑顔を浮かべる横島は、言葉を選びながらも自分の考えを話していく
全てはただの想像かもしれない
横島はかつて文珠で【模】してアシュタロスの思考を読んだが、それは表面的に考えていたことに過ぎない
神魔人界最高の頭脳を持ち、永遠の時を生きるアシュタロスの深い思考や記憶などを横島が見ようとしたら、横島は壊れていただろう
従って、横島の話は自分の価値観で考えたことに過ぎないのだった
「当たらずとも遠からずと言う感じな気がしますね。 アシュタロスが三姉妹に何かしらの感情があったのは、私も確かだと思います。 正直、洗脳やなんかはそれほど難しい技術ではありません。 アシュタロスが三姉妹に自主性を持たせた時点で、心の奥底では何かを期待してたのかも知れませんね」
魔鈴も考えながら語っていく
そもそも、何故三姉妹に個性や自主性を持たせたのかがわからないのだ
アシュタロスは三姉妹を道具と言っていたが、道具ならば個性や自主性は必要無いだろう
結局、自らの存在や在り方に苦しみ続けたアシュタロスの最後の希望が、三姉妹と考えるのは自然な気がした
「南極でルシオラがアシュタロスに逆らった時、本当はアシュタロスが自らルシオラを助けたのかもしれないって最近思うんすよ。 あの時アシュタロスは嬉しそうな顔をした気がしましたからね」
「考えてみれば確かに不思議ですよね。 アシュタロスが仕掛けた監視ウイルスを人間に解除出来たことも… ドクターカオスが居たのも大きいですが、アシュタロスなら解除出来ない方法もあったはずです」
横島の話に、魔鈴も再び考えながら話していく
実際に南極には行ってないから事実はわからないが、確かに横島の話にも一理あると思う
横島やルシオラは、あまりに上手く行きすぎたとも思うのだ
「まあ、全ての真実はアシュタロスと共に永久の眠りにつきましたらからね。 所詮俺の妄想かもしれませんが… ただ、アシュタロス自体を恨む気には慣れないんすよね」
少し複雑そうに笑って話す横島を、魔鈴は静かに見守っていた
(横島さんとアシュタロスは、どこか通じ合うものがあるのかもしれませんね…)
自分でもわからない様子の横島を見て、魔鈴は何故かそんな気がした