ゆく年くる年
その後も唐巣と横島の除霊は順調だった。
唐巣は連日の除霊で幾分疲労を溜めているが、その分横島がよく働いている。
こういう言い方はおかしいかも知れないが、探すのが難しいほど弱い悪霊ではないし、かといって倒すのが大変なほど強い悪霊でもない。
そういう意味では今日の除霊は横島にとって割とやりやすい依頼が残っていたようだ。
最終的に二人は夕方までに十件もの依頼を片付けて仕事を終えている。
一方お節料理作りをしていた魔鈴達の方は、何故か百合子を交えて料理をしていた。
「お節料理はほとんど作った経験がないので助かります」
この日の朝に百合子が偶然顔を見せたことで急遽お節作りに参加することになったが、実は魔鈴はお節料理を本格的な作った経験がなく助かっている。
魔鈴の出身の孤児院でもお節料理は出していたが、子供が好きな物を中心に揃えただけであり本格的なお節料理を作った経験はない。
元々得意なジャンルがヨーロッパの料理な魔鈴は、和食は必ずしもレパートリーが多い訳ではないのだ。
一部の時間がかかる料理は数日前から煮込んだりしているが、基本的には料理本を見ながら作っており必ずしも魔鈴の味という訳ではない。
「家もここ何年かはまともに作ってなかったわよ。 海外だと食材が高かったり手に入らないことが多くってね。 宿六が好きなおかずだけは少し作ってたけど」
今年はせっかくだからお節料理を手作りしようとしたという魔鈴に百合子は若干驚きつつ、自身のここ最近のお節料理の話を語る。
横島が子供の頃は百合子も気合いを入れて作っていたらしいが、ナルニアに行ってからはほとんど作ってなかったらしい。
現在は日本にいるが、今年は百貨店でお節料理を注文したらしく手作りはしないようだった。
正直手間と味を考えると完成したお節料理を買う方が手っ取り早いし、昔と違って正月三が日でも外食も出来るし食べれる物も多いのでお節料理は買う程度でいいらしい。
「まあ若いんだし、一度くらいはお節料理作ってみるといい経験になるわよ」
結局細かな部分を百合子に教わりながらお節料理を作っていく魔鈴達だったが、和気あいあいと和やかな時間が過ぎていく。
「ただいま~ って親父達来てたのか」
その日横島が雪之丞を連れて魔鈴宅に帰ったのは、完全に日暮れが過ぎた頃だった。
帰り際に唐巣からおすそ分けとして貰った料理や餅などをキッチンに置いた横島は、リビングに顔を出すが両親の姿に少しだけ微妙な表情をする。
流石に露骨に嫌そうな顔はしなくなったが、相変わらず会いたくないとの気持ちがあった。
魔鈴やタマモやシロは両親を歓迎しているが、横島は一緒に居ると気が休まらないのが本音なのだろう。
「一緒にお節料理を作ってたんですよ」
そんな横島の表情が微妙なのはみんな気付いているが、魔鈴はあまり気にする様子もなく普通に接している。
両親が居ない魔鈴とすれば、正直もう少し互いに理解する努力をするべきだと考えてるのかもしれない。
あまり出過ぎた真似をする気はないが、実の親子が互いに気心を許せないのは寂しいと思うのだろう。
唐巣は連日の除霊で幾分疲労を溜めているが、その分横島がよく働いている。
こういう言い方はおかしいかも知れないが、探すのが難しいほど弱い悪霊ではないし、かといって倒すのが大変なほど強い悪霊でもない。
そういう意味では今日の除霊は横島にとって割とやりやすい依頼が残っていたようだ。
最終的に二人は夕方までに十件もの依頼を片付けて仕事を終えている。
一方お節料理作りをしていた魔鈴達の方は、何故か百合子を交えて料理をしていた。
「お節料理はほとんど作った経験がないので助かります」
この日の朝に百合子が偶然顔を見せたことで急遽お節作りに参加することになったが、実は魔鈴はお節料理を本格的な作った経験がなく助かっている。
魔鈴の出身の孤児院でもお節料理は出していたが、子供が好きな物を中心に揃えただけであり本格的なお節料理を作った経験はない。
元々得意なジャンルがヨーロッパの料理な魔鈴は、和食は必ずしもレパートリーが多い訳ではないのだ。
一部の時間がかかる料理は数日前から煮込んだりしているが、基本的には料理本を見ながら作っており必ずしも魔鈴の味という訳ではない。
「家もここ何年かはまともに作ってなかったわよ。 海外だと食材が高かったり手に入らないことが多くってね。 宿六が好きなおかずだけは少し作ってたけど」
今年はせっかくだからお節料理を手作りしようとしたという魔鈴に百合子は若干驚きつつ、自身のここ最近のお節料理の話を語る。
横島が子供の頃は百合子も気合いを入れて作っていたらしいが、ナルニアに行ってからはほとんど作ってなかったらしい。
現在は日本にいるが、今年は百貨店でお節料理を注文したらしく手作りはしないようだった。
正直手間と味を考えると完成したお節料理を買う方が手っ取り早いし、昔と違って正月三が日でも外食も出来るし食べれる物も多いのでお節料理は買う程度でいいらしい。
「まあ若いんだし、一度くらいはお節料理作ってみるといい経験になるわよ」
結局細かな部分を百合子に教わりながらお節料理を作っていく魔鈴達だったが、和気あいあいと和やかな時間が過ぎていく。
「ただいま~ って親父達来てたのか」
その日横島が雪之丞を連れて魔鈴宅に帰ったのは、完全に日暮れが過ぎた頃だった。
帰り際に唐巣からおすそ分けとして貰った料理や餅などをキッチンに置いた横島は、リビングに顔を出すが両親の姿に少しだけ微妙な表情をする。
流石に露骨に嫌そうな顔はしなくなったが、相変わらず会いたくないとの気持ちがあった。
魔鈴やタマモやシロは両親を歓迎しているが、横島は一緒に居ると気が休まらないのが本音なのだろう。
「一緒にお節料理を作ってたんですよ」
そんな横島の表情が微妙なのはみんな気付いているが、魔鈴はあまり気にする様子もなく普通に接している。
両親が居ない魔鈴とすれば、正直もう少し互いに理解する努力をするべきだと考えてるのかもしれない。
あまり出過ぎた真似をする気はないが、実の親子が互いに気心を許せないのは寂しいと思うのだろう。