嵐を呼ぶ再会
(まさか私達は監視されてる? 守るため? まさか……)
仮定に仮定を重ねて考えていくタマモは、最悪の可能性を考えると思わず寒気がするようだった
タマモ自身個人的には小竜姫達を信じているが、神族そのものは正直あまり信じてない
小竜姫などのような個人単位ではともかく、神族全体は決して人の味方でも弱者の味方でもないのだ
(でもいかに文珠といえど神族に危険視されるほどの力はないわ。 所詮は個人の力なのだもの)
タマモの最悪の想定は横島が神族に危険視されてる可能性だった
アシュタロスを倒した最大の原動力は紛れもなく文珠である
一瞬神族が横島を危険視しているのかと考えてしまうが、いかに文珠とはいえ所詮は個人の力の範囲だ
神族が危険視するほどの危険性はないとタマモは考える
(でも油断は出来ないわね)
横島は小竜姫達を無条件で信じてしまうが、タマモは横島ほど小竜姫を信用出来なかった
いかに小竜姫個人が横島を心配して肩入れしても、上層部の命令に逆らってまで横島を守ると考えるのはあまりに楽天的過ぎる
せいぜい見てみぬふりをして横島の行動を黙認する程度だろう
結局タマモは横島が身内と判断してる者達へも警戒心を捨てなかった
自分の警戒が無駄になるのが一番だが、もし仮にそれが原因で小竜姫達に嫌われてもタマモはそれならそれで構わないと考えている
誰かが汚れ役をやらねばならないなら、それは自分にしか出来ないとタマモは自負しているのだから
「何考えてるんだ?」
思考の渦からタマモを現実に引き戻したのはタマモの顔を覗き込む横島の声だった
ほんの僅かな瞬間の複雑そうな表情を横島は見ていたらしい
「なんでもないわよ」
「なんか気になるって顔してた気がするけど?」
横島の声にタマモは慌てることなく返事をするが、横島はまるで何か確信があるかのように言葉を続ける
(厄介な時に限って鋭くなるのよね)
普段は面白いほど騙されやすい横島だが、たまに別人かと疑いたくなるほど鋭くなる時があった
やはりあの母親の血を引いてるのだと改めて確信するが、横島ではタマモを追求して吐かせるには少々力量不足である
「別にたいしたことじゃないわよ。 もしヒャクメさんが私達をたまに覗いてるなら、きっと夜とかも覗いてるんじゃいかって思ったの」
珍しく追求する横島にタマモは絶妙な嘘を言うと、横島と魔鈴は固まってしまう
ヒャクメの性格上ないとは否定出来ないし、自分達の夜の生活を覗かれてるかもしれないと知ると横島もタマモどころではなくなる
「……今度小竜姫様に頼んでみるよ」
顔を真っ赤にして言葉を失う魔鈴に、横島はヒャクメの覗きを辞めさせるために小竜姫に頼んでお仕置きして貰おうと言い出す
「でもまだ覗いてると決まった訳では……」
「あいつの性格上絶対覗かないとは言い切れん。 少なくとも小竜姫様に言って真実を確認せんと……」
タマモの嘘に慌てた様子で対策を話し合う二人は、すっかり先程までのタマモのことなど頭になかった
恥ずかしそうに慌てながらもどこか幸せそうな二人の姿にタマモはクスクスと笑みをこぼしていた
仮定に仮定を重ねて考えていくタマモは、最悪の可能性を考えると思わず寒気がするようだった
タマモ自身個人的には小竜姫達を信じているが、神族そのものは正直あまり信じてない
小竜姫などのような個人単位ではともかく、神族全体は決して人の味方でも弱者の味方でもないのだ
(でもいかに文珠といえど神族に危険視されるほどの力はないわ。 所詮は個人の力なのだもの)
タマモの最悪の想定は横島が神族に危険視されてる可能性だった
アシュタロスを倒した最大の原動力は紛れもなく文珠である
一瞬神族が横島を危険視しているのかと考えてしまうが、いかに文珠とはいえ所詮は個人の力の範囲だ
神族が危険視するほどの危険性はないとタマモは考える
(でも油断は出来ないわね)
横島は小竜姫達を無条件で信じてしまうが、タマモは横島ほど小竜姫を信用出来なかった
いかに小竜姫個人が横島を心配して肩入れしても、上層部の命令に逆らってまで横島を守ると考えるのはあまりに楽天的過ぎる
せいぜい見てみぬふりをして横島の行動を黙認する程度だろう
結局タマモは横島が身内と判断してる者達へも警戒心を捨てなかった
自分の警戒が無駄になるのが一番だが、もし仮にそれが原因で小竜姫達に嫌われてもタマモはそれならそれで構わないと考えている
誰かが汚れ役をやらねばならないなら、それは自分にしか出来ないとタマモは自負しているのだから
「何考えてるんだ?」
思考の渦からタマモを現実に引き戻したのはタマモの顔を覗き込む横島の声だった
ほんの僅かな瞬間の複雑そうな表情を横島は見ていたらしい
「なんでもないわよ」
「なんか気になるって顔してた気がするけど?」
横島の声にタマモは慌てることなく返事をするが、横島はまるで何か確信があるかのように言葉を続ける
(厄介な時に限って鋭くなるのよね)
普段は面白いほど騙されやすい横島だが、たまに別人かと疑いたくなるほど鋭くなる時があった
やはりあの母親の血を引いてるのだと改めて確信するが、横島ではタマモを追求して吐かせるには少々力量不足である
「別にたいしたことじゃないわよ。 もしヒャクメさんが私達をたまに覗いてるなら、きっと夜とかも覗いてるんじゃいかって思ったの」
珍しく追求する横島にタマモは絶妙な嘘を言うと、横島と魔鈴は固まってしまう
ヒャクメの性格上ないとは否定出来ないし、自分達の夜の生活を覗かれてるかもしれないと知ると横島もタマモどころではなくなる
「……今度小竜姫様に頼んでみるよ」
顔を真っ赤にして言葉を失う魔鈴に、横島はヒャクメの覗きを辞めさせるために小竜姫に頼んでお仕置きして貰おうと言い出す
「でもまだ覗いてると決まった訳では……」
「あいつの性格上絶対覗かないとは言い切れん。 少なくとも小竜姫様に言って真実を確認せんと……」
タマモの嘘に慌てた様子で対策を話し合う二人は、すっかり先程までのタマモのことなど頭になかった
恥ずかしそうに慌てながらもどこか幸せそうな二人の姿にタマモはクスクスと笑みをこぼしていた