ゆく年くる年
「どうですか? 少しは得るモノがありましたか? 差し出がましいようですが少しだけ私の私見を言わせて頂くと、魔理さんは中途半端です」
シロとの手合わせは結局魔理の攻撃が一度も当たることがないまま、魔理が疲れ果てて終わっていた
そんな魔理に優しく言葉をかける魔鈴だが、相変わらず表情の割に言葉が厳しい
「雪之丞さんやタイガーさんが、何故今だに見習いをしているか分かりますか? それは戦う力ではなく霊障を見極め判別する能力や知識に欠けてるからです。 それが無ければ一人前とは言えません」
柔らかい表情の割に厳しい言葉は続くが、正直魔鈴は魔理がこのままGSを目指してもダメだと感じていた
中途半端に上を見て足掻いても足元が全く定まれてない以上、いずれ致命的な問題を起こしてしまう気がしたのだ
あえて厳しい言葉を続けるのもその為である
「師匠を探すことも重要ですが、もう一度自分を見直して基礎から勉強し直した方がいいと思います」
疲れて息を切らす魔理に対し、魔鈴は半ば全否定に近い感じで一からのやり直しを勧めていた
それは魔鈴自身もかつては自己流で勉強したからこそ思うのだが、魔理は不得意分野から逃げてるように感じている
まあかつての雪之丞のように得意分野を徹底的に突き詰めるのも一つの方法だが、魔理の場合は得意分野も中途半端なのだから問題だった
「卒業までまだ三ヶ月はあります。 今は学校の先生に相談して、自分の見直しと基礎を固める方がいいと私は思いますよ。 私も六道理事長には何度かお会いしましたが、非常に生徒想いの素晴らしい方でしたし」
魔鈴の語る言葉を魔理は静かに聞いていた
自らの現状をほぼ全否定された魔理の心境は正直穏やかではないが、同時に魔鈴の言うことが魔理の欠点を的確に突いていることも理解している
それに戦闘力こそ高くはないが技術力は業界でも桁外れなのは魔理も知っていた
故に魔鈴の言葉はどこまでも重くのしかかっていく
「失礼なこと言ってごめんなさいね。 今の魔理さんはせっかくの一流の指導者に教わる機会をあまり生かしてないように思えたので」
「いや、あやまらないでくれ! 確かに言われたことは当然のことだから……」
最後に魔鈴が失礼したと謝ると魔理は動揺したように言葉を発する
耳が痛いと言う言葉そのままの内容だったが、確かに魔鈴の言葉は最もであり説得力もあった
事実六道女学院の霊能科のGS専攻クラスの者には、朝早くから登校し学校が閉まるまで教師に教わる生徒も何人か存在する
おキヌやかおりのように他に指導者が居る者が多く、そんな者達は特別早出居残りはしないが魔理のように指導者が居ない者は学校に縋るしかない
教師が泣きたくなるほど修行を頼む生徒も存在はするのだ
魔理の場合はなまじ戦闘力があり彼らよりは強いのが逆に災いして就職先を探していたが、魔鈴はそんな魔理に一番キツイダメ出しをしていた
シロとの手合わせは結局魔理の攻撃が一度も当たることがないまま、魔理が疲れ果てて終わっていた
そんな魔理に優しく言葉をかける魔鈴だが、相変わらず表情の割に言葉が厳しい
「雪之丞さんやタイガーさんが、何故今だに見習いをしているか分かりますか? それは戦う力ではなく霊障を見極め判別する能力や知識に欠けてるからです。 それが無ければ一人前とは言えません」
柔らかい表情の割に厳しい言葉は続くが、正直魔鈴は魔理がこのままGSを目指してもダメだと感じていた
中途半端に上を見て足掻いても足元が全く定まれてない以上、いずれ致命的な問題を起こしてしまう気がしたのだ
あえて厳しい言葉を続けるのもその為である
「師匠を探すことも重要ですが、もう一度自分を見直して基礎から勉強し直した方がいいと思います」
疲れて息を切らす魔理に対し、魔鈴は半ば全否定に近い感じで一からのやり直しを勧めていた
それは魔鈴自身もかつては自己流で勉強したからこそ思うのだが、魔理は不得意分野から逃げてるように感じている
まあかつての雪之丞のように得意分野を徹底的に突き詰めるのも一つの方法だが、魔理の場合は得意分野も中途半端なのだから問題だった
「卒業までまだ三ヶ月はあります。 今は学校の先生に相談して、自分の見直しと基礎を固める方がいいと私は思いますよ。 私も六道理事長には何度かお会いしましたが、非常に生徒想いの素晴らしい方でしたし」
魔鈴の語る言葉を魔理は静かに聞いていた
自らの現状をほぼ全否定された魔理の心境は正直穏やかではないが、同時に魔鈴の言うことが魔理の欠点を的確に突いていることも理解している
それに戦闘力こそ高くはないが技術力は業界でも桁外れなのは魔理も知っていた
故に魔鈴の言葉はどこまでも重くのしかかっていく
「失礼なこと言ってごめんなさいね。 今の魔理さんはせっかくの一流の指導者に教わる機会をあまり生かしてないように思えたので」
「いや、あやまらないでくれ! 確かに言われたことは当然のことだから……」
最後に魔鈴が失礼したと謝ると魔理は動揺したように言葉を発する
耳が痛いと言う言葉そのままの内容だったが、確かに魔鈴の言葉は最もであり説得力もあった
事実六道女学院の霊能科のGS専攻クラスの者には、朝早くから登校し学校が閉まるまで教師に教わる生徒も何人か存在する
おキヌやかおりのように他に指導者が居る者が多く、そんな者達は特別早出居残りはしないが魔理のように指導者が居ない者は学校に縋るしかない
教師が泣きたくなるほど修行を頼む生徒も存在はするのだ
魔理の場合はなまじ戦闘力があり彼らよりは強いのが逆に災いして就職先を探していたが、魔鈴はそんな魔理に一番キツイダメ出しをしていた