その後予定通り食事にするが、いつの間にか宴会のようになってしまう

突然だったのでさほど凝った料理ではないが、得意の魔法料理を振る舞い親友にも好評だった魔鈴の表情は明るかった


「なかなか楽しい生活送ってるみたいで安心したわ。　ちょっと羨ましいくらいだし」

宴会は続き適当な無断話をしながら騒いでいた綾だったが、魔鈴が賑やかで楽しい生活を送ってることに心底嬉しそうである


「こんな可愛い妖怪達なら家にも欲しいくらいだわ。　今度帰国する時は神様にでも会ってみたいわね」

今回綾が一番驚いたのはやはりタマモやシロの存在だろう

シロの尻尾さえなければ妖怪なのを信じれないほど、二人は普通の子供にしか見えないのだから

そんな綾はオカルトに興味を抱き始めしまい、次に帰国する時は神様にでも会いたいと冗談を言っていた


「神様ですか？」

綾は百パーセント冗談なのは魔鈴も理解してるが、会うくらいなら本当に出来そうな事実を言うべきか僅かに悩んでしまう


「はいはいー、呼んだのねー？」

そんな瞬間だった

何故か突然ヒャクメが現れていつもの軽い笑顔を振り撒く


「えっ……」

何もない場所に突然瞬間移動で現れたヒャクメに綾とアンディは当然固まってしまう

また新しい妖怪仲間かと二人は考えるのだが……


「私はヒャクメ。　妖怪じゃないわ。　神界の調査官をしてる立派な神様なのね！」

「自分で立派な神様って言うと逆に怪しく見えるわ！！」

綾とアンディの思考を覗いてクスクスと笑みをこぼしつつ、立派な神様と自称して胸を張るヒャクメに横島がすかさずツッコミを入れる


「せっかく神様に会いたいって言うから来てあげたのに冷たいのねー」

「確かに一応神様なんだろうけど、ヒャクメじゃ神様のイメージが壊れるぞ」

「酷いのね！　一緒に数々の冒険をしたのに酷いのね！」

突然現れたヒャクメが横島と漫才のような会話をする中、綾とアンディはようやく我に帰って魔鈴に友達なのかと尋ねるが……


「友人と言ってもいいのでしょうか？　本物の神様ですし」

「えっ！？　マジっ！？」

綾の問い掛けに微妙に困った表情で答える魔鈴だが、綾は魔鈴がそんな嘘をつくタイプでないことはよく理解している

まさか本当に神様が現れるなど当然思いもしてなかったようだった


「うわ～、魔鈴さんもサラッと酷いこと言うのね。　友達と思って貰えてないなんてショックで魔鈴さんの秘密を暴露したくなるのね」

「はい？　いや、あの私は友達だと思ってますが身分が違いますし。　私としてはヒャクメ様にそこまで言い切っていいのやら」

横島との漫才も終わり魔鈴が友人と言い切ってくれない事にヒャクメは悲しそうに口を挟むが、本気で慌てる魔鈴に我慢が出来なかったのか笑い出してしまう


「ねえねえ横島君。　本当に神様なの？」

「そうっすよ。　知り合いの神様で一番軽い神様っすね」

「貴方達いったいどんな生活送ってるの？」

突然現れて軽快なトークをする神様に綾の常識は音を立てて崩れていく

いかに魔鈴の友人とはいえ、今回ばかりは信じられないようだった