秋の夜長に……
「凄い車ですね……」
「私こんな凄い車って始めてだわ」
冥子と話していた小鳩と愛子はそのままお茶に誘われて冥子の家の車に乗っていたのだが、始めて乗るリムジンに二人は緊張気味だ
しかもこのリムジンは冥子専用の車らしく、車内はぬいぐるみなどのファンシーな物で溢れている
車自体あまり乗ったことがない愛子や、貧乏でタクシーも乗った記憶がない小鳩にとってそこは別世界だった
愛子は一瞬自分が乗ってもいいのかと戸惑うほどだが、冥子にとっては普通の自家用車であり自分の足のようなものなのだ
冥子自身は全く二人の気持ちを理解してなかったのである
「……ここは何処かしら?」
「私のお家よ~」
そのまま何処に行くとも全く説明されてなかった愛子と小鳩は、車が高い塀に囲まれた豪華な門を潜った時点で何処かの店に着いたのかと思ったらしい
六道家の敷地は東京都では屈指の広さを誇る邸宅であり、旧有力大名家の敷地をそのまま現代も使っている数少ない場所だった
愛子も小鳩も冥子がお金持ちなのは当然知っているが、実際に六道家の邸宅を見ると本当に驚くしか出来ない
「学校より広いですね」
「私達、場違いじゃ……」
どう考えても高校より広く二人は更に萎縮してしまうが、冥子は冥子で時々迷子になると笑っている
冥子自身は迷子になることが素直に困ってるようだが、一般的な感覚の持ち主の二人からするとスケールが違い過ぎて理解出来ない
結局話が噛み合うようで噛み合わない三人は相変わらずだった
そのまま三人は予定通りお茶にするのだが、綺麗に花が咲き誇る庭でお手伝いさんに囲まれてお茶をすることに愛子と小鳩は微妙に落ち着けなかった
実は愛子と小鳩はお茶を一緒にと聞いてファミレスや喫茶店でも行くものだと考えていたのだ
しかし冥子のお茶とは本格的なティータイムだったのだから、価値観の違いに最早笑うしか出来ない
(魔鈴さんの家といい妙神山といい冥子さんの家といい、横島君の知り合いは凄いわね)
驚きの連続にそろそろ慣れて来た愛子は最近の自身の行動範囲が妙になってる事実に苦笑いを浮かべてしまうが、反面で普通の一般人である小鳩とは価値観が合ういい友達になっている
横島達が卒業した後、愛子の高校生活が楽しく過ごせてる最大の要因は小鳩であった
元々横島がそうであったように、小鳩もまた人間と妖怪の壁がないのだ
生まれてからずっと貧乏神と家族のように生きて来た結果なのだろうが、愛子にとっては小鳩の存在は非常に有り難かったのは確かであろう
「小鳩、早く食べんと無くなるで!」
そんな愛子や小鳩の前では福の神の貧が相変わらずの様子でお菓子やケーキをガツガツと食べているが、貧の食欲以上にお菓子やケーキが次々運ばれて来るためテーブルからは一向に減らなかった
しかも無くなった皿から次々にお菓子やケーキが出される為、ちょっとした大食い大会のようである
「よく食べて大きくなってね~」
遠慮のカケラもない貧に小鳩は恥ずかしそうだが、冥子はまるで子供をあやすように貧の頭を撫でていた
「お嬢ちゃんはええ子やな~ わいがもう少し力を付けたらたっぷり富を与えたるわい」
六道家のお菓子が気に入ったのかご機嫌な貧はいつか富を授ける約束をするが、冥子はあまり興味がないようで貧の食べっぷりの方が面白いようだった
何はともあれ凸凹なお茶会は続いていく
「私こんな凄い車って始めてだわ」
冥子と話していた小鳩と愛子はそのままお茶に誘われて冥子の家の車に乗っていたのだが、始めて乗るリムジンに二人は緊張気味だ
しかもこのリムジンは冥子専用の車らしく、車内はぬいぐるみなどのファンシーな物で溢れている
車自体あまり乗ったことがない愛子や、貧乏でタクシーも乗った記憶がない小鳩にとってそこは別世界だった
愛子は一瞬自分が乗ってもいいのかと戸惑うほどだが、冥子にとっては普通の自家用車であり自分の足のようなものなのだ
冥子自身は全く二人の気持ちを理解してなかったのである
「……ここは何処かしら?」
「私のお家よ~」
そのまま何処に行くとも全く説明されてなかった愛子と小鳩は、車が高い塀に囲まれた豪華な門を潜った時点で何処かの店に着いたのかと思ったらしい
六道家の敷地は東京都では屈指の広さを誇る邸宅であり、旧有力大名家の敷地をそのまま現代も使っている数少ない場所だった
愛子も小鳩も冥子がお金持ちなのは当然知っているが、実際に六道家の邸宅を見ると本当に驚くしか出来ない
「学校より広いですね」
「私達、場違いじゃ……」
どう考えても高校より広く二人は更に萎縮してしまうが、冥子は冥子で時々迷子になると笑っている
冥子自身は迷子になることが素直に困ってるようだが、一般的な感覚の持ち主の二人からするとスケールが違い過ぎて理解出来ない
結局話が噛み合うようで噛み合わない三人は相変わらずだった
そのまま三人は予定通りお茶にするのだが、綺麗に花が咲き誇る庭でお手伝いさんに囲まれてお茶をすることに愛子と小鳩は微妙に落ち着けなかった
実は愛子と小鳩はお茶を一緒にと聞いてファミレスや喫茶店でも行くものだと考えていたのだ
しかし冥子のお茶とは本格的なティータイムだったのだから、価値観の違いに最早笑うしか出来ない
(魔鈴さんの家といい妙神山といい冥子さんの家といい、横島君の知り合いは凄いわね)
驚きの連続にそろそろ慣れて来た愛子は最近の自身の行動範囲が妙になってる事実に苦笑いを浮かべてしまうが、反面で普通の一般人である小鳩とは価値観が合ういい友達になっている
横島達が卒業した後、愛子の高校生活が楽しく過ごせてる最大の要因は小鳩であった
元々横島がそうであったように、小鳩もまた人間と妖怪の壁がないのだ
生まれてからずっと貧乏神と家族のように生きて来た結果なのだろうが、愛子にとっては小鳩の存在は非常に有り難かったのは確かであろう
「小鳩、早く食べんと無くなるで!」
そんな愛子や小鳩の前では福の神の貧が相変わらずの様子でお菓子やケーキをガツガツと食べているが、貧の食欲以上にお菓子やケーキが次々運ばれて来るためテーブルからは一向に減らなかった
しかも無くなった皿から次々にお菓子やケーキが出される為、ちょっとした大食い大会のようである
「よく食べて大きくなってね~」
遠慮のカケラもない貧に小鳩は恥ずかしそうだが、冥子はまるで子供をあやすように貧の頭を撫でていた
「お嬢ちゃんはええ子やな~ わいがもう少し力を付けたらたっぷり富を与えたるわい」
六道家のお菓子が気に入ったのかご機嫌な貧はいつか富を授ける約束をするが、冥子はあまり興味がないようで貧の食べっぷりの方が面白いようだった
何はともあれ凸凹なお茶会は続いていく