秋の夜長に……
そのまましばらくその場に留まる横島達と小竜姫達だが、特に会話もないまましばらく無言が続いていく
ベスパとパピリオはその場に座り込み姉であるルシオラを想うが、やはり言葉を発することはない
小竜姫やワルキューレ達はそんな二人を見守るように立っているが、彼女達も二年前を思い出し複雑な心境になっているのは確かだろう
誰が悪い訳でもなくそして誰が正しい訳でもない
ただ現在も続くこの世界の犠牲になったルシオラとアシュタロスを想うと、一概にアシュタロスを責める気持ちが起きないのはその場に居る者が一緒に居る理由とソレが少なからず繋がるからなのかもしれない
理不尽や矛盾など世の中には溢れている
それに耐え切れないほどアシュタロスは気高いまま長く生きて来たのだと思うと、誰ひとりアシュタロスを恨む気にはなれないのは仕方ないだろう
「せっかくだし、みんなでメシでもどうだ?」
その後ベスパとパピリオが一区切りついた頃、横島達は小竜姫達を誘ってそのまま食事に行くことになる
と言っても急な為に特別行く場所も考えてなく、何故か近くの居酒屋に入ることになったやきとりの焼ける香ばしい匂いが染み付いてるような古い居酒屋で、一同はそれぞれに好きな物を頼み食事や酒盛りを始める
周りは会社帰りのサラリーマンが多く横島とジーク以外は女性ばかりの一同はかなり目立っていたが、本人達はあまり気にすることもなく料理や酒を楽しんでいく
「やっぱり忠夫達は居ないようだな」
「今日は特別ですものね」
同じ頃、魔鈴の店には大樹と百合子が訪れていた
二人は所用があって外食していたらしく、その帰りにちょっと寄ったらしい
普段はアレだが、やはり息子のことが気にかかるのだろう
「あの馬鹿一人じゃないし大丈夫だろう」
「そうね。 あの子達なら大丈夫だと思うわ」
せっかく来たのに居ない横島を大樹は少し愚痴るが、一人ではないならば丈夫だろうと考え帰っていく
百合子もそろほど心配していた訳ではないらしく、大樹に同意してホッとしたような表情をみせる
「時間が過ぎれば傷が癒えるなんて生易しい問題じゃないからな」
「あの子は運がいいのかもしれないわね」
大樹と百合子は決して時が全て解決するなどとは思ってない
無論時が解決する場合もあるが時の流れは決して優しい訳ではなく、場合によっては傷を深め化膿させることもある
横島にとって時間がどちらに働くかは分からないが、少なくとも痛みを分かち合い癒してくれる存在が近くにいることは本当に幸運だと二人は思う
この先横島がどうするのかは気になるが、出来れば魔鈴のような女性を離さないで欲しいと願うのが親心なのかもしれない
「しかしあいつにはもったいないよ」
「あら、遊びで浮気をしないだけあなたよりはいいと思うけど?」
そのまま帰路に着く二人だったが大樹は横島が少し羨ましそうであり、百合子は大樹よりは浮気をしないだけ横島の方がいいと笑っている
「いや、俺は別に……」
「あなたの女癖も治らないかしらね」
痛いところを突かれたとばかりに動揺する大樹を百合子は呆れたように見つめため息をつくが、それでも仕方ないと言わんばかりに大樹を引っ張り帰っていく
二人は相変わらずのようだった
ベスパとパピリオはその場に座り込み姉であるルシオラを想うが、やはり言葉を発することはない
小竜姫やワルキューレ達はそんな二人を見守るように立っているが、彼女達も二年前を思い出し複雑な心境になっているのは確かだろう
誰が悪い訳でもなくそして誰が正しい訳でもない
ただ現在も続くこの世界の犠牲になったルシオラとアシュタロスを想うと、一概にアシュタロスを責める気持ちが起きないのはその場に居る者が一緒に居る理由とソレが少なからず繋がるからなのかもしれない
理不尽や矛盾など世の中には溢れている
それに耐え切れないほどアシュタロスは気高いまま長く生きて来たのだと思うと、誰ひとりアシュタロスを恨む気にはなれないのは仕方ないだろう
「せっかくだし、みんなでメシでもどうだ?」
その後ベスパとパピリオが一区切りついた頃、横島達は小竜姫達を誘ってそのまま食事に行くことになる
と言っても急な為に特別行く場所も考えてなく、何故か近くの居酒屋に入ることになったやきとりの焼ける香ばしい匂いが染み付いてるような古い居酒屋で、一同はそれぞれに好きな物を頼み食事や酒盛りを始める
周りは会社帰りのサラリーマンが多く横島とジーク以外は女性ばかりの一同はかなり目立っていたが、本人達はあまり気にすることもなく料理や酒を楽しんでいく
「やっぱり忠夫達は居ないようだな」
「今日は特別ですものね」
同じ頃、魔鈴の店には大樹と百合子が訪れていた
二人は所用があって外食していたらしく、その帰りにちょっと寄ったらしい
普段はアレだが、やはり息子のことが気にかかるのだろう
「あの馬鹿一人じゃないし大丈夫だろう」
「そうね。 あの子達なら大丈夫だと思うわ」
せっかく来たのに居ない横島を大樹は少し愚痴るが、一人ではないならば丈夫だろうと考え帰っていく
百合子もそろほど心配していた訳ではないらしく、大樹に同意してホッとしたような表情をみせる
「時間が過ぎれば傷が癒えるなんて生易しい問題じゃないからな」
「あの子は運がいいのかもしれないわね」
大樹と百合子は決して時が全て解決するなどとは思ってない
無論時が解決する場合もあるが時の流れは決して優しい訳ではなく、場合によっては傷を深め化膿させることもある
横島にとって時間がどちらに働くかは分からないが、少なくとも痛みを分かち合い癒してくれる存在が近くにいることは本当に幸運だと二人は思う
この先横島がどうするのかは気になるが、出来れば魔鈴のような女性を離さないで欲しいと願うのが親心なのかもしれない
「しかしあいつにはもったいないよ」
「あら、遊びで浮気をしないだけあなたよりはいいと思うけど?」
そのまま帰路に着く二人だったが大樹は横島が少し羨ましそうであり、百合子は大樹よりは浮気をしないだけ横島の方がいいと笑っている
「いや、俺は別に……」
「あなたの女癖も治らないかしらね」
痛いところを突かれたとばかりに動揺する大樹を百合子は呆れたように見つめため息をつくが、それでも仕方ないと言わんばかりに大樹を引っ張り帰っていく
二人は相変わらずのようだった