ゆく年くる年
その後も中を慎重に調査していくが、結局霊障の特定は出来なかった
時間的にポルターガイストが起きるのは夜であり、現在は午後なため夜まで待機して調査を続ける必要がある
そもそも霊障の調査や除霊などは相手が現れるまで長時間張り込みすることも決して珍しくない
ちなみに横島が美神事務所時代に囮などによく使われた理由の一つにもその辺りが関わっており、霊波の性質からか悪霊を引き付けやすい横島を囮にして令子は時間を短縮していたのだ
ただ一つ言っておかなければならないのは、そんな非常識な除霊をするのは令子くらいであり普通はしないということである
第一に危険であることが理由だし、そもそも除霊の際に囮に使われて仕事を辞めないのは横島くらいだった
普通の人間はそんなことをされたら辞めるしGS本人の評判も落ちてしまう
ある意味かつての令子にしか出来なかった方法である
「どうする? 結界を張って交代で休むか? 徹夜になるかもしれないぜ」
さて室内を調査し夜まで待つことになった雪之丞達は、元々リビングだった広めの部屋で休憩することにしていた
この日は他に依頼がなかったことから、雪之丞達は最長で明日の朝まで交代で見張りをしながら張り込みをして調査を続ける予定である
「一応僕は夜に強いですから、二人が先に休んでいいですよ」
長期戦を覚悟した三人は休む場所に結界の魔法陣を作成して、タイガー・雪之丞・ピートの順に休むことになった
基本的に吸血鬼であり夜に強いピートが最後に回った為、そんな順番になったらしい
そのままタイガーは結界の中で休むが、残りの雪之丞とピートは当然ながら暇である
テレビもラジオもない部屋で一夜を明かすのはかなり暇なのだが、この手の調査は音や光が出るような物はあまり持ち込まないのが基本だった
弱い悪霊なんかはちょっとした変化で逃げ出すことも少なくない
基本的に静かに待ってるのがセオリーであり、暇だからと言って騒ぐようではGS失格である
「雪之丞もすっかりGSだね」
そんな静かな室内で雪之丞はオカルトの本を読みながら時間を潰していた
GSが知識として覚えるべき情報は膨大であり、雪之丞も暇があれば本を読むようにしている
そんな雪之丞に最初のGS試験の時を思い出したピートは感慨深げな様子で声をかけていた
「中途半端は嫌いなんだよ。 前は助っ人でもして経験を積めばなんとかなると思ってたけど、それじゃいつまでも半人前だからな」
ピートの考えてることをなんとなく理解した雪之丞も少し昔を思い出して語るが、過去の自分が甘かったとシミジミ反省してしまう
それと言うのも魔鈴と仕事をするようになり、雪之丞は自身の未熟さを嫌というほど痛感する日々だったのだ
魔族や強力な悪霊などとならそこそこ闘える自信がある雪之丞も、一般的で簡単な除霊ではどうしていいか分からないことが多かったのだから
ある意味雪之丞と対極にいる魔鈴と仕事をした経験は雪之丞に大きな影響を及ぼしていた
時間的にポルターガイストが起きるのは夜であり、現在は午後なため夜まで待機して調査を続ける必要がある
そもそも霊障の調査や除霊などは相手が現れるまで長時間張り込みすることも決して珍しくない
ちなみに横島が美神事務所時代に囮などによく使われた理由の一つにもその辺りが関わっており、霊波の性質からか悪霊を引き付けやすい横島を囮にして令子は時間を短縮していたのだ
ただ一つ言っておかなければならないのは、そんな非常識な除霊をするのは令子くらいであり普通はしないということである
第一に危険であることが理由だし、そもそも除霊の際に囮に使われて仕事を辞めないのは横島くらいだった
普通の人間はそんなことをされたら辞めるしGS本人の評判も落ちてしまう
ある意味かつての令子にしか出来なかった方法である
「どうする? 結界を張って交代で休むか? 徹夜になるかもしれないぜ」
さて室内を調査し夜まで待つことになった雪之丞達は、元々リビングだった広めの部屋で休憩することにしていた
この日は他に依頼がなかったことから、雪之丞達は最長で明日の朝まで交代で見張りをしながら張り込みをして調査を続ける予定である
「一応僕は夜に強いですから、二人が先に休んでいいですよ」
長期戦を覚悟した三人は休む場所に結界の魔法陣を作成して、タイガー・雪之丞・ピートの順に休むことになった
基本的に吸血鬼であり夜に強いピートが最後に回った為、そんな順番になったらしい
そのままタイガーは結界の中で休むが、残りの雪之丞とピートは当然ながら暇である
テレビもラジオもない部屋で一夜を明かすのはかなり暇なのだが、この手の調査は音や光が出るような物はあまり持ち込まないのが基本だった
弱い悪霊なんかはちょっとした変化で逃げ出すことも少なくない
基本的に静かに待ってるのがセオリーであり、暇だからと言って騒ぐようではGS失格である
「雪之丞もすっかりGSだね」
そんな静かな室内で雪之丞はオカルトの本を読みながら時間を潰していた
GSが知識として覚えるべき情報は膨大であり、雪之丞も暇があれば本を読むようにしている
そんな雪之丞に最初のGS試験の時を思い出したピートは感慨深げな様子で声をかけていた
「中途半端は嫌いなんだよ。 前は助っ人でもして経験を積めばなんとかなると思ってたけど、それじゃいつまでも半人前だからな」
ピートの考えてることをなんとなく理解した雪之丞も少し昔を思い出して語るが、過去の自分が甘かったとシミジミ反省してしまう
それと言うのも魔鈴と仕事をするようになり、雪之丞は自身の未熟さを嫌というほど痛感する日々だったのだ
魔族や強力な悪霊などとならそこそこ闘える自信がある雪之丞も、一般的で簡単な除霊ではどうしていいか分からないことが多かったのだから
ある意味雪之丞と対極にいる魔鈴と仕事をした経験は雪之丞に大きな影響を及ぼしていた