嵐を呼ぶ再会
そのまま賑やかに食事を楽しんだ四人だったが、店を出た後に銀行に寄っていた
久しぶりの帰国で綾はいろいろやる事が多いらしく、その中の一つの用事を忘れてたらしい
すぐ済むからと銀行に立ち寄った四人だったが、ここで予期せぬ事態に巻き込まれてしまう
「全員立ち上がって手を上げろ!」
まるでドラマのワンシーンのように覆面を被った五人組の男達が、銃を銀行の行員や居合わせた客に突き付け金を要求したのだ
居合わせた客達は一瞬訓練かと思ったらしく笑顔が見えた者も居たが、犯人の一人が威嚇に銃を発砲して照明が壊れると一気に静まり返る
「早くしろ! 動いたら殺すからな!」
銀行員に金を急がせる者や客を見張る者など役割を決めてるらしく、犯人達は連携して銀行の中を見張っていた
(犯人は五人……)
そんな突然の事態に固まる客達の中で横島は、久しぶりの緊迫感に恐怖と緊張感の両方が込み上げて来る
このまま何事もなく彼らが去ってほしいと祈るのだが、運がいいのか悪いのか通報により駆け付けたパトカーが銀行の前に止まってしまう
「ちっ! 余計なことを……」
この犯人達計画性があるように見えてないらしい
銀行側がもたつく間に警察が駆け付けて来ることを予測してなかったようだ
「人質を取ってずらかるぞ!!」
入口を警察に押さえられて焦った犯人達は、ちょうど受付窓口に居た綾と他の女性の二人を人質に取り逃走をしようとする
「横島君、頼みがある」
犯人が人質に銃を突き付けて逃走をしようとしている事に横島と魔鈴は焦りを感じてなんとかしなければと悩むが、そんな時無言だったアンディが突然犯人に聞こえないような小声で話し掛けてきた
「あいつらの目を眩ませてほしい。 君なら可能なのではないのか?」
静かに語るアンディだったが、その言葉には確信めいた何かがある
何故アンディがそんな事を言うのか分からず横島は戸惑うが、悩む時間はなかった
「……何人いけますか?」
「確実を期するなら四人……いや三人だ」
犯人が所持している銃はトカレフであり、アンディがいかに正規軍人とはいえ一人で武器もなく人質を奪還して即制圧出来る人数はたかが知れている
しかしこのまま見過ごすと人質の命が危ないのは確かであった
「じゃあ、俺が二人行きます。 合図したらあいつらの前で閃光を出すんで二秒後に動いてください」
本当は横島としては警察に任せたい気持ちもあったが、アンディは一人でも行きそうな様子であり止めても無駄だと悟っている
まあこの辺りはお国柄の違いもあり、銀行強盗が人質を生かしたまま解放するとは思ってないのだろう
加えてあくまでも生かしたまま犯人を逮捕する日本の警察が頼りないと感じるのも、アメリカ人なら当然だったのかもしれない
「魔鈴さんはここに居て下さい」
横島は不安そうな魔鈴にこっそりと文珠を数個渡すと、高鳴る鼓動を抑えるようにタイミングを計っていく
正直逃げ出したい気持ちでいっぱいだったが、ここで逃げ出す訳にはいかない
なんで自分はこうも厄介事に巻き込まれるのかと自分の運の無さを内心では歎く横島だったが、そんな葛藤と裏腹に横島の思考は自分でも驚くほど落ち着き研ぎ澄まされていく
久しぶりの帰国で綾はいろいろやる事が多いらしく、その中の一つの用事を忘れてたらしい
すぐ済むからと銀行に立ち寄った四人だったが、ここで予期せぬ事態に巻き込まれてしまう
「全員立ち上がって手を上げろ!」
まるでドラマのワンシーンのように覆面を被った五人組の男達が、銃を銀行の行員や居合わせた客に突き付け金を要求したのだ
居合わせた客達は一瞬訓練かと思ったらしく笑顔が見えた者も居たが、犯人の一人が威嚇に銃を発砲して照明が壊れると一気に静まり返る
「早くしろ! 動いたら殺すからな!」
銀行員に金を急がせる者や客を見張る者など役割を決めてるらしく、犯人達は連携して銀行の中を見張っていた
(犯人は五人……)
そんな突然の事態に固まる客達の中で横島は、久しぶりの緊迫感に恐怖と緊張感の両方が込み上げて来る
このまま何事もなく彼らが去ってほしいと祈るのだが、運がいいのか悪いのか通報により駆け付けたパトカーが銀行の前に止まってしまう
「ちっ! 余計なことを……」
この犯人達計画性があるように見えてないらしい
銀行側がもたつく間に警察が駆け付けて来ることを予測してなかったようだ
「人質を取ってずらかるぞ!!」
入口を警察に押さえられて焦った犯人達は、ちょうど受付窓口に居た綾と他の女性の二人を人質に取り逃走をしようとする
「横島君、頼みがある」
犯人が人質に銃を突き付けて逃走をしようとしている事に横島と魔鈴は焦りを感じてなんとかしなければと悩むが、そんな時無言だったアンディが突然犯人に聞こえないような小声で話し掛けてきた
「あいつらの目を眩ませてほしい。 君なら可能なのではないのか?」
静かに語るアンディだったが、その言葉には確信めいた何かがある
何故アンディがそんな事を言うのか分からず横島は戸惑うが、悩む時間はなかった
「……何人いけますか?」
「確実を期するなら四人……いや三人だ」
犯人が所持している銃はトカレフであり、アンディがいかに正規軍人とはいえ一人で武器もなく人質を奪還して即制圧出来る人数はたかが知れている
しかしこのまま見過ごすと人質の命が危ないのは確かであった
「じゃあ、俺が二人行きます。 合図したらあいつらの前で閃光を出すんで二秒後に動いてください」
本当は横島としては警察に任せたい気持ちもあったが、アンディは一人でも行きそうな様子であり止めても無駄だと悟っている
まあこの辺りはお国柄の違いもあり、銀行強盗が人質を生かしたまま解放するとは思ってないのだろう
加えてあくまでも生かしたまま犯人を逮捕する日本の警察が頼りないと感じるのも、アメリカ人なら当然だったのかもしれない
「魔鈴さんはここに居て下さい」
横島は不安そうな魔鈴にこっそりと文珠を数個渡すと、高鳴る鼓動を抑えるようにタイミングを計っていく
正直逃げ出したい気持ちでいっぱいだったが、ここで逃げ出す訳にはいかない
なんで自分はこうも厄介事に巻き込まれるのかと自分の運の無さを内心では歎く横島だったが、そんな葛藤と裏腹に横島の思考は自分でも驚くほど落ち着き研ぎ澄まされていく