一方西条と令子の関係だが、実は美智恵との話の後も何の変化もないままだった

美智恵と西条は令子を傷付けないように別れることで一致してるが問題は別れ方である

元々言葉の上では付き合うとは言ったが、恋人らしいことは何一つしてない

まあ一緒に食事をする機会は増えたが、恋人らしい空気になったことはなく友人と近い関係だった


西条にとって皮肉だったのは、邪魔者のはずの横島が去ってから令子との距離が余計に離れてしまったことか

昔ならば西条が令子を誘えば少なからず男女の関係に近い空気と距離があったが、横島が去ってからはそういった空気が無くなったのだ

その結果どうやって円満に関係を終わらせるかで悩み、最終的にはこれ以上恋人のように接するのはしないとしか方法が無かった

自分から告白しておいて合わないから別れたいなどと言えるはずがない

下手に別れると言えば、横島の件で傷付いた令子が更に傷付くのが目に見えている

まあ美智恵としても令子には時間が必要との考えがあるし、下手に別れると言うよりは二人の関係を昔のままに固定した方がいいだろうとの判断だった


ちなみに西条と例の女性は今でも繋がりが続いている

令子との問題から恋人としては扱ってないが、異性の友達以上恋人未満として適度な距離のいい関係だった

肉体関係は最初の一回だけと西条にしては大人しいが、普通に優しい女性が西条の数少ない癒しになってるのは事実だ

西条は決して認めないだろうが、結局気難しい令子を持て余したのは言うまでもない

かつて未来から来た横島のように数年単位で耐え忍べば、令子も変わり幸せな未来があるのかもしれないが西条にはそんなに令子を待つ余裕は無かったようだ



次に唐巣についてだが、ＧＳ協会幹部に就任してから僅か数ヶ月で協会内での存在感が日に日に増していた

この数ヶ月間は特別なことなど全くしてないのだが、それでも細かな問題の仲裁などで実力を発揮し始めている

様々な利害関係が複雑に絡み合うのはどこの組織も同じだがＧＳ協会は特に難しく、唐巣の細かな配慮は流石と言うしかなく本人の意志とは関係なく評価が高まってしまう

まあ他にも調整型の役員は居るのだが、長年人々の為に働きアシュタロス戦にも参加した唐巣の発言力は決して低いものではない

その私心なき行動故に信頼を集め存在感が増すのはある意味当然の結果だろう

ちなみに唐巣の幹部就任で一番得をしてるのが、ＧＳ協会絡みの細かな負担が減った六道冥菜だったりする

冥菜としてはＧＳ協会への六道家の影響力はあまり減らしたくないが、同時に組織としてもう少ししっかりして欲しいのが本音だった

幹部の大半は地位や利権の維持などには熱心なのに、その利益分の仕事が出来ないのが悩みの種だったのだ

清廉潔白な組織など夢のまた夢であり、現実的に最低限自分の利益分の仕事はするような組織になって欲しいようである

結局他の人の分まで唐巣には様々な人からたくさんの期待が集まってしまう