秋の夜長に……
その後も慰霊祭は淡々と進むが、エミが令子や美智恵と会話をすることはなかった
令子とエミは以前深夜のバーで会って以来だったが、特に険悪な空気になることもなく互いに口も聞かない状況である
正直エミはさほど令子を意識してないし険悪になる要素も特にないのだが、令子は平静を装いつつも意識していた
最近のエミの活躍は令子も当然聞いてるし、魔鈴と親しい事実も知っている
まあそれがどうしたと聞かれると令子も答えに困るのだろうが、何か面白くないと言った感情が強いのだろう
その頃ピートは教会で尋ねて来た人の相談に乗っていた
内容は特にオカルトと無関係な日頃の愚痴だったが、唐巣の教会を訪れる人はそんなオカルト以外の相談も当然として多かったのだ
唐巣自身が協会幹部としての仕事が多くなるにつれて教会はピートが居る時間が圧倒的に増えたが、最近では唐巣と同じくらい人望がある存在になりつつあった
以前のような精神的な迷いや弱さがほぼ無くなっている影響もあり、ピート本来の強さと優しさが目立っていることが原因だろう
この一年でピートは大きく成長していた
「すっかり神父だな」
「そうですノー」
そしてこの日は教会に雪之丞とタイガーが訪れている
この後ピートが受けた依頼の助っ人として二人は集まっていたのだ
「破門された先生の弟子だから本物じゃないんだけどね」
相談相手が帰りピートは奥の居住スペースに居た雪之丞達の元に戻ってくるが、やはり昔とは違い余裕や強さがある
横島絡みの問題でオカルトGメンを諦め唐巣の弟子として暮らす今の生活が気に入ってるようだ
「横島さんはどうでした?」
「普通だよ。 さっき顔出して来たけど普通に仕事してた」
お茶を出しながらピートは今日の横島の様子を尋ねるが、特にいつもと変わらないと聞きホッとした表情をみせる
ピートは横島が前を向いて進んでるのは理解してるが、それでも人の感情や気持ちが簡単に割り切れないこともよく理解していた
今日この日を横島がどう過ごそうとするのか、気になっていたのだろう
「大丈夫ですかいノー」
「あいつらが居るから大丈夫さ。 喜びも悲しみも同じように感じるやつらだからな」
いつもと変わらぬ横島に安堵するピートと対照的にタイガーは不安そうだが、雪之丞は割と楽観的に大丈夫だと言い切っていた
まあ魔鈴やタマモやシロと横島の関係を一番よく知るだけに、雪之丞は自分が心配する必要はないと割り切ってるようである
「結局横島さんが一番進んだのかも知れませんね。 気をつけないと置いて行かれそうですよ」
雪之丞の言葉にピートは、この二年の横島の変化を考え苦笑いを浮かべてしまう
アシュタロス戦を含めたこの二年間で一番変わったのは間違いなく横島なのである
その変化のスピードは長く生きてるピートから見ると、まるで生き急いでるようで不安にもなる時があるのだ
いずれ自分達の理解出来ない域にまで行ってしまうのではと考えたピートは、自分ももっと努力しなければと肝に命じていた
令子とエミは以前深夜のバーで会って以来だったが、特に険悪な空気になることもなく互いに口も聞かない状況である
正直エミはさほど令子を意識してないし険悪になる要素も特にないのだが、令子は平静を装いつつも意識していた
最近のエミの活躍は令子も当然聞いてるし、魔鈴と親しい事実も知っている
まあそれがどうしたと聞かれると令子も答えに困るのだろうが、何か面白くないと言った感情が強いのだろう
その頃ピートは教会で尋ねて来た人の相談に乗っていた
内容は特にオカルトと無関係な日頃の愚痴だったが、唐巣の教会を訪れる人はそんなオカルト以外の相談も当然として多かったのだ
唐巣自身が協会幹部としての仕事が多くなるにつれて教会はピートが居る時間が圧倒的に増えたが、最近では唐巣と同じくらい人望がある存在になりつつあった
以前のような精神的な迷いや弱さがほぼ無くなっている影響もあり、ピート本来の強さと優しさが目立っていることが原因だろう
この一年でピートは大きく成長していた
「すっかり神父だな」
「そうですノー」
そしてこの日は教会に雪之丞とタイガーが訪れている
この後ピートが受けた依頼の助っ人として二人は集まっていたのだ
「破門された先生の弟子だから本物じゃないんだけどね」
相談相手が帰りピートは奥の居住スペースに居た雪之丞達の元に戻ってくるが、やはり昔とは違い余裕や強さがある
横島絡みの問題でオカルトGメンを諦め唐巣の弟子として暮らす今の生活が気に入ってるようだ
「横島さんはどうでした?」
「普通だよ。 さっき顔出して来たけど普通に仕事してた」
お茶を出しながらピートは今日の横島の様子を尋ねるが、特にいつもと変わらないと聞きホッとした表情をみせる
ピートは横島が前を向いて進んでるのは理解してるが、それでも人の感情や気持ちが簡単に割り切れないこともよく理解していた
今日この日を横島がどう過ごそうとするのか、気になっていたのだろう
「大丈夫ですかいノー」
「あいつらが居るから大丈夫さ。 喜びも悲しみも同じように感じるやつらだからな」
いつもと変わらぬ横島に安堵するピートと対照的にタイガーは不安そうだが、雪之丞は割と楽観的に大丈夫だと言い切っていた
まあ魔鈴やタマモやシロと横島の関係を一番よく知るだけに、雪之丞は自分が心配する必要はないと割り切ってるようである
「結局横島さんが一番進んだのかも知れませんね。 気をつけないと置いて行かれそうですよ」
雪之丞の言葉にピートは、この二年の横島の変化を考え苦笑いを浮かべてしまう
アシュタロス戦を含めたこの二年間で一番変わったのは間違いなく横島なのである
その変化のスピードは長く生きてるピートから見ると、まるで生き急いでるようで不安にもなる時があるのだ
いずれ自分達の理解出来ない域にまで行ってしまうのではと考えたピートは、自分ももっと努力しなければと肝に命じていた